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仕事を教える

 以前「徒弟制度」が究極の仕事の教え方だとこのメルマガに書いた。TWIを推進する立場にありながら、矛盾しているではないか、と言うご指摘は今のところいただいていない。心優しい読者様に感謝している(笑)

自分でも矛盾している様に見える議論を再検討してみた。
徒弟制度が伝えるのは、仕事に対する心構えから入り、生き方までを教えるモノだと考えている。一方TWIが目指すのは、誰がいつやっても同じ様に作業出来る様にする事だ。教えるのが「仕事」である場合と「作業」である場合の違いと言えるだろう。

例えば、量産をする工場では、製品の完成図面を見て作業する事は無い。製品の完成図面を作業単位に分解した作業指導書を見て作業する。ここまでやっておけば、作業を教える事は簡単になる。作業がバラつかない様に教える方法を考えれば良い。こういう事をフォーマット化したのがTWI-JIだ。

例えば金属加工の図面には、加工後の完成状態が描かれている。
実際に加工するためには、加工する材料の大きさを決め、加工する順番、方法を決める。ホンモノの職人はこの段取りが上手く出来る。
普通の作業員でもホンモノの職人と同じ様に作業出来る様に、段取りを手順化してしまえば良いのだ。

ではこのホンモノの職人の業を誰でもが出来る様にするにはどうしたら良いか。もしくはもっと高度な、設計とかデザインの様な仕事は、誰でもが出来る様になるのだろうか。

私は、電子工学を勉強した。しかし就職して開発部門に配属されても、製品の開発は出来ない。学校で学んだ専門知識以外に、修業期間が必要になる。
同じ開発部門でもソフトウェ開発には、ドイツ語や哲学を専攻した同僚がいた。専門知識が無くても、ソフトウェアの開発ツールの使い方を習得すれば開発が可能となる。
回路設計も同様に、ゲートアレイの様に論理設計さえ出来れば、開発ツールを使って回路を設計出来る様になる。

ソフトもハードもあるレベルまでならば、チョットした修業期間で設計出来る様になるだろう。しかし一流になるためには「センス」が必要だ。「センス」とは、感性とかひらめきとか言葉で伝えるのが難しいモノだ。言葉にし難いモノを教えるのは更に難しい。

仕事のほとんどは教えることができる。しかし「センス」を教える事は難しい。そして「センス」が、仕事の出来映えのほとんどを決めてしまう。「センス」は教える側よりは、教わる側が自ら磨くモノだと思う。「センス」を受継いで行くには、やはり「徒弟制度」の様な方法になるだろう。


このコラムは、2015年3月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第416号に掲載した記事です。

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業務のマニュアル化と業務改革

 今週のメルマガ「ホワイトカラーを「多能工化」 ノリタケが働き方改革」で、ノリタケの仕事改革・間接業務のマニュアル化による業務改革についてコラムを書いた。本日は、業務のマニュアル化と業務改革について考えてみたい。これは間接業務、直接業務を問わず共通の課題だ。

業務マニュアルを作るためには、まず標準作業を決める。その上で作業者に理解しやすい様に作業手順を文章化する。文章化には写真、イラスト、図表等が含まれる。

ちょっと余談だが、業務マニュアルで標準作業を決めても、作業は標準化されない。なぜならば教え方が標準化してないからだ。この点にフォーカスをするのが、TWI-JI(企業内訓練・仕事の教え方)だ。
TWI-JIでは、標準作業を分解し教え方のシナリオを作る方法で教え方を標準化している。

業務マニュアルの作成にしても、TWIの作業分解にしても、ただ標準作業を記述するだけではない。標準作業を記述する際に、本当にこの作業は必要なのか?より効率の良い方法はないか?と言う視点で作業を見直しながら作るべきだ。つまり業務マニュアル作成の過程で、業務改善をするつもりで取り組むのだ。

もう一つ重要な事がある。標準やマニュアルは作ったその日から改訂を考える。標準やマニュアルは、今日ベストな方法を決めただけだ。明日もそれがベストとは限らない。標準やマニュアルを放置すれば、作ったその日から陳腐化が始まる。

