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サムスン、「Galaxy S8」を2月のMWCで発表せず

 MWCというのは毎年スペイン・バルセロナで開催されるスマホの展示会だ。この展示会でスマホメーカ各社の新製品が発表される。

CNET Japanの記事本文

Galaxy S8は今春発売が予定されている。MWCで発表がないということは、S8の出荷が遅れるのだろうか?当然昨年大騒ぎとなったNote7のリチウムイオン電池爆発事件が影響していると推測される。

リチウムイオン電池爆発の続報によると、最初のリコールは電池の設計問題。回収交換の電池により発生した事故は製造問題と発表されたようだ。記事を読んでも、問題の原因が何なのかよく理解できない(苦笑)

CNET Japanの記事本文

記事には再発防止対策として各バッテリをX線検査するほか、視覚的に調査するなどの「新たな検査基準」が適用されると記されている。

この対策は不良の流出対策だけであり、原因対策には触れていない。
設計に問題があったのならば、設計を変更しなければ解決はしないはずだし、製造に問題があったのならば、製造方法に改善がなければならないはずだ。
もし私がサムスンの品質保証責任者であれば、この報告書は担当者に書き直しを命じただろう(笑)


このコラムは、2017年1月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第513号に掲載した記事に加筆しました。

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「Galaxy Note7」の96%を回収

 サムスンは、リコールされた「Galaxy Note7」の「96%以上」を回収したと
発表した。

 ソフトウェアアップデートによって残るすべてのGalaxy Note7をまもなく使用不能にするとサムスンが発表した、2016年12月上旬の93%から増加している。1月8日の時点で、米国の大手通信事業者4社すべてがこのソフトウェアアップデートをリリース済みで、同国に残るすべてのGalaxy Note7がまもなくただの文鎮と化すはずだ。

(以下略)本文

(CNET Japanより)

 9月5日発行の本メルマガ第492号に、ギャラクシーNote7のリチウムイオン電池の事故について書いた。事故原因は未だ明かされていないが、充電回路の問題と推定している人が多い様に感じる。短時間で充電出来る様に、充電回路を設計したのだろう。
本体を薄くするため、電池回りのスペースに余裕がなく組み立て後にストレスがかかっていたと言う推定をしている人もいた。今時の機構設計は3D-CADを使っているだろうから、ちょっと考えにくい。しかし電池の寸法パラメータを間違えて登録していれば、デザインルールチェックには引っかからない。

高い授業料を払っているのは、サムソンだから本当の原因を自分だけのモノにしたいのかも知れないが、不具合原因を公表し、業界全体の智恵としてエンドユーザの安全を守る、と考えていただきたいところだ。

今回の事件でサムソンの対応が参考になるとすれば、回収を決めてから4ヶ月で96%回収しているところだ。最初の頃は少しもたついた印象もあったが、結果的にはかなりの高率で回収が出来たと言ってよいだろう。

更に電源が入らなくなる様にOSをアップデートする。OSを自動アップデートに設定していなければ、この対策が有効にはならないかも知れないが、上手い方法を考えたモノだと感心した。

これもIoTの恩恵だ。回収・リコールの有効な手段になるかも知れない。


このコラムは、2017年1月16日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第511号に掲載した記事に加筆しました。

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サムスンギャラクシーNote7発煙問題

 先週はサムスン・ギャラクシーNote7の発煙問題により、出荷済み品を交換しているとご紹介した。交換が中々行われなかった様で、自社の別機種に交換した場合100$、他社製品に交換する場合は25$の奨励金を出して回収速度を高めようとしていた。更に生産・販売を停止する所まで追い込まれた。

中国では既に航空機内でギャラクシーNote7の電源を入れる事を禁止していたが米国、日本も航空機内への持ち込みを禁止している。

先週のコラムには、同じメーカの電池に交換しても発煙が発生したと書いた。しかし別のニュース記事によると別メーカの電池に交換して発煙したそうだ。

電池メーカを変更しても発煙事故が発生したとなると、ボーイング787の発煙事故と同様に、充電側に問題があった可能性が高くなる。
電池はユーザから見れば、短時間で充電が完了し、長時間使用出来る方が良い。しかし、短時間で充電しようとすれば電池セルには負荷がかかり、温度が上昇するはずだ。
一方でスマホの高機能小型化により、消費電力は増し、バッテリィのサイズは小さくなる。
この二重の二律背反を解決するのが設計課題となる。
この技術をICの中で実現していれば、簡単には部品交換が出来ない。再度充電パラメータを設計し直し、ICに入れるのに数ヶ月の期間がかかるだろう。

