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第一期QCC道場成果発表会を開催しました。
QCC道場に参加された4社の経営者・経営幹部の皆さん、成果発表会に参加された、異業種の幹部の皆さんの参加で、4サークルの成果発表を聞きました。

「QCC道場」とは

発表内容

  • 「SL8中-R傷不良削減」鴻達錩小組
  • 「新空室整炉IP不良低減」源謚小組
  • 「傷不良半減」宏展小組
  • 「研磨工程直行率15%アップ」奇の隊

第一期QCC道場成果発表会

第一期QCC道場に参加されたメンバーは今回初めてQCC活動に取り組みました。
初めての活動ながら、4サークル合計で五百数十万元の年間効果金額を達成されました。
ご参加いただいた企業の経営者様は「メンバーに改善活動の楽しさを肌で感じて欲しいと考えた」と参加動機を語っていただきました。参加したメンバーは、QCC活動の実践を通して大きな成果と自信を得たと思います。

今後は参加したメンバー一人一人がリーダとなり、改善活動を継続してくれるでしょう。

改善提案

私の友人富田氏は、東莞に工場を立ち上げ10年間で顧客数を50倍近くにし、武漢にも分工場を作った素晴らしい経営者だ。

5Sや生産現場の改善ばかりではなく、中国人幹部が経営に参画し経営計画を作れるように従業員の育成に力を入れておられた。

彼の工場では改善提案制度は3年やってやめたそうだ。
改善提案制度を継続しても、なかなか提案内容のレベルが上がらない。提案件数にノルマをかけたりするとゴミの様な提案ばかりが出てくる。そんな悩みを持っている方も多いと思う。

富田氏は改善提案制度をすっぱりやめ、小集団改善活動に切り替えた。

一つは上司から課題を与えられ、即改善に取り組む活動。もう一つはQCC活動。
改善提案制度は、自主的に考え提案することに慣れていない従業員が多い時には有効だ。しかし従業員の実力が上がってくるとマンネリ化してしまう。そう言う時期にチーム改善活動を導入し、従業員の更なるレベルアップを計るとよいだろう。

私はチーム改善活動をする際に以下の様な手順を踏んでいる。

まず上司を入れて職場の問題や課題を挙げてもらう。初めてこういう活動をする中国企業では、メンバーが大興奮して、後から後から問題点、課題が出てくる(笑)ある中国企業製造部の各職場で、自部門が考える問題点、課題、他部門から見た問題点、課題を各職場ごとに話し合ったら、1時間足らずで47個の課題が出た。47個の課題を改善すれば、とてつもない効果を得ることができる。

これらの問題点、課題を一つずつ検討して以下の3つに分ける。
(1)即改善する。
(2)QCCとして活動する。
(3)何もしない。

この3つに入らないテーマは、もう少し現状を調査することになる。
(1)に分類されたテーマは、担当チームを作り改善活動をする。QCC手法に乗っ取り活動することは要求しない。週次もしくは月次の部門報告会で活動の進捗、成果を確認し必要があれば指導する。

(2)はどう改善したら良いか検討が必要なテーマであり、QCC手法で活動する。これはQCC活動支援の月次会議で活動の進捗確認、支援アドバイスをする。

このような活動とすることにより、直接業績に貢献できる課題に取り組む事ができる。この際気をつけたいのは、どちらのチーム改善活動も、テーマが上司から与えられたモノではなく、自主的に選んだモノであるとチームのメンバーが認識する様にすることだ。上司から無理矢理やらされていると感じれば、メンバーの自主性や成長実感が損なわれる。勘違いでも良い(笑)自主的に活動していると実感できれば、積極的に活動に取り組み、成果、成長実感も高くなる。ここは上司のリーダシップが問われる所だ。

こちらもご参考に「QCC道場」


このコラムは、2016年2月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第461号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

アメとムチ

 このメルマガで、何度か「アメとムチ」の指導では成果は限定的だと申し上げてきた。

「PK」

先週末に届いたメールマガジンでも同じ様な指摘をしていた。
人の心に灯をともす【アメとアメなし】

このメールマガジンに米大学バスケットボール界の名将・ション・ウッデン氏が紹介されていた。彼の指導法は「アメとアメなし」指導だと解説している。

通常のアメとムチの指導では、
好ましい行動をとった場合は、アメを与え好ましい行動が増える様誘導する。
好ましくない行動をとった場合は、ムチで叩き好ましくない行動をとらない様指導する。
と言うことになる。

バスケットボールで言えば「アメとムチ」指導は、
良いプレイをした選手には、賞讃と言うアメを与える。
ミスをした選手には、罰としてコート10周うさぎ跳びと言うムチを与える。

