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不良原因分析

 先週は「GM~踊れドクター」というTVドラマをまとめて見た.

米国でトップレベルの総合診断医師が,ダンサーとして日本で再デビューする事を夢見て帰国する,というかなり無理な設定のTVドラマだ(笑)

仕事を終えて,ビールを飲みながらドラマを見ている.面白ければそれで良いのだが,一応そのドラマを見る事の意義を考えることにしている.
このドラマの面白さは,患者の容態,行動,言動から可能性のある疾患を上げ一つずつ検証確認し,消去法で真因に迫って行くプロセスに有る.

このプロセスが,我々の不良原因分析に似ている.
不良現品,生産現場を良く観察し,可能性のある不良原因を一つずつ仮説検証する.
ドラマでは仮説検証の過程で,新たな仮説が浮かび上がり更に検証を進め真因を見つけることになっている.

まさに不良原因分析のプロセスそのものだ.
ホワイトボードに,可能性のある不良原因を書き上げる.それぞれに検証方法を考え,検証により原因を一つずつ消し込んで行く.

ドラマの設定では,このミーティングの過程で研修医や問題の有る医師たちが成長して行く.

我々の仕事も同じだ.
不具合原因解析のプロセスを「見える化」することにより,メンバーが解析のアプローチ方法や考え方を身につけることになる.
客先から不良が戻って来た時に,深刻な顔をして考え込まないで,メンバーを集めホワイトボードに解析のプロセスを見える化しながら,解析をしてみよう.メンバーの成長チャンスだと思えば,客先不良にもそんなに落ち込まずにいられるだろう.


このコラムは、2012年7月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第265号に掲載した記事に加筆しました。

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不良原因

 仕事柄非常にたくさんの不良再発防止対策書を見てきたし、自分自身で書くことも少なからずあった。本人は真剣に書いているのだろうけど、頓珍漢な対策書もある。詳細は書けないが、面白い(笑)事例をご紹介しよう。

研磨工程での傷不良に対し「力加減が不適切」と一次原因を分析、更に二次原因を「自主検査能力不足」としてあった。

これは全く論理があっていない。力加減が不適切ならば、傷がつくこともあるだろう。しかし自主検査能力不足が原因となって力加減の不適切は発生しない。

この様に逆から読み直してみれば、論理矛盾にすぐ気がつく。

連関図で一次、二次と直列につなぐからおかしくなる。

「力加減が不適切」は発生原因。
「自主検査能力不足」は流出原因。

発生原因と流出原因が重なると不良となる。連関図ではこの二つは並列になる。
簡単なことだが、担当している本人は気がつかなかったのだろう。こういう間違いを防ぐため、以下の様に指導している。
連関図(なぜなぜ5回)は逆から読んで見て論理矛盾がないか確認する。
不良原因は発生原因と流出原因をそれぞれ別に分析する。


このコラムは、2017年12月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第605号に掲載した記事に加筆しました。

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