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中国人マーケティング

 先週は『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』の著者・中島恵さんがゲストスピーカーをされる勉強会に参加した。

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』中島恵著

中島さんの分析によると、銀座辺りで爆買いをしている人たちは、内陸部から団体旅行で来たプチリッチ層だそうだ。彼らは日用品から家電製品まで、スマホの「必買清単」に元づき、買い漁った戦利品を道ばたでスーツケースに詰めている。

中国人訪日客の約70%は初めて日本に来る団体旅行客、25%がリピート訪問客、5%がヘビーデューティ訪問客だ。

個人旅行でくる場合は、個人でビザを取得することになる。ビザ取得は預金口座の残高確認、旅行代理店に預ける保証金などが必要になり、そこそこの金持ちでなければビザはとれない。

個人旅行客の中には、既に買い物には興味がなく、日本的体験を求める本物の富裕層が含まれる。この人たちは、元々ヨーロッパのリゾートなどを旅行していた人たちだ。この層が旅行先を日本に切り替え始めている。残念ながら日本には、スーパーリッチ層を満足させられるサービスは少ない。日本に来る人が増えているのは、多分テロ不安の影響だろう。

ヘビーデューティ訪問客は、ひと月に何度も日本に来る。彼らの目的は買い物ではなく、日本人アイドルの公演などを見るために来る。いわゆる日本オタクの人たちだ。

爆買いで儲かるのは免税店だが、初めて日本に来た団体客が日本の魅力に取り憑かれ、リピート顧客が増えれば、彼らがお金を落とす場所は変わる。顧客の育成がうまくできれば、日本の地方再生に活かせるだろう。

爆買いで儲かっているラオックスは中国資本だ。ホテルにも中国資本が入り始めている。旅行代金は中国の旅行社が受け取る。本当に日本の景気に貢献しているのかどうか微妙だ。本物の富裕層の欲求に応え、日本に紅マネーが落ちる様にしなければならない。

今現在爆買景気で秘かに儲けているのは誰か?
爆買い後のビジネスチャンスは?
そんなことに興味がある方は、中島恵さんの書籍に目を通していただきたい。

『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか?』中島恵著


このコラムは、2016年2月22日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第464号に掲載した記事です。

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