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海を渡る「半沢直樹」 復権かけアジアで戦うTBS

 今年のテレビドラマで最高の視聴率をたたき出した「半沢直樹」。TBSテレビ系で放送され日本一有名な銀行マンとなった主人公の半沢直樹が、ついに海を渡る。10月中旬から台湾を皮切りに、アジアの他の国や地域でも放送される見通しだ。TBSテレビは視聴率の低迷にもがいてきた。ただ再び人気ドラマを量産できる体制が整ったことで、今こそアジアに攻め込む好機とみる。CMスポンサーとなる日本企業とタッグを組み、広告とセットでコンテンツを現地に売り込む斬新な手法にも挑む。アジアを舞台に、「ドラマのTBS」と呼ばれた名門の復権をかけた同社の戦いが始まった。

(日経新聞電子版より)

 「半沢直樹」最終回は、リアルタイムで視聴出来た。合法なのか違法なのか分からないが、INTERNETの恩恵だ。
会社員を辞めてもう9年近くになる。それでも、このドラマを見ると会社員時代の心が興奮して眠れなくなる。「空飛ぶタイヤ」「下町ロケット」に引き続き、池井戸潤がますます好きになって来た。

最終回の終わり方を見ると、続編がドラマ化されだろう。
半沢直樹の続編「ロスジェネの逆襲」は既に出版されている。原作を今読むべきかどうか迷う所だ(笑)

ところで日本のTVコンテンツの海外戦略は何ともお寒いものがある。

昔、木村拓哉の「ロングバケーション」を中国中央電視台で放送していた。
中国でも日本のドラマが受け入れられているようで、嬉しかった。しかしその後、日本ドラマの位置は完全に韓国ドラマに奪われている。

以前中国で放送されていた『大長今』(邦題:宮廷女官チャングムの誓い)は全76話ある。
日本のドラマのほとんどが、四半期で完結なので、全10話程度しかない。

視聴率至上主義の現場では、リスク管理のために短く完結させるのだろう。視聴者の方も、娯楽の多様化などで飽きっぽくなっている。そんな事情が有り、日本ドラマそのものがどんどん小粒になっている様な気がする。

TBSの新しい海外戦略は、ドラマコンテンツだけでなくCMスポンサーもセットで提供すると言う。提供するCMスポンサーは日本企業なので、スポンサー側の広告予算を海外に流出することになる。国内売り上げは減っても、将来プラスになると言う戦略なのだろう。

将来を見据えた戦略ならば、アニメも有力なコンテンツになるだろう。
何せ未来そのものである子供が見る。日本アニメファンの子供が大人になった時、きっと日本に有利な市場が出来るだろう。
中国でも「ワンピース」「クレヨンしんちゃん」など子供向きのアニメ番組は相当人気があるようだ。アニメ番組の良い所は、キャラクターグッズ市場と連動させ易い所だろう。(中国では、きちんと版権が回収出来るかどうか、分からないが・苦笑)

日本の製造業(物造り)が空洞化してしまった今、物ばかりではなくサービス等にも焦点を当てたモノ造り産業に転換して行かなければなるまい。例えば、観光業などの産業で海外から顧客を呼ぶ。日本には、四季と言う自然資源、もてなしのココロと言う人的資源がある。
更に、創造性により価値を高める「モノ創り」に力を入れてゆかねばならないだろう。アニメ、ドラマ等のコンテンツもこの範疇だ。

物造り、モノ造り、モノ創りともに人が基本だ。特にモノ創りには者造りが重要となる。


このコラムは、2013年9月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第329号に掲載した記事に加筆しました。

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