生産改善」カテゴリーアーカイブ

生産ラインの構築・改善

先週は友人のコンサル会社オフィスにお邪魔した.
自分たちが中国で工場を設立・操業しており,そのノウハウを提供するコンサル業務をしている.

予定外ではあったが,車で移動しその工場を見せていただいた.
板金加工工場で,メタルフレームの組み立てまで取り込んでおられた.

工程を見ただけで,経験のある日本人が指導した工程だとわかった.
聞くところによると顧客の生産技術者の指導を受けたそうだ.顧客の指導で組み立てラインを立ち上げ,応用できるところは板金加工工程にも展開したと言う.

物を流す方向を変えるだけで組立作業が改善できますよ.と指摘したら「あっ!」と即座に理解された.

外部の人間だと何も思い入れがないので一瞬で見えることが,意外にも自分たちで改善を重ねたラインでも毎日見慣れてしまうと気がつかない事があるものだ.


このコラムは、2008年7月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第41号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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貧乏輸出大国・中国

 先日中国で工場経営をしておられる方からこんな話を聞いた.
中国は廉価大量生産品をどんどん作り輸出することにより,世界中にどんどん貧乏を輸出しているというのだ.

非常に面白い論点だと思う.
安い物を更に安くして,自らどんどん苦しくなっている.更に世界中の競争相手も苦しくしている.「貧乏輸出大国」という表現はなかなか言いえて妙だ.

しかし我々はこの競争に巻き込まれるわけには行かない.
良い物を造って,高くても喜んで買っていただける,
こういう戦略で商売をしなければ未来はない.

最低賃金が毎年十数%上昇しても,毎年生産性を30%改善すれば良いだけだ.
工夫に工夫を重ねより高品質・高付加価値の製品を作る.
お客様中心主義で高フレキシビリティ生産をする.
これが日本のモノ造りの心だ.

我々は中国の社会・文化の中でモノ造りをさせていただいている.しかし日本のモノ造りの心だけはローカライズをしてはならない.むしろこういう環境であるからなおさら日本のモノ造りの心を際立たせなければならない.


このコラムは、2008年9月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第51号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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F1プロジェクト

 設備産業の場合は設備の稼働率が生産性に大きな影響を与える.

  • メンテナンスをきちんとすることにより設備停止時間を減らす.
  • バッチの切り替え時間などの段取り換え時間を極限まで短くする.

これらの改善で生産性が向上する.

また段取り換え時間を極限まで短くすることにより,作りすぎをしない,フレキシブルな生産体制が実現できる.

現在お手伝いしている工場では当初,バッチ切り替えの段取りに1時間半かかっていた.これを1/3にすることを目標に活動している.簡単に1/2まで改善できたが,そこからが意外にも進まなくなってしまった.

作業員たちに私がいっていることの意味が良く伝わっていないと感じ,F1のピットの話をした.
レース中にピットインしたマシンに,さっとクルーが駆け寄り,タイヤの交換と給油を一瞬のうちに済ませサーキットに送り出す.中国でもF1グランプリが開催されるようになったので,この話は管理者たちに良く理解できたようだ.

まず管理者の心に火がついた.
しかしこれだけではまだ改善はできない.そこで段取り換えの作業を全てリストアップしてもらい,タイムチャートを作った.これをチーム作業として誰がどのタイミングで何を準備して,どう作業するかが分かるタイムチャートに作り変えた.

更に段取り換え時間短縮活動にF1プロジェクトを言う名前をつけた.
これで作業者の心にも火がついた.
毎回何分で作業が完了したか大きなグラフで掲示をした.毎回の成績が目で見えることで皆のやる気が出てきた.

実はこれだけで今は段取り換え時間1/3(30分)を達成しており,新たな目標15分で活動を継続しているところである.

実はこのストーリィには経営者の大きな助力があった.
工場の管理者たちは全てF1を知っており,TVなどで中継を見たこともある.しかし作業員の殆どは知らなかった.
そこで経営者は帰国した折に鈴鹿サーキットに出向きフェラーリチームのピットの上からピット作業をビデオに納め,従業員全員に見せたのである.

多分サーキットで一番高い席であろう.サラリーマン経営者としては自腹でビデオを撮ってくるのは大変なことだったと推測している.こういう熱意があるから改善ができるのだと思う.


