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洞察力

 例えば組み立てラインの不良部品を入れる箱に、ねじが一本入っているのを見つけたとする。見つけたねじは正規の部品M3×10mmではなく、M3×8mmだった。これを見つけたあなたはどうするか、考えてみていただきたい。

このねじを見つけた時のリスクをどれだけ思い浮かべられるかが洞察力であり、そのリスクに対してどういう行動を取るかが、リーダの資質だ。そしてそう言うリーダを育成する事があなたの仕事だと思うがどうだろう。

問題が起きてから部下を叱るのではなく。部下にリスクを洞察する力を付けてやるのが、経営幹部の仕事だ。

例えば、冒頭のねじを見つけた時にたまたま異部品の混入を見つけたのは1本だけだったが、他にも短いねじが混入しており、気が付かずにそのまま組み付けてしまった可能性があると考える。そして即座にラインを止めて完成品、半完成品のねじを再チェックする。一瞬でこういう判断と行動が取れれば合格だと思う。判断が遅れてしまうと、不良の可能性がある半完成品が大量に後工程に流出することになる。その結果、ねじの再チェックを実施する決断が鈍る。

自分自身が、判断・決断が出来てもまだ十分ではない。実際に生産に直面している班長がリスクを評価し、判断・決断出来る様に育成しなければならない。

本当の所は、作業員が異常を見つけた時に作業員自身がラインを止めることが出来る様になる事がゴールだ。

こちらの記事もご参考に「答えを教えない教え方」


このコラムは、2017年7月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第536号に掲載した記事に加筆しました。

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