無印良品の業務マニュアル「ムジグラム」は現在13分冊2,000ページある。
ムジグラムは、現場からの要求で毎月20ページ程改訂されている。毎月1%は改善が進んでいると言う事だ。

つまり業務マニュアルを決めるだけではなく、業務改善を継続する。

まずは標準作業を決める。作業の「形」を作ると言う事だ。業務マニュアルが「形」を表現する。これが無いのを「形無し」という。形があるから、改善すべき所が見える。そして業務マニュアルが改訂される。この螺旋上昇循環を作る事が業務改革だ。


このコラムは、2017年8月25日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第554号に掲載した記事です。

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離職率と多能工化のジレンマ

 最近「無料工場診断」で携帯電話を生産している中国企業を訪問した。携帯電話生産の中国企業を訪問指導するのはこれで2社目となる。

この2社に共通しているのは、大勢の作業員を工程に投入するスタイルの生産方式をとっている事だ。そして高離職率と言う共通の悩みを持っておられる。

生産に多人数を投入すれば一人当たりの作業は少なくなり、短期間で作業員を作業習熟させる事が出来る。離職率が高くても、新規に雇用した作業員を短期で戦力化出来ると言うメリットがある。

しかし作業員が多く離職率も高いので、採用が難しくなる。
少人数で生産出来る方式にすれば採用は楽になる。
少人数で生産するためには、一人当たりの作業を増やさねばならない。更に多能工化する事により少人数生産で生産効率が上がる。
しかしここで、離職率の高さが問題となる。作業員が作業習熟する前に離職。多能工育成など不可能な状態だ。

TWI(企業内職能訓練)により、作業習熟化の効率は上がる。副次効果として離職率の低下も期待出来る。実際TWIを導入した企業で離職率が下がるという副次効果が出ている。
しかしこの企業の様に、月次離職率を年間離職率と間違えるほど離職率が高い職場でも有効かどうかはちょっと不安だ(苦笑)

先ずは組織と従業員の関係性を改善する必要があると判断した。
この企業には、先ず行動変容研修の中国人コンサルを送り込んだ。

これで現場監督者と経営層の意識改革が出来れば私たちの出番となる。


このコラムは、2017年6月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第534号に掲載した記事に加筆しました。

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班長研修(仕事の教え方、人の扱い方)

生産現場の監督職にとって重要な能力は部下に対する「仕事の教え方」「人の扱い方」です。
中国生産現場の班長さん、組長さんの能力開発として日本産業訓練協会のTWIをご紹介します。

上の表紙をクリックして動画をご覧ください

究極の教え方

 先週土曜日に第一期TWI導入サポート企業様のキックオフミーティングを開催した。何度でも再現できる教え方を習得し、教え方を標準化することにより、指導者が変わっても、作業員が変わっても、作業がバラつかない様にする。これがTWI-JIの目指すところだ。「科学的職業訓練」と言う名前を付けてみた。
これと対極の位置に有るのが「伝統的職業訓練」だと考えている。伝統的職業訓練とは「徒弟制度」の事だ。

TWIの導入を推薦している私は、徒弟制度を否定しているかと言うと、実は逆で徒弟制度は究極の職業訓練だと考えている。師匠の元に住み込み、弟子として、便所掃除からお茶汲みまで仕事と関係のない事から叩き込まれる。効率は非常に悪い。しかし徒弟制度で受継がれるのは、仕事の技術ではなく「魂」なのだ。師匠の命は限りが有る。いつかは亡くなる。しかし師匠の魂は弟子達によって次の世代へと受継がれる。そしてそのまた次世代の弟子へと受継がれて行く。

徒弟制度は、師匠の「業」をその魂と一緒に、大河の如く未来に受継いで行くためのシステムなのだ。

しかし我々の様に、工場でのモノ造りに関わっている者にとっては、徒弟制度は効率が悪すぎる。ほとんどの従業員が出稼ぎであり、3年で全員入れ替わる様な職場で「匠の業」を人生をかけて受継いで行く訳にはいかない。科学的職業訓練に頼ることになる。