このコラムは、2008年5月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第35号に掲載した記事を修正・加筆しました。

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孔子

学びて思わざれば則ち罔し

yuē:“xuéérwǎngérxuédài。”
子曰く:“学びて思わざれば則ちくらし。思いて学ばざれば即ちあやううし。”

論語《為政二ー十五》にある一節だ。
書を読み学んでも、自ら考えなければはっきり理解できない。
考えるだけで先人の知恵を学ばなければ、その知恵は危うい。
と言う意味だ。つまり書物や他人から学ぶ、自分の経験に照らして考える、この両面を通して初めて役立つ生きた知恵になる、と理解したらよかろう。

『学』書籍や他人から理論を学ぶこと。
『思』自ら考えること。
と解釈するのが普通だろう。

しかし私はここで珍説を唱えたい(笑)

書を読み学んでも、自ら実践しなければはっきり理解できない。
実践するばかりで、先人の知恵を学ばなければ得られる成果は危うい。

『思』を実践と解釈してみた。
知識を蓄えることができても実践しなければ、成果を生む知恵とはならない。
理論や先人の知恵を無視して手当たり次第に実践しても、うまくはゆかない。

生産現場の改善活動を見ていてこのように感じる。

理屈ばかりこねていて行動しない。
できない理由ばかり並べる。
聡明で理論肌だが行動しない。こう言う人が『学而不思』だ。

闇雲にやってみる。
失敗した時に失敗原因を究明せずにトライアンドエラーを繰り返す。
行動力はあるが論理立てて考えるのが苦手。こう言う人が『思而不学』だ。

学而不思派の人は指導するのが骨が折れる。
自分は頭がいいと言う自覚がある。しかもチャレンジをしないので失敗しない(苦笑)
従って自分の足りていないところになかなか気がつかない。

逆に思而不学派はちょっとしたきっかけで成長する。
闇雲に挑戦するので失敗が多い。
従って失敗の原因を考えさせる、成功事例を教えることができる。こう言う人には、ちょっと立ち止まらせてヒントを与えることで伸びる。


このコラムは、2018年5月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第666号に掲載した記事に加筆しました。

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ダメモト改善

 私は改善の目標を置くときにいきなり2倍,3倍向上という目標を置いている.例えば不良の減少であれば,目標を1/2とか1/3に置いてしまう.データを眺めて積み上げていると,どうしても2割,3割アップという数字になってしまう.データの積み上げではなく,「ありたい姿」から目標を設定するようにしている.

もちろん既に長い時間をかけて改善活動をしている工場では,いきなり2倍といってもなかなか難しいが,中国の工場では達成できてしまう事が多い.

一緒に活動をする人は「え~?」という顔をしているが,2ヶ月とか3ヶ月くらいで2割,3割アップを達成してしまうと,メンバーの顔が「ひょっとしたら」に変わってくる.こうなるとしめたモノである.まずはメンバーから信頼を得て,ひょっとしたらと思ってもらう事が大切だ.

ある工場で半年で不良を1/2に,一年で1/3にしましょう,と経営者と約束をして活動をした事がある.正直に言うと自分でも半信半疑であった(笑)
しかし本当に半年で不良は1/2になった.一年後には1/3には届かなかったがかなり良いセンまでいった.
目標は達成できなかったが,一年前と比べたらすごく改善した.しかもメンバーのやる気が上がったのが一番の収穫であろう.

「ダメモト」(ダメで元々)と思えるような目標を立てて活動する.そしてスピードを大切にする.ここを改善しようと決めたらその日のうちに改善するくらいのスピードでやる.来週までとか来月までとはいわない.

拙速でもいいと考えている.完璧を期して考えていても,考えている間は何も改善されていない.60点でも良いからすぐにやってみる.改善の効果は時間の積分で効いて来るはずだ.やってみればその次の問題点が見えてくる.考えていただけでは見えてこない問題点だ.

やってみてダメなら,すぐに元に戻せば良いだけだ.金をかけずにすぐにやってみる.これならば元に戻すのは怖くない.ものすごく高価な設備を導入してしまうと時間もかかるし,元に戻すに戻せなくなってしまうものだ.

ダメなら元に戻す.これが「ダメモト改善」のもう一つの意味だ.

失敗を糧に 疲れたときにこそ技術は身につく

 中国で仕事をする様になってプロ野球を見る事は無くなってしまった。もうじきWBCが始まるらしい、という程度であり野球ファンとは言えない状態だ。本日のタイトルは、日経新聞に出ていたキャンプ中のバッファローズ二軍監督田口壮さんの記事だ。

失敗を糧に 疲れたときにこそ技術は身につく

グランドで実践練習中にミスをすると、反復練習をすると言う。例えば、送りバントを失敗すると、屋内練習場に移動しバントだけを練習する。その練習が5時間に及ぶと言う。さすがに職業野球選手の世界だ。手を抜けば収入が無くなる。そう言う覚悟が出来ている人だけが生き残れるのだろう。

