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顧客クレーム(傷)

 先週に引き続きお客様からのクレームを紹介しよう.
顧客クレーム(誤出荷)

お客様から返却された製品は,プラスチックケースにカッターナイフで付けられたと思われる傷が一直線についていた.これが梱包箱に2,3個ずつ見つかるという.

製造工程の中ではカッターナイフを使う工程はない.
従って製造工程内で傷をつけていることはありえない.

梱包箱に付き2,3個ずつ見つかっていると言う状況から,開梱時にカッターナイフを使い誤って中の製品に傷をつけたと推定した.一直線の傷跡とも一致する.

工場の中で開梱するチャンスは,出荷抜き取り検査(OQA)だけである.
出荷抜き取り検査では製品に傷をつけないように,カッターナイフの使用を禁止している.カッターナイフの変わりにPWBの切れ端を少し尖らせた物を使用している.

これは以前,プリント基板(購入品)の梱包箱を開梱する際にカッターナイフで傷をつけてしまった経験から,全工場に水平展開した対策である.

さらに箱ごとに2,3個ずつ不良があるというのも,OQAで傷を付けたのを否定する要因である.なぜならOQAの抜き取り数量から言えば,一ロットに一箱分検査すれば十分だからである.

以上の検討から,傷はお客様で開梱する際につけたものと判断.
そのように報告書を作成し,報告した.

再発防止対策はお客様に要求しても良かったのだが,こちらは梱包箱の中に一枚ボール紙を追加して梱包するよう梱包仕様を変更した.身銭を切って再発防止をする必要はなかったかもしれないが,その方がお互いのためと判断した.

以降このお客様から同様の不良返却は一切なくなった.


このコラムは、2007年11月12日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第7号に掲載した記事です。

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