コストダウン」タグアーカイブ

ピンチをチャンスに

 世界同時金融危機の時にメルマガにこんな記事を書いた。

「世界経済の低迷」

今回の新型コロナウィルスの感染拡大は、世界同時金融危機より深刻な影響になりそうな勢いだ。
こういう時期に経営者は3K経費を削減すると言われている。「3K」とは交通費、交際費、広告費だ。製造業の場合は広告費はほとんど必要ないと思う。
製造業の経営危機時に削減する「3K」は交通費、交際費、教育費だろう。

しかし経費の削減だけではピンチをチャンスに変えることはできない。
今中国の工場は、材料が入ってこない、従業員が戻ってこない、注文がない、など大逆境だと思う。しかしここで仕込みをしておかなければ、感染が沈静化した時に一気に立ち上がることはできない。

金融危機時受注が半減した友人の工場は、固定経費の徹底削減をした。
トータルで300万元/年の削減ができたと言っていた。
例えば、生産ブロアのレイアウトを変更し、2台あるエレベータを1台で運用するように改善した。これでエレベータの保守点検費用は半分になった。平常時にこのような改善をするのはほとんど不可能だろう。日々の生産があり、ラインを止めてレイアウト変更は難しい。

平時から従業員の教育は重要だとほとんどの経営者は考えている。以前は教育してもすぐ辞めてしまうので、教育など無駄だという経営者もいた。しかしその後、そういう人たちの消息は杳として聞こえてこない(笑)

教育には経費がかかる、と考えるのは「思考停止状態」だ。
工夫次第で経費をかけずに教育研修はできる。

例えば、若手に過去に発生した不良とその再発防止対策をまず整理させる。
その内容を上級の職員を交えて再検討をする。この様なディスカッションで、若手は過去の不良事例を自ら学ぶことになる。そしてディスカッションの中でより良い対策が生まれれば、組織全体の学びになるはずだ。
この様な工夫をすれば、間接職場も同様に学びを得られるはずだ。


このコラムは、2020年3月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第951号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】