品質保証」カテゴリーアーカイブ

可視化管理

 一目で分かる様にすることを可視化管理とか見える化管理と言う。「一目で」と言う部分が重要だ。例えば今月の売り上げは、売り上げ台帳を合計すれば分かる。しかし利益を知ろうと思えば、更に経費を集計しなければならない。こういう状態は、経営が見える化出来ているとは言わない。

工場の現場も同じだ。コンピュータの管理画面を見なければ分からないのでは、まだ不足だ。現場で一目で分かる様になって初めて可視化管理が出来ていると言える。

更に「誰が見ても」を追加する。
現場の作業員が見て分かる必要があるが、管理職や掃除のおばさんが見ても分かる様にしておく。究極は、今日初めて工場監査に来たお客様でも分かるレベルにすることだ。

可視化管理の要点は

  • 一目で分かる
  • 誰が見ても分かる

と言うレベルにすることだ。
このふたつが揃えば、一瞬で理解出来る、考えずに理解出来る、と言う水準に到達出来るはずだ。

実はこういう説明をしても、なかなか理解していただけない。こういう水準に到達している現場を見て理解するのが一番の近道だ。

先週訪問した工場は、現場の可視化のみならず、部署ごとの業績も可視化管理を実施しておられた。


このコラムは、2015年7月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第431号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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品質改善

 先月の定例セミナーにご参加いただいた方に、生産委託先の品質改善をどうしたら良いかという相談を受けた。

例えばネジを4点締めなければならないところを3点しか締めてない物が見つかり、日本で全数再検査したと言う。大変な品質損失コストである。

工場で検査をさせても無駄なコストが発生する。
品質とコストがトレードオフ関係になる対策はうまく行かない事が多い。工程できちんとネジ4本が締めてある事を保証するようにしなければならない。

作業前にネジを4本取り置き、作業後過不足なくネジが使われている事を確認する。もしあまっていれば締め忘れ、足りなければ製品の中に落ちている可能性がある、ということだ。

問題がおきてから考えるのではなく、事前に問題が起きそうな工程でこういう品質作りこみの仕掛けを用意する。
このような不良未然防止活動で品質損失コストは大幅に減らす事が出来る。


このコラムは、2008年7月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第43号に掲載した記事です。

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生産委託先の指導

 先週のメルマガに読者様からご感想をいただいた。

いつも楽しく「技術者のための中国語講座」を拝読させていただいておりましたが、「中国生産現場から品質改善・経営革新」を登録してからは、身につまされる思いでいっぱいです。

この読者様は一ヶ月中国の生産委託先を指導され、別のメンバーに交代してまた何ヶ月か後に出張されるそうだ。出張指導者がころころ変わってしまいなかなか指導が徹底できないとお感じのようだった。

私も会社勤務時代は、何人かのメンバーで交代に指導をして回っていた。
一時期中国の広東省だけで4社同時に指導していた時があり、とても一人では回りきれなかった。

その時のやり方がご参考になるかもしれないと思い、メールに書かせていただいた。

毎年期末になると翌年の生産委託先の指導計画を作る。
まずは翌年度の出張予算の策定が必要なので、それとあわせて指導計画も作ってしまうのだ。

新製品の立ち上げの時は出荷判定会議を開催、その他の定例指導ではリストアップした指導項目が一年間で一巡するように計画を立てた。

毎回の出張では指導先に指導結果のレポートを残して帰ってくるのだが、これは委託先の工場経営者や幹部に次回までの改善の宿題を伝えるためである。一方内部的には出張者同士の指導レベルの向上に使っていた。出張から戻ると、このレポートをネタにメンバーでミーティングをする。
写真などを元に指摘した内容と、改善結果をディスカッションする。これがメンバー相互で結構勉強になる。

私も部下に、今回も前回と同じ指摘をしているが歯止めがうまく利いていないのではないか、などと指摘を受けていた。こういうディスカッションがお互いのレベルアップにつながる。

次回出張指導する時はこのレポートを持参してゆくので、改善が維持できているかどうかすぐに確認ができる。別のメンバーが指導に行ってもも大丈夫だ。


このコラムは、2008年7月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第44号に掲載した記事です。

