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チェックリストの使い方

 何らかの不具合(特に人為ミスに起因する不具合)の対策として「チェックリストを作成しました」という事例を多く見ると思う。

人為ミスの対策として「ポカ避け」「チェックリスト」「ダブルチェック」が三種の神器の様に信奉されている。

私自身この考え方に異論はない。
しかしよく考えると「ポカ避け」はミスの原因が起きない様にする発生原因対策だ。一方「チェックリスト」「ダブルチェック」はミスが流出しない様に検査をする、という流出対策だ。「ダブルチェック」に至っては付加価値を産まないチェックを二度もする。

それでも過去の失敗事例を集め、その集大成としてチェックリストを作成することを推奨している。それはチェックリストには、仕事が終わってから問題がないことを検査するという役割の他に、使い方があるからだ。

本来ミスが起きない作業方法(ポカ避け)を採用すれば、チェックという付加価値を生まない作業をする必要はないはずだ。しかし設計作業でポカ避けを組み込める場面は限られる。コンピュータ支援の設計作業には比較的簡単にポカ避けを組み込める(例えばPWB設計のCADでは、部品の間隔、位置などのルールを自動的にチェックできる)が、その手前の基本設計などではポカ避け機能を導入することはそうは簡単ではないだろう。

チェックリストは設計が終わってから確認するのではなく、設計開始時に何を確認して設計を進めるか考えるために使う。

設計完了後にチェクリストをリーダとともに確認をする。この時のリーダの役割は、設計者がチェックリストの意味を正しく理解していることを確認することだ。


このコラムは、2018年9月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第724号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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