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20世紀型人員管理

「20世紀型人員管理」とは言い過ぎかも知れないが、ある中国民営企業の経営者を見ていて「20世紀型人員管理」と言う言葉が頭に浮かんだ(笑)

彼は国営企業出身で、独立し設計製造販売の企業を経営を経営している。ニッチな市場では、今年上半期の販売量で中国トップ10に入る企業だ。

多分国営企業勤務時代の名残りなのだろう。彼の頭にはマクレガーのX理論しか無い様だ。多くの中国人経営者と同様に、命令や強制で管理し、目標が達成出来なければ処罰といった「アメとムチ」によるマネジメント手法が有効と考えている様だ。

この企業で定期的に訪問指導をしているが、最終日のまとめ会議時の総括では、大声で幹部を批判する。成果に対する賞賛は一瞬で終わる。我々を退席させた後、延々叱り続けている様だ。

この企業では、会議に参加した経営幹部、管理職はいっさい発言しない。
彼らがおとなしい性格と言うわけではなさそうだ。自分が主催する部門の会議では部下がいっさい発言しない(笑)

この会社の風土は、従業員のレベルが低いから厳しく「要求」しなければ人は働かないと言う経営者の思い込みが作り上げている様に見える。
彼は、我々の「生産改善を通して幹部人員の改善能力、意欲を向上させる」と言う理念には、大いに賛同している。幹部、管理監督職の能力向上が有用だと考えている。そして研修に参加しない者は「罰金」を課す(苦笑)

X理論は既に中国でも限界に来ている。X理論信奉者は、80后、90后は理解出来ないと嘆く。

この企業を本当に改革するのは、現場の指導ではなく経営者の考え方を変える事だ。相当挑戦的な課題だが、まだ指導期間が残っている。困難ではあるが価値のある挑戦だと考えている。


このコラムは、2016年8月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第488号に掲載した記事です。

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