私には、中国人の弟子がある。さすがに寝起きまで共にする訳には行かないが、そういう人達には、自分の全てを伝えたいと考えている。そうすれば、私が死んだ後も、私が先輩から受継いだ経験や考え方が人々の役に立つはずだ。

こちらの本は、家具職人の秋山利輝氏の弟子の育て方が書いてある。
「一流を育てる 秋山木工の職人心得」秋山利輝著

書籍中にある秋山氏の言葉を以下に紹介する。
「技術がいくら一流でも、技術だけではすぐ追いつかれてしまいます。でも 心はすぐには真似できません。……
 感動してもらうモノ造りは、心が一流でないと出来ないのです。……
 「できる職人」ではなく、一流の心と技術を持った「できた職人」を育てたいのです。」


このコラムは、2015年3月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第414号に掲載した記事です。

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TWI工場見学会

 2014年の2月に、主催している東莞和僑会の定例会で工場見学・交流会を開催した。
訪問した工場は、光センサーを応用した製品を生産する日系工場だ。

こちらの工場は、2007年に一度訪問したことがある。当時指導していた工場の幹部を数名連れて、工場見学をさせていただいた。全く違う業種だが何かしら得るモノがあるはずだが、ただ見ただけでは何も分からないだろう、と言う経営者の意向により、私が引率することになった。
当時から、コンジットパイプで作った作業ステーションを組み合わせた、フレキシブルな工程を作っておられた。

その後もご縁があり、同社の人事部長さんと知り合いになった。
社内にTWIを導入しようとしている彼女に、人財育成勉強会でスピーチしていただいた事もある。

TWIとはTraining within Industryの略で、仕事の教え方・指導方法を体系化したものだ。この手法は特に製造業の方々の参考になると思い、実際にTWIを実践しておられる現場での見学・交流会を開催することにした。

導入のきっかけは、離職率の上昇により、新人作業者が増え、生産性や品質が不安定になってしまった。新人に対する作業指導を改善し、品質、生産性を安定させるのが動機だった。そのために、現場の班長さんクラスにTWI手法を習得させることになった。これにより誰が指導しても同じレベルに教えることができる様になった。その結果、作業者が変わっても作業のバラツキが発生しない。従って品質が安定し、生産性は向上した。

離職率が高くても、問題がない体制を構築出来たが、実は離職率も半分近くに下がっている。

新しい事に取り組み、成果を出し継続する事は、多くの困難を伴うものだ。
ここ迄成果を出し、継続発展出来ている理由を自分なりに考えてみた。

◆幹部への権限委譲
TWI導入のアイディアは、日本人総経理が出している。しかし彼は「TWIという手法があるらしいよ」と言っただけだ。後は幹部が自ら調べ、導入を決めた。総経理があれこれ指示を出した訳ではない、部下を信じて任せた。
当然幹部達は、自分で考え自分で行動することになる。これが活動の意欲を上げる元になったと考えている。

◆人事部門の参与
TWI導入の鍵となったのは、人事部門だ。通常ならば、製造部門、生産技術部門が中心となってもおかしくはないはずだ。
人間は、変化に対して抵抗感を感じる傾向にある。新しい手法を制度として導入する場合、抵抗勢力が生まれる事がままある。人の心のマネジメントは、人事部門が一番良く知っている、だから人事部が中心となって進めました、と導入時の人事部長が語ってくれた。
TWI導入によって、給与制度や監督職・管理職の昇進要件も変更している。
導入後1年近くは、人事部門のスタッフが現場に入り込んで活動をした。

◆企業文化
上記の2点はともに「人」のモチベーションに関わる問題だ。
この工場には、人を育てて幸せにする、自己成長を目指す、と言う経営者と従業員間に共通した企業文化がある様に感じる。
この企業文化がTWI導入により更に強化されたのだろう。

その他に生産現場の見学で、以下の点に感銘を受けた。
◆新人ライン
新人だけで実生産ラインを組んでいる。通常導入時の研修をするとすぐに実生産ラインに新人を投入してしまうだろう。しかしこの工場は新人ばかりのラインを持っている。簡単な機種、ダブル品質検査をすることにより、リスク管理をしつつ新人の熟練度を上げることができる。