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検査不正・罰則強化へ

国交省、検査不正で罰則強化へ 自動車メーカーに再発防止

 自動車メーカーによる新車出荷時の完成検査で不正が相次いだことを受け、国土交通省は7日、罰則を強化する方針を固めた。不正発覚後、是正命令に応じない場合に新たに罰金を導入するほか、国の監査で隠蔽を図った際の罰金を大幅に引き上げ、再発防止を図る。今国会に道路運送車両法改正案を提出する。

 不正発覚時に関しては、昨年秋の省令改正で是正を勧告できるようにした。これに加え、強制力のある是正命令を新設、履行まで出荷は一時的に停止できるようにする。罰金と併せて速やかに不正を改めさせる。罰金は数十万円とする方向で調整している。施行時期は未定。

(共同通信社)

 以前完成車検査不正が報道された際に、このメルマガでも取り上げた。

日産の完成車検査不正

日産不正検査

当初発覚した完成車検査不正は検査員資格のない従業員が検査を実施していた、という不正だった。当時は完成車検査(陸運局の車検を新車出荷時に自動車メーカが代行する)制度そのものの存在意義について疑問を呈した。

しかしその後も、排ガスや燃費データの改ざん、ブレーキ検査の不正などが次々に明らかになった。

メーカ側に同情的な意見を述べていたが、報道記事にフットブレーキの検査にハンドブレーキを併用していたという不正を目にして、もう同情の余地はなくなった(苦笑)

検査不正

罰金・罰則がなければ品質保証ができない、という日本車品質事情に深く失望している。昔、生産委託先の台湾企業の経営者が検査装置を導入するから品質問題はなくなると言われ苦笑した。その苦笑を日本の製造業に向ける日が来るとは想像だにしなかった。

日本製品の「安かろう悪かろう」という世界中の悪評を払拭し、日本品質を確立してきた先人の努力を思うと、残念でならない。

品質はお上に頼るのではなく、モノ造りに関わる一人一人の努力によってしか達成できないものだ。


このコラムは、2018年8月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第704号に掲載した記事です。

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リコールのTDK加湿器が火元か 長崎の介護施設火災

 4人が死亡した長崎市の認知症グループホーム「ベルハウス東山手」の火災で、電子部品大手のTDK(東京)の上釜健宏社長は22日、長崎市内で記者会見し、リコール(無償回収・修理)の対象になっている同社製加湿器が火元となった可能性が極めて高いことを明らかにした。

 1998年9月に発売した加湿器「KS―500H」で、ヒーターなどに不具合があり、99年1月にリコールを通産省(現経済産業省)に届け出た。販売された2万891台のうち約26%の5509台が回収されていない。上釜社長は「亡くなった4人の方々、遺族の方々、負傷された方々などに、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。

 TDKによると、KS―500Hは長崎の火災のほか、焼損16件、発火14件、発煙16件の計46件の事故を起こしている。火災となったり、けが人が出たりしたケースはないという。

 都道府県別の事故件数は北海道が10件、東京が9件、埼玉が5件、千葉、静岡、三重が各3件、栃木、愛知、京都が各2件、秋田、宮城、群馬、長野、富山、兵庫、宮崎が各1件。

 KS―500Hは内部で蒸気を発生させる蒸発皿にヒーターを十分に固定できていないものがあり、ヒーターが変形して蒸発皿から外れ、底の部品に接触するなどして発煙、発火することがある。異常発熱すると、ヒーターの温度は1000度を超えるという。

 TDKは15日に長崎県警から連絡を受け、21日に火元の部屋にあった焼けた加湿器を確認。ヒーターの一部が蒸発皿から外れ、脱落するなどの不具合があったことから、過去の不具合と同様に脱落部分が異常発熱し、ほかの部品に触れて発火した可能性が極めて高いと判断した。

 TDKは回収への取り組みが不十分だったとして、全国のグループホームなどに加湿器の使用状況を確認する作業を22日から始めた。

 火災は8日夜、ベルハウス東山手が入居する4階建てビルのうち、入所者の居室がある2階から出火。入所者の女性3人と、元入所者で建物3階に住んで
いた女性(82)の計4人が死亡した。

(日経電子版より)

 2月8日に発生した、長崎の認知症グループホームの火災について先週のコラムで、加湿器のショートは「原因」ではなく「現象」だと書いた。
丁度2月22日の日経電子版に、上記記事が出ていた。

