慢性不良


 20年ほど日本、中国などの工場で指導をしているが、多くの工場が「慢性不良」に悩んでいる。「慢性不良」とは、何度対策をしても再発してしまう不良の事だ。全く同じ不良でなくとも、同じ原因が形を変えて不良発生する事も有る。

例えば、人為ミスはこの様な慢性不良の一つだ。
全く同じ人為ミスはないかも知れないが、原因分析をすると、皆人為ミスとなってしまう不良がある。例えば、間違った材料を製造部門に出庫する、ネジを締め忘れる、梱包時に間違った製品型名を記入する、これらは皆人為ミスとして片付けられる。そして、ミスをした作業員に「再教育をしました」と言うのが、対策となる。

この様な対策が、本当に再発防止対策になっているのか?少し考えてみれば、再教育だけでは、再発防止できない事は明白だ。今までも作業者に教育はして来たはずだ。それでも発生した不良を、再教育で防止出来るとは考え難い。
ミスをしなかった作業員が、明日ミスをしない保証は有るのか?新人作業員に同じ教育をして、ミスが防げるのか?

なぜ人為ミスが発生したのか、本当の原因を見つけなければ、再発防止は難しい。

ほとんどの場合、作業員のバラツキが、作業のバラツキとなり、品質や生産性のバラツキとなる。

元々品質や生産性のバラツキをなくすために、標準作業を決定する。標準作業を作業員に指導するために、作業標準書や作業指示書を作っている。しかし作業員がばらつくことにより、作業標準や作業指示書の理解がばらつく、そのために、一人ひとりの作業がバラつき、標準作業にならない。

当然人は一人ひとり個性を持っている。この個性を工場の都合に合わせて、無理矢理変える事は出来ない。しかし、作業標準に対する理解のバラツキをなくす、作業指導書が指示する標準作業が出来る様にする事は可能だ。

この様な作業指導にTWI(Training within Industry)と言う手法が有効だ。
TWIは1950年から、日本で活用されて来たシステム的な指導方法だ。

TWIに関しては「TWI-JI 仕事の教え方」をご参照いただきたい。