これに対しウッデンの「アメとアメなし」指導は、
良いプレイをした選手は褒める(アメを与える)。
ミスをした選手は褒めない(アメを与えない)。

ミスをした選手には、次にミスをしない方法を考えさせる、と言う指導をしている。パスミスをした選手にうさぎ跳びをさせた所でパスミスが無くなるはずはない。パスミスをした原因を考えさせる。パスミスが、運動能力が低いため発生したのだとすれば、運動能力を鍛える事でパスミスが減る可能性が有る。
しかし状況判断のミスでパスが通らなかったのであれば、何度うさぎ跳びをしても改善することは無い。

冷静に考えれば「アメとムチ」の指導では部下の育成は出来ない。

ウッデンが監督として優れているのは、選手に対して的確な「指示と支援」が出来るからだ。(私はバスケットボールに関しては全くの素人だ。これを教えてくれたのは、「禅脳思考」の辻秀一先生だ)

「禅脳思考」辻秀一著

「アメとアメなし」指導だけではない、選手が自分自身のパフォーマンスを高い状態にキープ出来るように支援することがウッデンの指導のキーポイントなのだ。

ウッデンは成功をこう定義している。
「成功とは、お金や実績などではない。自分のベストを尽くしたときに感じられる満足感のことだ」
成功とは、全米大学リーグで優勝することではなく、NBLチームと契約し高額の契約金を得ることでもない。試合に出ることが無い控えの選手であっても、練習でベストを尽くし満足感を感じることができれば、それが成功だと言っている。

あなたの会社でも同じことが起きてはいないだろうか?
仕事の目標を達成したら、ボーナスと言うアメを与える。
仕事の成果を達成しなかったら、罰金と言うムチを与える。
もしくは、ボーナスと言うアメを与えない。

本当にボーナスが、ココロから手に入れたい成功の要因なのだろうか。
既に人々の欲求は次のステップに成長しているのではないだろうか。


このコラムは、2015年4月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第418号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

競争相手は時代の変化

 「競争相手は同業他社ではなく時代の変化」日本小売流通業最大手の元会長鈴木敏文氏の言葉だそうだ。
本質をついた言葉だと思う。流通業と製造業は全く違う事業だが、本質は同じだろう。

大型店舗の進出で、地場の商店街が廃れて行く。こういう状況で、競争相手は近隣の個人商店でもなく、大型店舗でもない。
コンビニ全盛期にネット通販が勢力を伸ばす。こういう状況で、競争相手はコンビニ他社でもなく、ネット通販業者でもない。

本当の競争相手は、顧客嗜好の変化、利便性の変化,テクノロジーの進化だ。
その変化が時代の変化だ。
鈴木氏は、日本にコンビニを展開し、POSを活用したビッグデータ経営を取り入れた立役者だった。

我々製造業も同様だ。
若い頃私は、工場のオートメーションシステムの設計者だった。例えば自動制御システムのコンピュータに使う補助記憶装置を考えてみよう。
NotePCに内蔵されているハードディスク(HDD)の原型となったのは、IBM3340だ。洗濯機程の大きさで35MBの容量だった。今では2.5″・2TBのハードディスクが1万円程で買えてしまう。

容量数万倍、サイズ数千分の一、価格数百分の一だ。これが時代の変化だ。
競争相手ばかり見ていれば、信頼性を考慮して古いテクノロジーのハードディスクを使い続けることになる。しかしハードディスクメーカでは,旧製品の生産はもとより修理も不可能だ。

時代の流れは「軽薄短小」。設備産業の顧客要求は必ずしもそうではない。高信頼性、高稼働率が要求される「重厚長大」の設備産業だ。時代の流れを克服するためには、市場に大量に出回る安価なHDDを使って高信頼性、高稼働率を実現する事になる。複数のHDDを使い冗長化する。つまり複数台で一つのHDDの様に動作し、一台のHDDが壊れても、そのまま稼働出来る。壊れたHDDを交換すれば、そのまま修復が完了。

同業他社を見て戦略を決めるのではなく、
時代の流れ(顧客の変化、技術の変化)に戦略を合わせる。
更に上を行くなら、時代の流れに上手く乗るのではなく、時代の流れを自ら起こす。

これが競合他社との競争ではなく、時代との競争による経営だ。


このコラムは、2017年4月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第525号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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従業員の成長

 一昔前は、中国人従業員に教育をしてもすぐ辞めてしまうからムダだ、という徒労感を訴える日本人経営者・経営幹部がおられた。中国ばかりではなく東南アジア諸国でも、ローカルスタッフの転職に頭を悩ませていた経営者が多かった。彼らはローカルスタッフを「バナナ」に例えていた。外から見ると黄色をしており我々日本人と同じだ。しかし皮を剥くと中は白色で、欧米人と同様にドライな考え方をしている、と言う意味だ。