記事によると、加湿器内部のヒーターが動作中に脱落、加湿器内部に接触、接触部分が加熱され焼損に至った、という事が判明した。

製品は燃えてしまっているため、ショートして発熱した様に見えるが、焼損の原因はショートではなく、ヒーターの脱落だ。
そしてヒーターの脱落にも原因がある。
ヒーターの固定が不十分だという作業不良が原因であり、作業不良が発生し易いという誘因があったはずだ。

例えば、ヒーターの固定箇所の機構設計が、ロバストになっていなかった。ヒーターの固定作業方法が、作業者によってばらつく様になっていた。

ここまで原因調査を深堀して初めて有効な再発防止対策が検討出来る様になる。

メーカのTDKは、99年1月にリコール届けを出し、回収を告知している。この時どのような「再発防止対策」を施したのかは、外部からは窺い知る事はできない。
残念ながら、TDKはリコール届けを出してすぐに、加湿器事業から撤退している。加湿器を生産しなくても、同じ轍を踏まないための、ノウハウ化は可能だ。

今回の事件を
「発熱箇所が脱落し、機構部品と接触する」
という潜在故障現象として、設計FMEAや工程FMEAで検証レビューをすれば、他社の失敗事例でさえ、共有出来るだろう。

他業界の企業もこのようにして、失敗事例から「未然防止対策」を引き出せば不必要な品質損失コストの発生を防ぐことができる。品質損失コストは、自社が負わなければならないものだけではない。社会全体、被害に遇われた方及びその家族の方々すべてに損失が発生している。その損失は、金銭的な補償で補いきれるものではないはずだ。これらの損失を未然に防止する事は、企業の社会的責任でもあるはずだ。


このコラムは、2013年2月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第298号に掲載した記事です。

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加湿器にショートの痕跡か 長崎グループホーム火災

 長崎市東山手町の認知症グループホーム「ベルハウス東山手」で高齢女性4人が死亡した火災で、火元の部屋にあった加湿器とみられる電気製品にショートのような痕跡があることが県警への取材で分かった。県警は燃え残りを分析し、出火原因の特定を進める。

 県警は12日、4人の死因を一酸化炭素中毒と発表した。司法解剖の結果、4人に目立った外傷はなかった。火元は2階中央付近の男性入所者の居室と断定した。

 火元の部屋からは、加湿器とみられる焼け焦げた電気製品が見つかっている。この電気製品付近の焼け方が特にひどかったという。施設内は禁煙で、暖房はエアコンのみを使用。加湿器は、希望者に施設側が貸し出していたという。

 一方、長崎市によると、火災が起きた8日午後7時30分ごろ、本来は2人の職員が勤務すべきところ、このホームでは当直の女性職員(56)1人しかいなかった。別の職員1人が出火直前に早退し、交代で出勤予定だった職員が遅刻していたためだった。長崎市による、ホームの運営会社への聞き取りで分かった。

 3階に居住していて亡くなった中島千代子さん(82)を担当していた訪問介護のヘルパーも出火直前に朝食用のパンを買いに出て部屋を離れていた。長崎市は、当時の勤務実態を詳しく調べる方針だ。

(asahi.comより)

 先週に引き続き焼損事故だ。

高齢者のグループホーム火災は、現場調査により、加湿器が火元と判明した。記事には加湿器のショートが原因の様に書かれているが、加湿器のショートは現象であり原因ではない。
しかも、加湿器のショートは火災後の現象であるだけの可能性もある。

例えばAC電源の様に電圧が高い部分の半田付けに不良が発生し、断続的に接触・非接触を繰り返す。接触・非接触のたびに火花が発生しプリント基板の絶縁がじわじわと劣化。最終的にAC100Vがショートし発熱焼損。つまりショートに至る前に、半田付け不良という原因がある。

実はこういう事例が意外と多い。

電源スイッチが使用中に劣化し接触抵抗が上がる。接触抵抗が上がり発熱。ますます接触抵抗の上昇が加速する。最終的に発煙焼損。
結果的に電源スイッチが丸焦げになっているので、スイッチのショートの様に見えるが、原因はスイッチ接点の接触不良である。

電源ケーブルのコネクタが、挿抜による外力でカシメ部分が緩んで来る。カシメ部分の接触抵抗が上昇し発熱、同様のプロセスにより発煙焼損。これもコネクタのショートの様に見えるが、電源ケーブル挿抜の外力が直接カシメ部分にストレスを与える様になっている機構設計のミスだ。

