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跨部門活動

 『跨部門活動』と言うのは部門を跨がった活動と言う意味の中国語だ。

現在中国企業を指導している。先月訪問時に製造工程が大混乱していた。原因を聞くと、材料の納入が間に合わなかったため、材料待ちで大幅に工程遅れが発生した、と言う事だった。その結果、遅れを取り戻そうと無理な進め方をし、工程の混乱を招いている。

これは実践指導の良いチャンスと思い、『跨部門活動』で問題解決をする事にした。
技術、品証、購買、製造の関係者を集め、趣旨を説明し『跨部門』で原因分析、対策検討をする様に、宿題を出した。

今月再訪問時に宿題の結果を見せてもらった。
一枚の報告書にまとめてあったが、残念ながら意味のある対策とは言えない。私の所見では、この報告書は一人で書き上げた様に思えた。とりまとめ担当に聞いた所、各部門の代表者は、これは購買の問題だから購買部門で報告書を書くのが妥当だと、一人に押し付けた様だ。

私の趣旨説明は完全に無視された(苦笑)
せっかくのチャンスをムダにはしたくないので、再びメンバーを集めた。
報告書の経緯説明に、顧客の特注仕様の部材調達に時間がかかり、部材の調達が遅れた、と書いてある。今回は前回のメンバーに、販社を追加した。直感的に、受注審査に問題が有ると感じたからだ。

この会社の製品(バス)は、既存の製品プラットフォームに顧客の要求により、外装デザイン、内装デザインなどをカスタマイズ設計して生産するタイプだ。
顧客要求確認→受注審査→納期・価格回答→正式受注のプロセスを経て、設計、調達、生産準備がスタートする。

実際の経緯を全員から聞き取り調査をした。正式受注までのプロセスは正しく行われた。
問題は購買部門のコミュニケーション不足、ベンダーの能力不足、購買担当者の責任感不足が原因であり、対策は担当者の再教育、認定ベンダーの審査強化、とお決まりの文句が彼らの対策書に並んでいる(苦笑)

受注審査の実施方法は、受注審査フォーマットを各部署持ち回りで確認サインする事になっている。いわゆる「ISOのアリバイ審査」だ(笑)

販社ものんきなもので、納期遅延はお客様にお願いすれば飲んでもらえるので問題ない、と言っている。地域での市場シェアが高く、慢心感がある様だ。
しかし納期遅延が慢性化すれば、既存顧客の信頼は徐々に低下する。新規顧客、市場シェアの低い地域への拡販は難しい。これを納得してもらい、受注審査のやり方を改善する事にした。

このような問題解決のアプローチは、購買部門単独では難しい。『跨部門』で問題の原因、対策検討をしなければならない。

実は同じ様な問題を、業種は違うが台湾企業の指導でも体験した事がある。この時は経営者が「プロジェクトマネージャ」を選任して、受注から生産,納入まで一人の人間が管理をする、と言う対策を考えた。私に言わせれば、屋上に屋を掛けるムダな管理であり、各部門の責任感は増加しない。
この時は「受注審査会議」を新設し、納期、コストを精査し、見積もり提出をする方式とした。

このような発想をすれば、責任部署の押し付け合いはないし、より効果的な運用が可能になるはずだ。販社にしても、無理な納期を設定し何度も顧客に謝りに行く必要は無くなる。初めに言っておけば「説明」だが、後から言えば「言い訳」となる。当然顧客の心証は悪くなる。上手く説明すれば、在庫の標準部材を使う事が出来、納期・コストともに特注部材を手配するより楽になるはずだ。


このコラムは、2016年6月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第481号に掲載した記事です。

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