今はそういう考えの方は少ないだろう。
昔から、従業員の教育に真剣に取り組んでおられる方も少なからず存知上げている。そういう方々は、「教えても辞めるからムダ?教えないから辞めるんだ」と言われる。

中国工場の責任者となり、従業員の育成が重要との信念で頑張って来られた経営者がおられる。初めの5年間は、見る見る成長して行った。これは教える側にも大いなる達成感がありモチベーションが上がる。しかしここ2,3年は従業員の成長速度が落ちて来ている様に感じる、とおっしゃっている。

この経営者の話を聞いて、自分なりに考えてみた。

最初の5年間は、真っ白な紙に絵を描いた期間だと思う。紙の上は、美しい絵で埋まって行く。この期間の成長は、一目で分かる。しかし、ある程度成長が進むと成長は停まる。いわゆる「S字カーブ」と言う現象だ。次の成長の前に踊り場が来る。

最初の5年間は、比較的簡単な生産上のオペレーションを教えたはずだ。それに習熟して来ると、そのオペレーションを如何に改善するか?と言う段階に入る。学ぶ難易度も上がっている。当然成長速度が落ちたり、教えた事が実践出来ない者も出て来る。

ではこの「踊り場」を越えるまでじっと我慢すれば良いのか?
ほとんどの経営者は、そんな余裕は無いはずだ。一刻も早く従業員を成長させ、更に上の経営を目指したいはずだ。

私はS字カーブの停滞は「知識を能力に変換する時間の停滞」だと考えている。つまり急速に成長した時期の知識は、即応用する事で知識→行動の過程で能力に変換される。しかし与えられた知識を応用するチャンスが無ければ、能力にならないばかりか、早晩忘れてしまう。

例えば我が師匠・原田師は、出稼ぎ作業者出身の文員さんに、コストは固定費と変動費に分かれることを教え、損益分岐点の概念まで教えている。教えただけでは多分彼女は、忘れてしまうだろう。原田師の「会社を辞して故郷に帰った時に食堂の経営くらい出来る様にしてやろう」と言う思いはムダとなる。しかし原田師は、この文員さんに社内の喫茶部の経営を任せて、毎月の損益をグラフに描かせていた。

つまり教えた知識を、仕事上で発揮する機会を作る事が重要だ。
上記の例で言えば、損益を黒字化しようと思えば、売り上げを損益分岐点以上にする。損益分岐点を下げるには固定経費を少なくする。などを仕事を通して体験することにより腑に落ちる。この過程で知識は能力に昇華する。

「従業員の成長が鈍化している」と言う問題に対する私なりの対策は、仕事を通して成長する様に仕向ける事だ。
日常のオペレーションの中には、その様なチャンスは少ないかも知れない。しかし「改善」を課題とすれば、チャンスはいくらでも作れる。QCC活動などがもっとも分かり易い例だろう。

QC七つ道具や統計的手法を教えただけでは活用出来る様にはならない。
定例で開催している品質道場では、演習や宿題により知識が能力となる様に工夫している。しかし日々の仕事の中でそれらを活用する機会を作れば、更に効果は上がる。QCC活動は、その機会を意図的に作る事が出来ると考えている。

今QCCを指導しているお客様では、生産性革新のために加工方法の見直しに取り組んでいるチームがある。彼らには実験計画法を活用してもらう。


このコラムは、2015年5月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第422号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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複雑な事を単純に考える

 京セラの創業者・稲盛和夫氏は、中国でも多くの著作が紹介されており、有能な経営者として知られている。
その稲盛さんがこんなことを言っておられる。
「バカな奴は単純なことを複雑に考える。
 普通の奴は複雑なことを複雑に考える。
 賢い奴は複雑なことを単純に考える。」

本当に頭のいい人は、物事を単純に考えているモノだ。
前職時代に、天才的なエンジニアの下で仕事をさせていただいた。初めは彼の言っている事がさっぱり分からなかった。彼の指示で新規発明回路の実証実験をする時も、何がなんだか分からない。すぐ上の先輩によく相談に行ったモノだ。

一緒に仕事をしていると、大先輩が言っている事が、だんだん分かって来る。彼は物事を「絵」で捉えているのだ。ロジカルな考え方をする人なのだが、そのロジックが生まれる前に多分彼の頭の中には「絵」があるのだ。その「絵」を元に我々に伝えるので、すごく難しい事を、すごく簡単に説明する。簡単すぎて我々凡人には分かり難かったのだろう(笑)