◆作業OJT
ネジ締め、リードカットのOJT実習をやっている。
通常半田付け、圧着作業などの特殊工程に関しては、OJT実習と資格制度を設けている工場は多い。特殊工程とは、品質検査をする事が不可能、又はコスト的に不合理な作業工程であり、品質保証が作業者のスキルに依存する工程を言う。
従ってネジ締め、リードカット作業も特殊工程であると言うのが私の持論だ。

東莞和僑会では、異業種との交流、工場見学により、経営者・経営幹部の気付き、成長が得られる様な定例会を開催している。


このコラムは、2014年2月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第349号に掲載した記事です。

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TWI導入サポート

標準作業要領は決まっているが、標準作業指導法は決まっていない。
設備には取扱説明書があるが、個々の作業者には取扱説明書はない。
そのような現場で、監督職は毎日生産目標、品質目標を達成するよう仕事をしています。

ロボットや設備は、同じ操作をすれば同じ結果が返ってきます。
しかし人間には複雑な感情があるがゆえに、同じやり方で同じ結果は得られるとは限りません。

工程を細分化し、単純作業を人海戦術で行うモノ造りをしていた頃と比較すると、現場監督職に要求される能力は格段にレベルアップしています。

日本では、終戦後米国から導入されたTWI(企業内訓練)により、製造現場の監督職のレベルアップを図ってきました。それが戦後の焼け野原から、「モノ造りニッポン」と呼ばれるまでに成長する原動力だったと言ってよいでしょう。

TWI-JI(仕事の教え方)を導入することにより、作業者への指導方法が標準化し、誰が教えても、誰に教えても、いつ教えても同じ結果が得られるようになります。その結果作業のバラツキを抑え、品質、生産性のばらつきを抑えることができます。

TWI-JR(人の扱い方)を導入することにより、職場の人間関係が改善し、コミュニケーションが活発となり、職場環境が改善され、従業員のモチベーションが上がります。

弊社では、2015年よりTWI導入支援のサービスをご提供しています。
日本産業訓練協会の公認トレーナー(中国人)が、直接御社の中国人監督職にTWIの訓練をします。また中国の生産現場指導歴20年の現場改善コンサル(日本人)も生産現場でアドバイスを差し上げます。

  • TWI導入キックオフ
  • TWI-JI/TWI-JR10時間研修:2日間に分けて実施
  • TWI-JI現場指導:1日
  • フォロー:オンラインサポート(半年)

各社のTWI導入の成果発表会を開催します。
他社との交流で、推進メンバーのモチベーションアップを目的にしています。

第一期、第二期のTWI導入サポート企業様の成果発表会
第一回TWI成果発表交流会
第二回TWI成果発表交流会
成果発表交流会では、既にTWIを導入し成果を上げている先輩企業様、同時期にTWIを導入した仲間の企業様との交流で、TWI推進者のモチベーションが大いに盛り上がりました。
弊社のTWIサポート企業様は、交流会メンバーとして今後開催するTWI成果発表交流会にもご参加いただいています。

TWI導入サポートは、TWI-JI(仕事の教え方)コースとTWI-JR(人の扱い方)コースの2プログラムが有ります。

indexTWI導入サポート TWI-JIコース

  • 新人の作業ミスによる不良問題がしばしば発生する。
  • 新人をラインに投入すると、生産量が下がってしまう
  • 作業員の流動性が高く、新人の教育訓練の効率を上げたい。
  • 多能工育成が課題になっている。
  • 優秀な現場ライン長が離職すると生産が混乱してしまう。

このような問題や課題をお持ちの企業様に、TWI-JIの導入を提案いたします。
TWIとは(Training Within Industry)の略で、現場リーダの作業指導能力を高めるためのシステム的なアプローチの事を指します。
日本では戦後間もなく導入され、日本産業訓練協会が中心となり日本全国で指導をしています。弊社の日本産業訓練協会認定トレーナーが御社のTWI導入のお手伝いをさせていただきます。