結果的には、製品がショートし発熱焼損した様に見えるが、原因は製造不良であったり、設計不良だったりする。ここまで原因の解析を深める事により、再発防止を検討することが可能となる。


このコラムは、2013年2月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第297号に掲載した記事です。

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「うっかりミス」の再発防止

 先週のメルマガで、うっかり免許証の携帯を忘れたパイロットのニュースを紹介した。この様な「うっかりミス」にはどのような再発防止対策を考えたらよいのであろうか。

「うっかりミス」というのは意外に厄介である。
ルールを知らなかったわけではないので、ルールの再徹底とか再教育は有効ではない。
難しい、やりにくい場合は方法を改善すればよいが、ただ免許証をポケットかカバンに入れるだけである。改善の余地はないだろう。

普通こうしたうっかりミスには「ポカよけ」と「ダブルチェック」と相場が決まっている。

ポカ除けというのは、うっかりミスがあれば仕事が継続できないようにしておくことだ。
例えば今回の事例では、パイロットが出発前にフライト資料を受け取るときに、免許証を掲示しないと、資料をもらえないようにする。免許証にRFIDを入れておき、ゲートを通るときに自動的に免許の携帯をチェックする。

こういうポカよけをしておけば免許証なしでは飛行機に乗務できなくなる。

よく考えると、これだけでは不十分だ。自宅を出るときに忘れていれば、無免許で乗務することはなくなるだろうが、取りに帰る時間が無ければスタンバイのパイロットを出さねばならなくなる。
更に対策を考えなければならない。

免許証を持って帰るから忘れる。ならば持って帰らなければ良いわけだ。
免許証は空港で預かることにし、フライト資料と一緒に受け取り乗務をすればよい。

ダブルチェックのほうは、文字通り二度チェックすること。
この時の二度チェックは、人を変える、時間を変える、場所を変えるなどして二度やらねば意味が無い。

例えば、自宅を出るときに家族に免許携帯の有無を尋ねてもらう、というように人を変える。独り者の場合は、部屋を出たところでもう一度確認する。これで場所と時間を変えて二度チェックしたことになる。

もっとも免許証を自宅に持って帰らないようにすれば、ダブルチェックの余分なコストをかけることもなくなるだろう。


このコラムは、2010年3月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第141号に掲載した記事です。

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全日空操縦士、免許置き忘れた 国際便4時間半遅れ

 12日朝に羽田を出発して金浦(韓国)に向かった全日空便(乗員・乗客254人)の副操縦士(40)が、航空法で携行が義務づけられているライセンス書類を持たないまま乗務していたことがわかった。出発後に羽田の同社スタッフが、事務所に一式を置き忘れているのを発見した。

 この便は予定通り金浦空港に着陸。副操縦士は予定していた折り返し便には乗務できないため、全日空は東京から他社の便で代替の操縦士を金浦に派遣した。この影響で折り返し便の出発が4時間半遅れたほか、その後の往復2便にも2時間前後の遅れが生じた。予約客計913人に影響した。全日空は「迷惑をかけて申し訳ない」としている。

 国土交通省は全日空に再発防止を指示した。

(asahi.comより)

以前免許証を持たずに車を運転していて、交通警察官に見つかったことがある。
この時は、警察官がどこかに問い合わせて、私の氏名が免許証データベースにあることを確認した上で、家まで運転して戻ることを許してもらえた。

旅客機を操縦するパイロットと、自家用車を運転するドライバーを比較すること自体ナンセンスかもしれないが、高々運転免許を携帯していなかっただけで乗務できないというのは行き過ぎではないだろうか。既に韓国までの往路は免許不携帯で操縦済みだ。しかも主操縦士も同乗しているのだ。

多少の柔軟性があってもよさそうな気がする。日本まで戻る途中で、「白バイ」に捕まることも無いわけだから(笑)

とはいえ、規則は規則なのだから従うしかないだろう。
それよりも国土交通省の要求に対し、全日空はどのような再発防止対策を提出するのだろうか?こちらは大変興味がある。

皆さんなら、この様な「うっかりミス」の再発防止にどのような対策を
導入されるだろうか?
久しぶりに皆さんのアイディアをお寄せいただきたい。


このコラムは、2010年3月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第141号に掲載した記事です。