実は若い頃職場のメンバーと草野球チームを作り、地域のリーグ戦に参加していた。普段練習などしない。いきなり集合して試合をする。そんなチームだ。
多分私が一番練習量が多かっただろう。土日に近所のバッティングセンターで練習をしていた。外角の球を右方向に流し打ちをする、などとテーマを決めてバッティング練習をしていた。他の人たちは、バットを長く持ち思いっきりスイングをして長打を狙う。流し打ちばかりしている人は異様に見えたかも知れない。テニスの練習マシンで守備練習もした(笑)
しかし練習量はせいぜい30分。5時間もバント練習だけをやるというのは想像すら出来ない。そのくらい練習をしなければ、プロとして満足のゆくプレーは出来ないのだろう。

さて、我々製造業の職場での仕事の練習はどうだろう。
作業ミスをしたら、5時間作業訓練をさせる。こんな事をしたら作業員は一人もいなくなるだろう(笑)第一それでは生産効率が悪くて会社がつぶれる。そんな練習をしなくても、仕事ができる様に生産方法や製造工程を設計する。効率よく作業訓練が出来る様に、作業指導方法を考える。

我々の場合は、選手一人ひとりが激しい訓練をするのではなく、経営者や幹部が従業員一人ひとりが成果を上げられる様に考え抜く、という事になるだろう。会社にいる8時間だけではない。四六時中考えていなければならない。夢の中で改善のアイディアがひらめく様になれば、一人前だ(笑)


このコラムは、2017年3月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第518号に掲載した記事に加筆しました。

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見かけに騙されない

 今週は推理小説の話だ。推理小説を読む楽しみは、犯人を推測しながら読むことだろう。最後まで読み進み、自分の推理が当たった時より外れた時の方が、読後の充実感が高い様に思う。作者の仕掛けた「罠」を見破り真犯人を当てるより、見事に騙される事を期待しているのだろう。

映画やTVドラマの場合は、ストーリィ以外にも配役など仕掛ける罠が増える。悪役専門の役者さんが出ていれば、潜在的に犯人と考えてしまう。制作側はこういう見かけの罠を用意して、結末で視聴者に「騙された」という爽快感を提供する。

我々の不良改善や生産改善も同様だ。(とここでいきなり本題に戻る・笑)

例えば「人為ミス」というのは、見るからに本ボシの役者さんだ。しかし騙されてはいけない。真犯人は別にいる。

ボトルネック以外の工程を改善しても成果は出ない。実行犯のチンピラを逮捕するより、本当の悪玉を見つけなければならない。

ホシはそこにいる。ホシが見えないのは、雲がかかっているか、太陽の光があるからだ。
本当の解決課題も陰に隠れていたり、逆光で見えないことがある。


このコラムは、2019年7月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第847号に掲載した記事に加筆したものです。

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朋有り遠方より来たる,亦た楽しからずや

 突然の電話だった.
昔生産委託をしていた電源メーカの,技術担当副社長が電話をしてきた.4年ぶりの再会だ.

10年ほど前に,彼が生産委託先を退職すると聞いて,ウチに来ないかと誘った.
その時彼はまだ40代半ばだったが,そろそろ後輩の育成をする年齢だからと,日本に来ることを断った.その彼の言葉に影響を受け,後に私は独立し今の仕事を始めた.
私の場合は彼とは逆に,中国人の若者を育てようと中国に来た.

4年前に会った時は台湾のコンピュータメーカのASUSに勤務していたが,今はASUSの子会社の経営をしている.しばしば中国工場に出張に来ていると言う.

人づてに私の電話番号を聞きだし電話をかけてきてくれた.

懐かしい話と共に,電源工場経営の苦労を語り合った.
一昔前とは経営環境がまるで変わってしまっている.人件費の高騰,作業員の採用難,などなど経営環境は逆風だ.しかも電源ユニットの市場価格は,どんどん低下している.しかし安全重要部品として,電源に対する品質,信頼性要求は緩まることは無い.

彼は18年間中国の工場経営をしている工場長を説き伏せて,70人あまりの生産ラインを30人弱にまで減らしたそうだ.時間当たりの生産量は800台が450台.一人当たりの生産能力は11.4台/時間から15台/時間になっている.30%以上アップだ.彼も私と同じ考えにいたったようだ.

昔彼がいた生産委託先で,工程内不良率100ppm以下の量産ラインを構築したことがある.今は,多品種少量生産で,高品質,高効率,高フレキシビリティの生産ラインを立ち上げなければならない.

ここ数日,華南地方は冷え込んでいるが,彼が手土産に下げて来たウィスキーで暖かい夜が過ごせそうだ(笑)


このコラムは、2010年12月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第184号に掲載した記事に加筆したものです。

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お変わりなく

 「お変わりなく」という挨拶言葉に違和感をいつも感じている.
ただの挨拶なのだから深く考えなくてもと思いつつ,なぜ違和感があるのかを考えてみた.

