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社内研修について

 先週は読者様から社内研修についてご相談のメールをいただいた。
いただいた相談にはメールで、私の考えをお伝えしたが、他の読者様にもシェアしたいと思う。

※F様のご相談
 メールマガジンかセミナーだったか覚えていませんが、以前林先生から教育は計画を立てて、計画通り実施しなさいと教わりました。以来毎年年初に教育計画を立てて実施する様にしています。ISOの品質計画に入れているので、年末のレビューで計画の実施状況を確認しています。

計画時には、達成目標と担当者を決めています。
具体的には、目標:現場監督者の研修を年に2回開催する。
責任部署:総務・人事部
としました。
昨年の目標は達成しましたが、効果の実感が余りありません。何処かやり方が間違っているのでしょうか?

仕事を、重要・非重要、緊急・非緊急の2軸で分類し、4つの象限に分ける。
それぞれの象限ごとに、対応の仕方を変える。教育は「重要、非緊急」の象限となり、計画を立てその通りに実行する。と言う考え方を何度かお話したことがある。
重要だが緊急ではない仕事は、しばしば延期することになり、結局やらずに終わってしまう。と言う事が多いのではないだろうか。教育はその典型だ。忙しいから時間がない、などの理由により延期される。

これを覚えていてくださり、実施されたのはすばらしいと思う。

しかし「年に2回研修をする」と言うのは目標として適切ではない。
教育の目的は、知識を与える事、意欲を向上させる事、その結果対象者の行動が変わる事だ。知識や意欲が高まっても行動が伴わなければ、何も変化は起きない。その結果教育の成果を実感出来ないことになる。
目的に合わせて目標を設定しなくてはならない。

従って、教育の成果目標は研修の回数ではなく、受講者の能力向上、行動の変容としなければならない。

計画には、誰に何を教える、その結果能力を何処まで高める。と言う内容が必要となる。そのために各自に要求される能力と現状能力を知る必要がある。個人ごとに「スキルマップ」を作る。「スキルマップ」とは余り適切な名前ではないかもしれないが、その職位に要求される能力と、現有レベルを個人ごとに一覧表にした物だ。

これがOJTを含めた教育計画の大元になる。
先輩の仕事ぶりを見せておけばOJTになると考えるのは、あまりに楽観的だ。

例えば品質部門のメンバーに要求する能力の一つとして「パレート図」を作る、と言う能力を考えよう。
要求されるの応力のレベルは、

  1. 上位者の指導によりパレート図を作図出来る。
  2. 自主的にパレート図を作図し分析が出来る。
  3. パレート図の作成と分析方法を指導出来る。

の三段階に分けることができる。
このレベルは、具体的な仕事を任せることにより確認出来る。

この様なスキルマップを作成することにより、OJTにより教育する内容、研修により教育する内容を分け、研修の計画を立てる。
この計画を立てると、既に能力のある者に集合研修を受けさせると言う無駄もなくなる。
スキルマップを公開することにより、メンバー各自が何を学べば良いか理解出来る。メンバー自身が学習に積極性を持つと言う効果もある。

研修の回数とか研修への参加人数などを研修成果の目標としてしまうと、研修担当者は、研修業者と相談し、余り効果が実感出来ない研修を開催する事になってしまう。その結果研修受講者にも不満が残り、ただ研修業者を喜ばせることになる(笑)


このコラムは、2013年11月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第335号に掲載した記事に加筆しました。

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