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意識

 「品質意識を高める」「安全意識を高める」こんなスローガンや講話を多用していないだろうか?

確かに意識が低い状態で仕事をしていれば、不良や事故が発生する。しかし「品質意識を高めろ」「安全意識を高めろ」と言えば従業員全員の意識が高まるだろうか?
「意識を高めろ」言われた方は何をすれば良いか判断できるだろうか?

意識が高まっている状態が可視化できなければ、「意識を高めろ」と指示した側も意識が高まっているかどうか判断できない。

意識が高まっている状態ではどの様な行動をとるのか?

例えば、品質意識が高まっている作業員は、設備の点検をもれなくしている、工程内で発生した不良の報告が早い、などの行動をとる。安全意識が高まっていれば、安全防具の着用が徹底している、危険箇所の点検に漏れがない、などの行動をとる。

この様に意識が高い行動、意識が低い行動を定義して、それらの行動が行われているか、行われていないかで意識のレベルを評価する。

この様な仕組みを作っておけば「意識を高めろ」という抽象的な指示をせずに具体的な行動を指示できるはずだ。

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このコラムは、2019年1月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第773号に掲載した記事です。

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鉄道の安全対策

 先週配信のメールマガジンで、JR西日本の車両点検職員に対する安全意識向上研修について取り上げた。

恐怖の風圧体験研修

トンネル内を疾走する新幹線の風圧を体感することにより、本当に事故防止が可能とは思えない。属人的な要因に左右されない作業方法による事故防止対策を検討すべきという意見を書かせていただいた。

そんな折にTV東京「カンブリア宮殿」でJR東日本の冨田会長を取り上げているのを見た。番組の中で冨田会長は「安全は守るものではなく、作るものだ」と語っていた。

国鉄民営化直後1988年に中央線の追突事故が発生している。
JR東日本は、この時の事故車両を展示する施設を作っている。職員の安全意識を高めるという点ではJR西日本の風圧体験研修と同じかもしれない。しかしこの後が違う。事故後の5年間で1兆円の安全投資をしている。事故防止には職員全員の安全意識が必要であるが、それ以上に経営者の本気度が重要だ。

「安全は守るものではなく、作るものだ」という言葉が経営者の本気度を象徴しているように思える。


このコラムは、2018年10月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第739号に掲載した記事に加筆修正しました。

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