「お変わりなく」というのは,健康状態,生活状態や商売の状態に変化がないと言う意味と理解してよいだろう.従って文脈から判断すれば,健康な状態や,商売繁盛の状態から変化がないということだ.

しかし変化がないことが良いとは限らない.
例えば,少年に久しぶりに会ったとする.
ここで「お変わりなく」では困ってしまう.成長期である少年が前回会った時と同じでは困る.

病人の見舞いに行って「お変わりなく」と挨拶して帰って来る人もあるまい.

または進歩の激しい業界で変化がないということは,その業界内では相対的に退歩しているということになる.

生産現場では「お変わりなく」は,間違いなくだめだ.
何も変わっていないということは,何も改善していないということだ.
指導をしているお客様で,成果が出る会社は訪問指導に行くたびに現場の様子が変わっている.同じお客様の中でも,成果の出ている職場ほど変化が多い.

材料の置き方,作業台の向き,設備の位置などチョコチョコと変えてみようというリーダがいる職場は,どんどん改善が進む.設備の向きを変更すると,作業性が良くなるとアドバイスしても,設備の移動には業者を呼ばなければならないから○○万元必要です,というリーダがいる職場はなかなか改善が進まない.
出来る方法を考える前に,出来ない理由を考えてしまっている.

もっとも,変化があればすべて良しというわけではない.
お客様に訪問指導に行った時に,人が集まっている一角が新たに出来ている.私の経験では,こういう場合は良い変化ではない.
聞けば不良が流出してしまい,流出防止のためにダブルチェックすることを、お客様に約束してしまったという.
こういう変化はよろしくない.
この場合は,変化をさせる場所が間違っている.不良流出を止めようとするからダブルチェックとなる.不良発生を止めようとすれば,別の場所に変化があるはずだ.

いずれにせよ,どのような変化でもそれは進歩のチャンスだ.
変わりがないことを喜ぶよりは,変わりがあることを喜ぼうではないか.


このコラムは、2011年7月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第214号に掲載した記事に加筆修正しました。

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「トヨタ生産方式」ノウハウ無償提供 北米の病院などに

 トヨタ自動車は29日、無駄を省いて作業を効率化する「トヨタ生産方式」のノウハウを、北米の病院や学校、非営利団体などに無償提供する活動を本格化させると発表した。社会貢献のためで、今後1年間で最大20団体に協力するという。

 生産現場で経験を積んだ従業員らを現場に派遣する。まずは2005年のハリケーン「カトリーナ」で壊滅した住宅を迅速に再建する計画に協力する。

 同社はこれまでに、企業から提供された食品を貧しい人々に配る事業にニューヨーク市で協力し、待ち時間を1時間から18分に短縮した。ペンシルベニア州の病院で医療品配送のコストを削減した実績もある。

(asahi.conより)

 たった1社で始まった生産革新活動が,業界を超え,業種を超え,国境も超えている.

大野耐一氏の試みが今もなお進化し続けているトヨタ式は,社内から仕入先に広がる.そしてNPSグループにより業種・業界を超えた.こうして広がったモノ造りのノウハウが,海外でも貢献している.

トヨタ式の人々には申し訳ないが(そういう自分自身もNPSの流れを受けているのだが)これを「日本のモノ造り」といいたい.

中国でも『精益生産方式』(リーンプロダクションの中国語訳)やTPSを導入したい,とか導入した,といっている工場を訪問することがある.しかしその実態は,「誰に教わったの?」といいたくなるレベルだ.

生産に「後引き生産方式」を取り入れている機種があります,というばね製造工場があった.しかし実態は受注生産のことを,後引き生産といっているだけだった.

精益生産の指導を受けたという金属加工工場は,土間に大勢しゃがみこんで,アルミダイキャストのランナー取りをしていた.

しかし嗤っているとすぐに足元をすくわれるだろう.
上記の2工場とも5Sの基礎は出来ている.正しい指導を受ければあっという間に,収益性の高い工場になるだろう.中国人経営者,経営幹部が皆「日本式」の導入意欲が高く,外部から指導を受けることに抵抗感が小さいからだ.

製造業はすぐに良くなるはずだ.

しかし中国で生活している私たちにとって問題は,銀行,鉄道,病院などの公共サービスだ.
サービスの品質向上の前に,待ち時間の短縮だけでも大いにありがたい.
公共的組織も「日本式」で改善は可能だ.
問題点は彼らに改善意欲がないことだ.

中国はモノ造りでは国際競争力を手に入れたが,サービス分野では三流以下だろう.

こんな本「国際競争力の再生」が中国語で出版されると良いのかもしれない.


このコラムは、2011年7月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第212号に掲載した記事に加筆修正しました。

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