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コロナウィルス

 中国のコロナウィルスは収束に向かいつつあるように思える。しかし欧州、米国などまだこれからも拡大しそうな勢いだ。ダントツの感染者数だった中国を欧州勢が追い上げている。

コロナウィルス感染者数

このデータを別の角度から見てみる。
感染患者の死亡率の大きい順に並べ替えて見た。

コロナウィルス死亡率

感染者数で4位のドイツは死亡率で見ると0.34%となりダントツの低さだ。
スイス、韓国、米国が続いている。韓国はよくわからないが、ドイツ、スイス、米国は医療機器や医薬品メーカが多い印象がある。重篤な患者に使用する人工呼吸器や、症状を抑える医薬品などが豊富にあったのではないだろうか?

中国は強権で感染拡大を抑え込み、収束方向に向かいつつあるように見える。一方感染が一気に広がったドイツでは、99.66%の患者が治癒している。

このような危機を救うのは政治の管理力よりも産業の技術力だろう。


このコラムは、2020年3月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第958号に掲載した記事です。

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新型コロナウィルス

 失敗と言えるかどうか判断しにくいが、新型コロナウィルスに対する対応の日中の差を考えて見たい。

「屋形船の従業員ら2人の感染確認 10人が発熱など症状」(朝日新聞)によると、タクシー組合の新年会には約80人が参加し、このうち約10人に発熱などの症状があるとでていた。中国で起きていることを「対岸の火事」としか考えていないのだろう。

2月12日の羽田発広州白雲行きのJAL便で中国に来ている。搭乗機の機内には十数名の乗客しか乗っていなかった。そのほとんどが中国人旅客のようだった。広州白雲空港に到着して驚いた。いつも大勢の人が入国審査に並んでいるが、私の前には1人しかいなかった。いつも利用している空港バスもガラガラ。

羽田空港で体温測定を受けてから白雲空港で2回、バスに乗車する時に1回、高速道路を出たところで1回、地下鉄に乗車する時1回、マンションのゲートをくぐる時に1回、合計で6回体温測定をした。

入国審査の時に、問診票を提出する。これにより過去2週間の滞在場所、健康状態、中国での滞在先、電話番号、機内の座席番号がパスポート番号とともに記録される。空港バスでも同様の記録が取られる。同じ機内、同じバスに乗車した人が発病したら、同乗者は全員隔離できることになる。

食事のために街に出るが、飲食店は全て店内での営業を停止している。食事はウーバーイーツと同様の宅配バイクで届けられる。配達員はマンションの敷地内には入れず、ゲート前に置かれたテーブルまで届ける。
「新年会」など中国ではあり得ない。

食料を買い込むため近所のスーパーに出かけた。ここでも体温測定と、手の消毒をしてから店内に入る。買い物客は全員マスクをしている。(マスクを着用せず外出すると捕まる)その上防護メガネをし、ゴム手袋に透明な雨合羽まで着用している人も見かける。

日本より中国の方が安全ではないかとさえ思える。

さらにすごいのは、当局は人の動線を携帯しているスマホのGPS機能を使い補足しているようだ。知り合いの工場に突然係官が来て、帰省先から戻ったばかりの従業員2名を隔離施設に連行した。この従業員2名は湖北省に滞在していた訳ではない。湖北省内の高速道路を通過しただけだ。

別の工場では、従業員に支給するマスクが足りないと嘆いている。毎日係官がマスクの在庫をチェックしにくる。誤魔化すこともできない。

日本で同じことができるとは思えないが、中国政府の本気度が伺える。


このコラムは、2020年2月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第943号に掲載した記事です。

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