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品質月間

 2019年11月は第六十回品質月間だ。今年のテーマは「みんなでつくる つなぐ お客様の笑顔」となっている。

以下は三年前に品質月間に合わせて配信したメールマガジンです。

 日本では、毎年11月に品質月間の行事が開催される。第57回となる今年の品質月間テーマは「あなたが主役 みんなでつなぐ 感動と安心を!」だ。

戦後間もない頃「Made in JAPAN」は安物の代名詞だった。安いだけならば結構だが、品質が悪い、すぐ壊れるという悪評ばかりだった。そんな状況を払拭せんと、企業が個別に品質管理強調月間を設け品質管理の意識を浸透し始めていた。品質管理活動を国を挙げて取り組もうと、日本科学技術連盟、日本規格協会、日本生産性本部、日本能率協会が主催機関となり、科学技術庁、通産省、日本商工会議所、日本放送協会などの後援を受けて「品質月間委員会」が結成された。この時(1960年)より毎年11月が品質月間と定められている。

頭初より品質月間は製造業ばかりでなく、消費者も一緒に参加する活動であるという趣旨により「品質管理月間」「品質管理強調月間」という生産者よりの名前は採用されなかった。つまり私たちの先輩諸氏は、60年も前から品質管理は自分たちのためではなく、お客様のためにすべきものと考えていたのだ。

品質管理、品質改善を従業員全員の品質第一のココロで進める。これは全て顧客満足を上げる活動だ。戦後、日本が急激に復興し工業国として世界的地位を築いた背景にはこの様な活動があったからだろう。

QC活動はTQC活動と呼ばれる様になり、製造部門ばかりではなく全社に広がる。さらにTQCからTQM(Total Quality Management)となり、品質以外の業務改善活動にも広がってきた。

しかし日本は中国に「世界の工場」の地位を奪われた感がある。日本人の完璧を目指す品質意識が中国との競争に負けた、と論評する人もいる。確かに家電業界は、軒並み日本勢が追い込まれている。しかし中国人が憧れる日本製炊飯器は、中国製と比較して2倍の炊飯時間がかかり、10倍の価格だ。それでも、わざわざ日本にまで行って買って帰ってくる。

世界のマスマーケットは、未だ「安かろう悪かろう」かも知れない。
しかし我々日本企業が、その様なモノ造りを続ける必要があるだろうか?
「安かろう悪かろう」のモノ造りを続けていても、従業員も会社も成長しない。

中国企業は金の力で業績不振に陥った日本企業の設計力を手に入れている。設計力が日本企業並みとなり、同じ中国人労働者を雇用している中国企業に対し、我々日系企業はどの様な戦略をもって競争優位となすべきだろうか?


このコラムは、2016年11月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第501号に掲載した記事に加筆しました。

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