上記記事には、数百人で原因調査を行ったが原因を特定出来ていない、とある。数百人も投入して何をしているのか不明だが(多分関連事業部の従業員全員の人数なのだろう。調査中の技術者をサポートしていると考えれば、清掃係も人数のうちになるのだろう・笑)
数人の技術者チームと、工場を調査する品質技術者チーム、それらのサポート要員が数名いれば十分だろう。多くても数十人だ。

こういう調査は、直接関わった設計者は向いていない事がある。彼らは設計の確からしさを検証する傾向があり、問題ないという結論を出す。しかし現実に問題は発生している。どうやったら問題が発生するかと言う、思考チェンジをしなければ原因の推定は出来ない。「充電回路のこの部品が間違っていたら事故は発生しうる」の様に逆の方向から検証する方が早道だと考えている。

ギャラクシーやアンドロイドスマホがこの世から消えても、私には何ら問題はないが(笑)今回の事故原因が究明・公表され失敗事例として社会に共有される事を願う。


このコラムは、2016年10月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第498号に掲載した記事に加筆しました。

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サムスン新スマホ、リコール後も発煙か 米報道

 韓国サムスン電子の最新型のスマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート7」の発火問題で、リコール(回収・無償修理)された従来の端末から交換した安全対策済みの端末でも異常が報告された。米メディアによると、米国時間の5日にケンタッキー州の空港から離陸しようとしていた米サウスウエスト航空の機内でノート7が発煙した。この端末を持っていた乗客によると、2週間前に新しい端末に交換したばかりだったという。

 5日の発煙を受け、米消費者製品安全委員会(CPSC)や米連邦航空局(FAA)が調査に乗り出した。サムスンは発煙が「新しい『ノート7』に関連したものかどうか現時点では確認できない」とコメントしたという。

 サムスンは8月19日にノート7を発売。しかし、一部電池に問題があったことが判明し、9月2日に米国や韓国など主要10カ国・地域で出荷済みのほぼ全量にあたる250万台を回収・交換することを決めた。ただ、9月下旬には韓国メディアが新しい端末で異常放電などの問題が起きたと報道。米国内でも新端末の異常が報告されたことで、再度、対応を迫られる可能性がある。

(日本経済新聞電子版より)

 メルマガ第492号でサムスン・ギャラクシーノート7の回収に関してコラムを書いた。今回はその続報であり、回収交換した電池でも発煙事故が発生したということだ。
サムスンは電池の問題ではないとしているが、充電残量が不自然に急減、端末が異常発熱などの事故が電池交換後にも発生している。

ノート7には、韓国のサムスンSDIとTDK子会社の香港アンプレックステクノロジーの電池が使われている。問題を起こした電池はサムスンSDIが製造したものと発表されている。しかし市場の情報では東莞ISM製となっている。電池セルはサムスンSDI製、それをモジュールとして組み立てたのが韓国半導体メーカの中国工場東莞ISMということなのであろうか?

回収交換品でも同様の問題が発生しているということは、回収交換用の電池もサムスンSDI製ということなのだろうか?
普通の感覚ならば、問題を起こしていないメーカ製に切り替えると考える。しかし回収交換にかかる費用を請求された場合、納入業者としては自社製品で交換してもらった方が費用は少なくなる。他社製に交換した場合、交換部品単価には利益が含まれる。一方自社製で交換すれば、部品単価は製造原価だ。

発煙発火という重大事故を起こしていながら、このような損得勘定をしているとは思いたくないが、ユーザの安全・利益を忘れた企業に未来はない。


このコラムは、2016年10月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第497号に掲載した記事に加筆しました。

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