前回までのコラムで、班長の作業員に対する作業指導能力を高める事が、生産のQCDを高め、業績を高める事を解説した。そしてその作業指導能力は、中国の発展・成熟に連れて、ますます重要になって来ている。
いくつもの作業をこなすことができる、いくつもの工程を任せることができる、そんな作業員がいれば、少人数精鋭の製造チームを作ることができる。少人数精鋭製造チームにより、高品質、高生産性、高フレキシビリティの製造軍団を作ることができる。この様な製造軍団が有れば、難易度の高い高付加価値の生産が可能になる。
以前指導していた電線メーカは、電源コードを作っていた。大量の作業員が、広いフロアで大量に電源コードを生産している。毎月何百万本もの電源コードを生産しても、経営は楽ではない。利益率が低い、顧客の転注にいつも怯えていなければならないからだ。この工場には、少人数で多品種少量生産する方法を教えた。その結果、エレベータに使うケーブルアッセイの仕事を受注出来る
様になった。電源コードと比較すれば利益率は遥かに高い。この様な、高品質、高生産性、高フレキシビリティのモノ造りが、高付加価値を生む。
ここで重要な事は、作業員の質を高める事だ。作業員のバラツキが、品質、コスト、納期のバラツキとなる。
作業標準を決め、作業指導書を作る。しかし作業員の作業にバラツキが有り、標準作業とはなっていない。これが作業員のバラツキだ。作業標準を決めてあるのに、作業者の作業は標準作業になっていない。
この問題の原因はどこに有るか?
作業者の素質?作業者のやる気?90后には無理?
これが原因だとすると、あなたに解決方法は有るだろうか?
私たちの考えは、作業員にバラツキが有るという属人的な問題ではなく、教え方にバラツキが有るから作業にバラツキが発生する、と言う事だ。
つまり作業標準を決めても、作業者が標準作業が出来ないのは、教え方の標準を作っていないからだ。
私たちが指導しているTWIはこの「教え方の標準」をシステム的に構築する方法だ。
TWIに関してはこちらをご参照いただきたい。