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人口減少対策

 水曜日配信のメールマガジン「鉄道の安全対策」でカンブリア宮殿の番組からJR東日本冨田会長の「安全は守るものではなく、作るものだ」という言葉をご紹介した。カンブリア宮殿は2週連続で冨田会長を取り上げた。番組の趣旨は冨田会長の経営改革だと思う。

人口減少、車や航空機による移動増加など鉄道会社の経営にとっては不利な要素が増加している。そのために冨田会長は多角化に取り組んでいる。駅ナカや駅周辺の商業施設開発など、親方日の丸の国鉄では不可能だっただろう。

しかし冨田会長は多角化に頼った経営をしているわけではないと思う。逆境下の本業成長にも注力されている。「人口が減っても移動人口を増やせば良い」という発想が鉄道事業の本質を突いているように感じた。

人口が減れば乗客も減る、と考えるのは並みの経営者。
昔から私鉄は、乗客を増やすためにニュータウンの開発を手がけていた。しかし皮肉なことに、ニュータウンの開発により小家族化が進み人口は減少。地方の若者は都会に出て、地方の人口減少はより深刻となる。

こういう環境下でJR東日本は、廃線候補のローカル鉄道に魅力的な観光列車を走らせ「移動人口」を増やすとともに地方経済にも貢献している。

中国製造業は勤勉な農民工に支えられてきた。しかし世の中が豊かになるにつれ、労働者の賃金が上昇する。若者の製造業離れが始まる。これは経済成長の過程における必然だ。中国も人口減少のフェーズに入っている。人口が減少しても「労働人口」を増やすというのはほとんど不可能だろう。

賃金上昇、人口減少が避けられないとしたら生産効率の向上を考えるしか方法はない。


このコラムは、2018年11月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第740号に掲載した記事に加筆修正しました。

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人口減少

人口が減少すれば、消費が減少する。
だから売り上げが減る。業績が上がらないのはやむを得ない。

しかし本当にそうだろうか?

GDPの60%を占める家計最終消費支出は、2009年3Qと比較して2018年3Qは5.8%増加している。
業界・業種によって条件が異なるのは確かだろうが、マクロに見れば国内市場は成長している。

以前ご紹介したJR東日本の冨田会長は「人口が減っても交流人口は増える」と言っておられる。

第739号「鉄道の安全対策」

つまり人口が少なくなっても交流人口(鉄道を利用する人)を増やせば良い。そのために廃線候補の路線に観光列車を走らせる。駅ナカに商業施設を作れば、鉄道運賃以外の収益が上がる。

私たちはネガティブな状況に出会った時にため息をついてしまう。ため息をつけば消極的な事しか思い浮かばないだろう。

冨田会長の言葉「人口が減っても交流人口は増える」を「〇〇は減っても□□は増える」と一般化して考える。そうすればため息ではなく、アイディアが浮かぶだろう。

例えば「売り上げが減っても利益が増える」と考えれば、

  • 製品の付加価値を高めて売値を上げる。
  • 製品のコストを下げて利益率を上げる。
  • 製品の販路・市場を増やす。

などが簡単に思いつく。ため息などついている暇はない。
(三番目のアイディアは売り上げが上がってしまうのでNGか?・笑)


このコラムは、2018年12月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第759号に掲載した記事に加筆修正しました。

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