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半導体デバイスの信頼性技術

半導体デバイスの信頼性技術
書籍名:半導体デバイスの信頼性技術
松下電子工業 (編集)
出版社: 日科技連出版社 (1988/07)


この本は初版が出てから既に20年以上経っています.
半導体デバイスの世界はこの20年でものすごい進歩をしています.しかしこの本は,未だに重版を続けています.モノゴトの基礎は普遍なんでしょうね.
半導体エンジニアばかりではなく,半導体を応用する人,信頼性エンジニア,不具合解析エンジニアなど多くのエンジニアの「教科書」として,まだまだ現役で活躍していると思います.

私も昔この本のお世話になりました.
当時半導体素子の不良が発生し,その解析方法や不具合のメカニズムなど,本書を何度も読みました.
「水和腐食」と言う言葉も,この本で勉強しました.

本書の内容を,かいつまんでご紹介するのは,ちょっと難しいです(笑)
せめて目次だけでも

第1章 半導体デバイスの特質
第2章 品質保証の実際
第3章 信頼性評価の基本
第4章 信頼性要因と故障解析
第5章 個別デバイスの信頼性の課題
第6章 集積回路デバイスの信頼性の課題
第7章 品質保証に関する規格および認証制度

「半導体デバイスの信頼性技術」

未然防止

失敗学
書籍名:失敗の予防学―人は、なぜ“同じ間違い”を繰り返すのか
著者:中尾 政之
出版社: 三笠書房



著者の中尾政之氏は元々エンジニアだった人で,今は東大工学部の教授である.
「失敗学」で有名.多くの著書を執筆されている.

失敗から予防保全につなげないと,毎回同じような失敗ばかりしていることになる.良く失敗は授業料だと思えば良いというが,授業料だけ払っていてはいけない.
他人が支払った授業料で予防保全ができれば大変お得である.

これを未然防止と言っている.つまり他所の失敗事例に基づいて予防保全をすれば,自分たちにとっては未だ経験したことがない失敗を,未然に防止できるからだ.

同じ現象を見てもそこから改善のヒントや,そこにある失敗のリスクを見分ける事が出来る人と,できない人がある.
この能力は天性の能力ではなく,訓練で身につく能力だと思っている.

書物からも勉強できるがこの手の能力は実践訓練が一番身につきやすい.
そんな訳で,私はメールマガジンに毎回新聞報道から失敗事例と,失敗の未然防止について書き続けている.一種のケーススタディだ.

そのメールマガジンは,毎週月曜日朝に配信している.「中国生産現場から品質改善・経営革新」という.ご興味がある方は是非配信を受け取っていただきたい.

失敗の予防学―人は、なぜ“同じ間違い”を繰り返すのか

ISO規格

ISO

  • ISO9001 品質マネジメントの国際規格
  • ISO9004(JIS Q 9004)品質マネジメントシステム解説と活用ガイド
  • ISO19011 品質及び/または環境マネジメントシステム監査のための指針
  • ISO/TS16949品質マネジメントシステム

ISO9001などの規格文書を原文(英語)と和訳を見開きに載せています.
以前の勤務先では,英語圏のお客様が多かったので,お客様監査の対応時にこういう書籍が重宝しました.しかも新書版なので,携帯にも便利です.海外の生産委託先に出かけるときは,必ず鞄に入れていました.

ISO9001 品質マネジメントの国際規格
ISO9001:2008の原文と和訳が出ています.巻末のISO9000「品質マネジメントシステム-基本及び用語(抜粋)」も非常に役立ちます.

ISO9004:2009(JIS Q 9004:2010)解説と活用ガイド―持続的成功のための品質アプローチ
なかなかISO9001の効果があがらない,物足りない…自社のQMS(品質マネジメントシステム)の強化を図りたい…いかなる状況下においても持続的成功を実現したい…ISO9004はそれらをかなえる一策.ISO9004の大幅改正で何がどう変わったのか?どのように活用すればよいのか?規格開発に参画した専門家が徹底解説.

私が持っているのは,2004年版です.ISO9004は日本の委員の貢献が多いと聞いています.ISO9001の運用をどうすべきか,参考になるはずです.

対訳ISO19011 品質及び/または環境マネジメントシステム監査のための指針
内部監査や仕入先の監査を実施する時に参考になります.前職時には英語圏のお客様が多かったので,監査を受ける際もよく参照していました.

対訳ISO/TS16949〈2009〉品質マネジメントシステム―自動車生産及び関連サービス部品組織のISO9001:2008適用に関する固有要求事項 ポケット版
自動車産業及び関連サービス部品生産のための固有要求事項です.原文(英語)と対訳になっているので,和訳で意味不明なところは原文で確認ができます.私が持っているのは2002年版です.ISO9001が2008年に改訂になっているのにあわせ,TS16949も改訂になっています.

統計的品質管理

統計
本日は,統計的品質管理,SPC,統計的工程管理といわれる方法の教科書をご紹介します.

ある台湾資本の中国工場では,私がお手伝いを始めた時には統計的品質管理を有効に活用していませんでした.
ISOやお客様の工場監査で「統計的手法」を聞かれるものだから苦し紛れに取り繕っているだけ.

その工場では半田槽の温度管理に「エックスバー・アール管理図」を使っていました.
しかし管理図が現場に掲示してあるだけで,有効な活用はされていませんでした.
大体半田槽の温度は自動制御により0.1℃以下の精度でコントロールされています.しかしその温度を計測しているディジタル温度計は0.1℃の桁までしか表示がありません.
たんに「監査対応」だったわけです.

しかし本来統計的品質管理,統計的工程管理は,我々の大きなよりどころになります.

品質保証,品質管理,生産改善に携わる全ての人は統計数学の基礎をバックグラウンドに持つ必要があるとさえ考えています.

 工程管理図,工程能力指数ばかりではなく,統計的な検定・推定,分散分析による有意性の確認など,広く応用できます.

中国語の良い教科書をまだ見つけられませんが,日本語の本はいくつか推薦できる本があります.

私はこの本をずっと愛用しています.
「技術者のための統計的品質管理入門」(共立出版)

1981年2月10日初版1刷発行.えらく古い本ですが,まだ使えます(笑)

会社の先輩からは日科技連の本を推薦されました.
既に絶版になっているようです.私が持っているのは,1989年4月10日初版第25刷発行です.1977年8月25日に初版第1刷発行なので,12年で25刷されたベストセラーというわけです.たぶんどこかの理工系大学で教科書として使われていたのでしょう.

 同じ著者の本が新版で出ていたので,多分同じ内容だと思います.

「新版 品質管理のための統計的方法入門」(日科技連出版社)

2冊ともタイトルに入門とありますが,本当の入門者にはちょっと骨が折れます.