本当の大発明は、複雑な事を単純に考えた結果生まれる。こういう発明が美しい構造をしている。ナミの発明は、複雑な事が複雑なままになっている。だから美しくない。

私にも稲盛先生の言葉と同じ様なモットーがある。

「難しい事は簡単に。
 簡単な事は深く。」

これが私が若い人達を指導するときのモットーだ。
天才ではない凡人の私は、難しい事を簡単にするためには、相当努力をする。簡単な事を深くするために、相当複雑に考えることになる。そしてそれを簡単に表現する。


このコラムは、2014年3月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第354号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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 ついている、ついてない、と感じることがままある。
売り上げ増加を見込んで、設備投資をしたら金融危機で受注がすっかり減った。
逆に、
キャンセルで大量に部材が余ったが、別の顧客の増産要求に即応できた。
出荷抜き取り検査で不良が見つかり、顧客への流出が防げた。

こういう運、不運というモノがある。
ではその「運」とは何だろうか。

出典を忘れてしまったが、こういう定義がしてあった。
「準備の上に訪れるチャンスを運という」

運を制御できない偶然のモノと考えていては、運を生かすことは出来ない。経営を偶然に任せる訳には行かない。

万全の準備があって初めて運がある。

以前インドネシアに工場を立ち上げたことがある。
不運なことに、工場立ち上げ直後に受注が減って、この工場にまわす生産を確保することが出来なかった。そのため立ち上げサポートで現地に入っていたメンバーはくる日もくる日も作業者の教育・訓練に明け暮れた。

そのおかげで、この工場はすばらしい工場になった。
米国の最大手通信機器メーカ向けに生産した製品は納入1号機から、客先工程、市場で1台も不良が発生しなかった。客先から絶大な信頼を得ることが出来た。

受注減は準備をするためのチャンスだった訳だ。その準備の上に客先受注というチャンスが訪れた。これが「運」というモノだろう。こう考えれば、運はコントロールできないモノではなくなる。

経営上発生する全ての困難は、準備をするチャンスだ。
正しく準備さえ出来れば、運はやってくる。

不景気で受注が減った時に、不運と考えて首をすくめ、ひたすら経費節減に取り組み耐える。これでは運はやって来ない。生産が減っている時こそ改善のチャンスだ。課題を間違えなければ、必ず運はやって来る。
生産量拡大の改善をしても、同じ不運が何度もやってくることになる。高品質高付加価値を目指して生産性を改善する。こういう準備ができれば、今までにない運がやって来るだろう。

以前指導していたケーブルメーカでは、電源ケーブルの受注が減った折に、「一個流し」の生産方式導入に取り組んだ。その結果、産業用のケーブルを受注することができた。産業用ケーブルは数量が少ないが、利益幅は電源ケーブルよりはるかに大きい。間も無く産業用のケーブルがこの工場の主力製品となった。


このコラムは、2012年6月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第260号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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答えのない質問

 質問にはいくつか種類が有る。

通常「質問」は、知識の収得を目的とし、知識がない者から知識のある者に発せられる。

質問とは逆に知識がある者から知識がない者に発せられる質問がある。
これを「発問」と言う。例えば、私がQC七つ道具の学習者に「パレート図とはどんなモノですか?」と言う質問をする事が「発問」だ。
当然私はパレート図が何かを知っている。従って、相手にパレート図がどんなモノか教えを乞うている訳ではない。発問には相手が知っているかどうか確認すると言う機能がある。または発問によって、相手に問題意識を喚起する、ヒントを与える事も出来る。

この二種類の質問には答えがある。

しかし答えがない質問、正解がない質問もあり得る。
例えば「明日発生する交通事故の件数は何件ですか?」と言う質問には答えはない。この質問に何らかの方法で答えを見つけたとしても、それが正解とは限らない。
このような問題には、いわゆる「フェルミ推定」と言う思考法が使われる。この質問に求められるのは、答えではなく、論理的な思考が出来るかどうかと言う事になる。

フェルミ推定の古典:
「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由─フェルミのパラドックス」

または「両親が生まれる前の自分は何者だったか?」と言う禅問答にも正解はないだろう。

「発問」も「答えのない質問」も相手の意欲を高める、相手にヒントを与える、相手の論理的思考を鍛える、と言う効果がある。

一方「答えがある質問」は自分の知識欲を満足させる効果がある。
相手の事を質問すると、相手は質問者が自分に関心があると感じ、心を開く。これも質問の効果だ。

子供が親に対して質問する、学生が先生に対して質問する、部下が上司に対して質問する、そんなステロタイプな質問のイメージを捨てて、どんどん質問をしてみよう。


このコラムは、2016年5月16日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第476号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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