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有意義な会議とは

 1986年11月21日、伊豆七島の大島三原山が噴火した。島内には1万3千人が閉じ込められている。街に迫りだした溶岩が海中に流入したら一大水蒸気爆発が起こり、1万3千人が吹き飛ばされてしまう。日本国最大級の危機的状況が発生していた。

この状況下で、当時の担当省庁である国土庁と関係省庁の役人が緊急会議を開催していた。夕刻から始まった会議はなかなか結論に至らなかった。
その会議の議題はなんと、
[議題1]災害対策本部の名称(をどうするか)
[議題2](災害発生年次は)元号を使うか、西暦にするか
だったそうだ。

これは笑い話ではない。
日経ビジネスオンラインのコラム「ムダゼロ会議術」に出ていた。

しかし私たちは、この事例を笑っていられるのだろうか?
国最大の会議である国会で、ゴシップネタばかり追求し重要案件を議論しない。
採決に入れば、野党は議論が不十分だという。ゴシップネタに終始しただけでなく国会をボイコットしていた人たちが言える言葉ではないだろう。

この話題を取り上げたのは、私たち自身の会議を見直す機会と思ったからだ。政治家やマスコミの批判をするのが本意ではない。

災害発生時の会議の最優先目的は、被災者の生命財産の保護にあるはずだ。そのために現状を把握し、対策を検討。被災者救援の実施計画が会議のアウトプットだ。

社内で行われる会議が、なんとなく開催され定刻で終了。議事録担当者が何を書いたらいいかわからない、なんて会議が横行していないだろうか?

ある企業で行われている改善活動に参加したことがある。
最後にまとめをして終了となった。
経営者からコメントを求められ、素晴らしい改善活動をしていると感じたが、本当に効果が出ているか?という厳しいコメントをした。

活動中メンバーから問題点が指摘され、幾つも改善テーマが見つかっている。
しかし最後の総括会議で、それぞれの改善テーマを誰がいつまでに取り組むかを決めていない。当日あげられた改善テーマは、参加者のノートに埋もれてしまう。せっかく素晴らしい活動をしているのに成果は得られない。

有意義な会議とは、具体的なアクションプランがアウトプットされる会議だ。


このコラムは、2018年7月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第688号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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