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作業標準を守る

 先週のメールマガジンで作業標準について記事を書いた。

せっかく作業標準を決めても守られない。こんな事が往々にしてある。
守られないのには必ず理由がある。「品質意識が低い」の一言で片付けてしまっている例をよく見る。これでは対策の立てようがない。理由を明らかにしてきちんと対策を打つべきだ。

  • 作業標準があるのを知らない
     作業標準どおりに作業をしなければならない事をきちんと指示をするのが大前提である。作業手順書などにきちんと明示して文書化しておく必要がある。
  • 作業標準があるのを知っているが守れない
     知っていて守らないのはちょっと深刻だ。この場合にも理由はあるはずだ。やむを得ず守らない。つまり作業標準を守るのが困難な場合だ。ついうっかり守らなかった。これは作業標準を守る必然性がきちんと理解できていないと考えるべきだ。
  • 作業標準を守るのが困難
     作業標準にムダ・ムラ・ムリがある場合はしばらくの間守れてもいつかは守られなくなる。
    例えば不具合対策として重点目視項目を追加する。しかしタクトタイム以内で他の重点目視項目を検査する事が出来なくなってしまうことは往々にしてありうる。ムダ・ムラ。ムリを徹底的に排除して作業標準を作るべきだ。
    または作業者の技能が不十分で守れない場合もありうる。
    作業者の技能訓練をきちんとする。作業を簡素化する。治具や設備を工夫して誰でも作業できるようにすべきだ。
  • 作業標準を守る必然性が分からない
     作業標準が守られないと、どうなってしまうのかきちんと教えておく必要がある。どう作業すべきか(How)だけではなく、どうしてそうしなければならないのか(Why)をきちんと教えておく。
    それでも人間がする作業であれば、「ついうっかり」というのは発生する。
    作業標準どおりに作業をしなければ次の作業に移れないようにしておくなどの工夫が必要だ。
    例えば4箇所ネジ締めをする作業では、作業前に4本ネジを小皿に取り置き、作業終了時に小皿のネジの過不足がない事を確認する。ちょっとした作業追加で「ついうっかり」を防ぐことは出来る。
  • 故意に作業標準を守らない
     残念ながらこういうこともありうる。
    罰金・減給制度などの手を打っておられるところもあるだろう。しかしそれ以前に自分たちの仕事に対する「誇り」を持たせるところから始める必要があると考えている。
    牛乳を水で薄めメラミンを添加してタンパク質量のつじつまを合わせる、などという行為はこの例に当てはまるだろう。自分たちの仕事は国民の健康生活に貢献しているのだという「誇り」があればこんなことにはならないはずだ。

更に作業標準が守られている事を確実にするための工夫も必要だ。
例えばチェックリストなどは、きちんと作業標準が守られている事をダブルチェックする事が出来る。


このコラムは、2008年10月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第54号に掲載した記事に一部加筆修正しました。

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4M+1M変動管理

4M変動管理というのは皆さんご存知だと思う。
4Mというのは人(Man)モノ(Material)設備(Machine)方法(Method)のことである。この4Mの変動を管理しようという考え方である。

人、モノ、設備、方法の変動が品質や生産性に大きく影響を与える。
変動には予期しない変動(ばらつき)と計画的な変動(改善、新製品立ち上げなど)がある。これをきちんと管理しておこうという考え方である。

例えば

  • 初物チェック:
    毎日初めて作る製品をチェックして予期しない変動がないことを確かめる。
  • 初品チェック:
    新製品や新規工程の立ち上げ時に最初の製品をチェックして変動が予定通り行われたことを確かめる。

というのも4M変動管理の一つである。

ところでもうひとつのM(+1M)というのは何だかお分かりになるだろうか。
計測(Measurement)のMである。
計測がきちんとできていなければ、変動が許容範囲内にあるのか、目標に到達しているのか判断する事ができない。

品質管理というのは維持+改善をすることである。
維持は管理幅の中にあることを確かにすること。
改善は目標を達成していることを確かにすることである。
そのためには計測がきちんとできなければならない。

計測は品質管理だけではなくあらゆることに応用可能である。

例えばこの本↓の著者は計測と記録だけでダイエットしてしまったそうだ。
「いつまでもデブと思うなよ」岡田 斗司夫、新潮社


このコラムは、2008年6月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第36号に掲載した記事に一部加筆修正しました。

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