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メイ三兄弟

 あるプロジェクトをメイさん兄弟が担当しました。
課長がメイさん三兄弟に、プロジェクトの内容を説明し、スケジュールを決めました。ちょっとだけ挑戦的なスケジュールです。しかし課長が提示した予定は1週間ほど余裕を差し引いた日程でした。遅れても1週間あれば何とかなる、という腹づもりでした。

会議終了時に「三人でちゃんとできる?」と質問するとリーダ役のメイ長男が「没問題!」と元気よく答えてくれます。

さてプロジェクトのスケジュールが半分過ぎた頃、課長は三人を集め会議を開きました。「プロジェクの進み具合は大丈夫?」と質問すると、進捗管理担当のメイ次男は「没関係!」と胸を叩きます。

プロジェクト完了の日になりました。しかし課長のところには誰も報告に来ません。課長は三人の席に行き「プロジェクトは終わった?」と質問すると、末っ子のメイ君は「没方法」とうなだれています。
この後、課長とメイ三兄弟は1週間連日残業でプロジェクトを完成させる事になりました。

陳腐な寸劇だが、こういう事が度々発生していないだろうか?
自分の経験では「没問題」「没関係」「没方法」の三兄弟がしばしば顔を出す。
この没(メイ)三兄弟は三つ子のように仲が良い(笑)

私同様に頭が痛い問題と考えている方もおられると思う。
こういう問題をすぐさま根絶できる妙薬はないかもしれないが、ちょっとした予防薬のようなものはある。

没三兄弟が顔を出すのは、YES/NOで答えられる質問をしているからだ。
上記の「できる?」「大丈夫?」「終わった?」は全て答えはYESかNOで答えられる。YESかNOで答えられる質問をクローズクエスチョンという。YESかNOで答えられない質問はオープンクエスチョンという。

上記の質問をオープンクエスチョンに置き換えるとどうなるだろうか。
「できる?」→「プロジェクトの進め方や技術的に気がかりな点は何?」
「大丈夫?」→「プロジェクトの進捗で気がかりな点は何?」

こういう質問にすれば、メンバーは問題点を考え、気がかりな点をあらかじめ議論し対策を考えておく事ができる。上司としては、この質問でメンバーの力量を測る事ができるはずだ。

こういう質問をしておけば最後の「終わった?」には、元気よくYESと答えてくれると思うがいかがだろう。


このコラムは、2018年1月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第612号に掲載した記事です。

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