継続力


 継続するという力は、非常に重要だ。
禁煙とか、ダイエットではなく組織の継続力について考えてみたい。例えば、5Sを継続する力のことだ。

5Sを継続させるのは、意外と難しいのではないだろうか。初めは皆一生懸命取り組むが時間が経つにつれて、徐々に熱が冷めてくる。

まずは敷居を低くする。
中国で工場を経営するW社長は、5Sを始める時に、全員に雑巾を配った。当然W社長自身もマイ雑巾がある。これで全員が拭き掃除から始めた。誰でもが出来る事から始めようと思った。とおっしゃっていた。

難しくて敷居が高いようでは、継続などは望めないだろう。敷居を低くして、まずは出来るところから入る。

二番目に責任を明確にする。
W社長の例で言えば、全員が雑巾を持っており、拭き掃除をする場所が決まっている。W社長も自分のデスクの拭き掃除は自分の責任になっている。

掃除ばかりではない。
何かを始める時に、担当者を決め期待する成果を明確にしそれに責任を与える。日本人と違って、責任が曖昧になっているのを中国人は好まない。きちんと誰の責任か決めておく。そしてそれがマンネリにならないように、時々責任者を入れ替える。責任者といっても、管理職のことではない。誰が責任を持ってその仕事をするかということだ。

三番目。コトを造る。
楽しいことは継続できる。これは誰もが同意できるだろう。しかし仕事そのモノは楽しいものではない。仕事を楽しいと感じるのは、仕事を通して得られる達成感、自己成長を実感するからだ。
この達成感や自己成長を、お互いに認め合い、実感するための「コト」を造るのだ。

5Sで言えば、社長の月例巡視で優秀部署を決め、社長が食事会に招待する。これが「コト」だ。
技能を研鑽する継続力を持つために、「技能オリンピック」を年一回開催する。QCC活動を継続する力を与えるために、QCCの成果発表会を開催する。

日常とはちょっと違う「ハレの場」を演出するのが、コト造りだ。

この三つをやれば、継続力がつく。
規則・罰則で継続力をつけようという発想ではうまくゆかないだろう。イソップ童話に出てくる、北風と太陽が旅人のコートを脱がせようとした逸話と同じだ。旅人にムリにコートを脱がせようとするより、脱ぎたいと思わせればよいのだ。継続も同じで、継続したいと皆に思わせるのがベストだ。


このコラムは、2010年9月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第170号に掲載した記事です。

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