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漱石山脈

 漱石山脈とは、夏目漱石の元に集まった人々の人脈を言う。
小宮豊隆、鈴木三重吉、森田草平、内田百間、野上弥生子、芥川龍之介、久米正雄らの小説家の他に、阿部次郎、安倍能成、和辻哲郎などの学者もいた。そうそうたる人たちが、夏目漱石の自宅・書斎に集まり様々な議論をしていた。

集まった人々は、漱石に教えを乞うと言う訳ではなかった様だ。
芥川龍之介は、当時をこう思い返している。「木曜会では色々な議論が出ました。小宮先生などは、先生に喰ってかかることが多く、私達若いものは、はらはらしたものです。」
多分漱石自身もそう言う議論を楽しんでいたのだろう。参加者は漱石門人と言う訳ではなく、老少に関わりなく様々な話題を語り合う関係だったのだろう。

参加者の中に寺田寅彦もいる。寺田は随筆家であり俳人としても知られているが、本来物理学者だ。金平糖の形状に関する研究から、X線による結晶解析、統計力学など先進的な研究をしている。
文人ばかりではなく多方面の人が集まって、議論を展開していたのだろう。

こういう環境を非常に羨ましく思う。
サラリーマンだった頃、地域の人たちとパソコン通信でつながった。これは志があって始めた事ではない。社外の人との飲み会、と言うノリだった(笑)

独立後、中国に赴任している経営者・経営幹部と中国人人財の育成に関するテーマで毎月1回勉強会を始めた。2年程続けたが、仕事が忙しくなり継続出来なくなった。会場手配、開催案内の配信を一人でやっていれば、忙しくなると今月は休会と言う事になる。それが続くと継続が難しくなる。
今考えると、もっと緩~くやっていれば良かったのかも知れない(笑)

今は「東莞山脈」と読んでも良さそうな、東莞和僑会で定期的に勉強会をしている。

このメールマガジンも「○○山脈」とは言えなくても、自由闊達な議論の場になると良いなぁと考えている。発行者→読者と言う一方向のコミュニケーションだけではなく、発行者⇔読者の双方向のコミュニケーションにならないかと考えた。

私が好き勝手なテーマで書くのではなく、誰かがテーマを提供し、読者が自由に投稿する。これは相当面白そうだが、メールマガジンと言う媒体では難しいかも知れない。微信(ウィチャット)の様なSNSでやると面白いだろう。たまには、オフラインで酒でも酌み交わしながら歓談する。

こう書いていてなんだかワクワクして来た(笑)
ご興味がおありの方は是非このメールにご返信いただきたい

漱石山脈:「知的文章術」:外山滋比古著(P197参照)


このコラムは、2017年10月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第572号に掲載した記事です。

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