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現場の工夫を引き出す

 モノ造りにおいて,与えられた道具をそのまま使わない,何らかの工夫を入れて道具を使うという姿勢が重要だ.匠と呼ばれる職人さんたちの道具には全て工夫がある.工夫を道具に与えて初めて道具を使いこなしているといえるのではないだろうか.

中華系工場の生産現場を見ていて感じるのは,設備・道具をきちんと使いこなせているところが少ない.与えられた設備・道具の本来の機能を維持することすら難しい.いい加減な日常点検やメンテナンスでは高価な日本製の設備を導入してもすぐに使えなくなってしまう.

日系の工場に行くと,旧式の設備をきちんとメンテナンスをして使いこなしているところが多い.中には設備の年式の古さを自慢げに大きく表示している工場もあった.
同じ中国人が作業をしていても,きちんとした指導で設備の可動率はぜんぜん変わってしまう.

この日常点検・メンテナンスで設備・道具の機能をきちんと維持するのは基本だ.更に設備・道具に現場の工夫を入れてゆかねばならない.

中国人のメンタリティでは,設備を保守する人,設備を工夫・改善する人,設備を使って作業する人は全然別の人種であり,相互に干渉しないことが「善」と考えているフシがある.

これを打開するために,こんな工夫をしている.
難しいことはあまり期待できないが,治具を使って生産する方法を思いついたり,治具の改善を思いついたりしたらすぐ褒めることにしている.そしてそれをすぐに実行に移す.その治具には「○○式治具」など考えた人間の名前をつける.「○○式治具」のすばらしさを他のラインなど全社に吹聴する.
こんなちょっと幼稚とも思える方法で現場の人間が自分も工夫してみようという気になる.

こういう仕事上の工夫は製造現場だけではない.
以前日本で仕事をしていた時も同じ事をやっていた.品証部の部下が面白い評価方法を考え付く
「〇〇マトリックス評価法」などと考えた人間の名前入りで名称をつけてやる.
この名称をことあるごとに使うわけだ.これで考えた本人もその気になるし,他の人間も工夫をしだす.

私はこんな一見幼稚な方法でもある程度成果が出せた.
皆さんは現場の工夫を引き出すためにどんな工夫をしておられるだろうか?


このコラムは、2008年12月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第68号に掲載した記事に加筆しました。

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