TWI-JIについてはこちらもご参考にしてください。
「TWI-JI」仕事の教え方

詳細の日程は以下の通りです。

  • 1日目(半日):弊社会議室(東莞市莞城区)
     TWIの歴史
     TWI導入の意義
     TWI導入の目的
     TWI導入成功のために考えるべき事
     TWI-JI/TWI-JRの具体的内容
     導入先行企業の事例

    対象:経営者様
  • 2日目(全日):お客様工場
     TWIの沿革と紹介
     監督者の意味と必要な五つ条件
     不完全と正確の指導方法
     四段階法
      受講者実例の演習
     作業分解の学習
      受講者実例の演習
     一日のまとめ

    対象:作業員を直接指導する現場監督者
  • 3日目(全日):お客様工場
     2日目内容の復習
     訓練予定表の学習
      受講者実例の演習
     受講者実例の演習
      受講者指導方法の演習
     特殊な指導方法
     摘要と結論、受講者の感想

    対象:作業員を直接指導する現場監督者
  • 4日目(全日):お客様工場
     監督者研修のフォロー
     現場指導(課題の抽出)

    対象:現場監督者
       管理職、経営者様のご参観を推奨
  • フォロー:オンラインサポート(半年)
  • 2018年12月(予定):TWI成果発表交流会
    (東莞にて開催します)

お問い合わせ、お申し込みは下のフォームからお願いいたします。
[contact-form-7 id=”1599″ title=”TWI導入サポート企業募集”]

送信後に「TWI導入サポート」と言う件名のメールが自動送信されます。万が一届かない場合は、迷惑メールフォルダーに入っていないか、登録したメールアドレスが正しいかご確認をお願いいたします。

indexTWI導入サポート JRコース

現場では日々以下の様な問題が発生しています。

  • 現場の作業員が、連絡せずに突然休んでしまう。
  • 危険作業を注意しても、改めない。
  • 気持ちにムラがあり、作業効率が安定しない。
  • 上司や会社に対して反抗的な言動をとる。

経営者・経営幹部であるあなたが、直接作業者に指導する訳には行きません。
この様な現場の問題を解決しなければならないのは、現場の監督職です。
しかしこれらの問題は、一番管理が難しいと言われる、人を扱う問題です。
人は一人ひとり違っています。画一的な対応では解決出来ません。
しかもそれを現場の監督職が対応しなければならないのです。

対応を間違えば、作業員は辞めてしまう。最悪の場合ストライキに発展する事もありえるでしょう。

では現場の監督職の皆さんに、十分な教育が出来ているでしょうか?
「人の扱い方」をどう教育したら良いか?
相当ハードルが高い課題ではないでしょうか?

この様な課題はTWI-JR(人の扱い方)で解決することができます。
TWI-JRは人の扱い方を、四段階のステップに分解して教える手法です。

現場で発生する人に関わる問題を解決する。人との関係を良くするための基本心得を身につけ、問題の発生を未然に防ぐ。
現場の監督職の皆さんにこの様な能力を身につけていただくのがTWI-JRです。

日本産業訓練協会の公認トレーナ(中国人)が、2日間で御社の監督者にTWI-JR「人の扱い方」の技能を伝授します。

キックオフ後、サポート企業様個別にTWI-JR導入支援、監督者に対する研修を実施します。

各企業様での約半年の導入成果を発表する交流会を来年1月に開催いたします。

詳細の日程は以下の通りです。

  • 1日目キックオフ(半日):弊社会議室(東莞市莞城区)
     TWIの歴史
     TWI導入の意義
     TWI導入の目的
     TWI導入成功のために考えるべき事
     TWI-JI/TWI-JRの具体的内容
     導入先行企業の事例

    対象:経営者様
  • 2日目(全日):お客様工場
     TWIの沿革及びニーズの紹介
     監督者の意味
     監督者に必要な五つの条件
     人の扱い方に関する監督者の問題
     監督者の責任図
     人との関係をよくするための基本心得
     個人図
     例、李明の問題、四段階法の紹介
     問題の定義、発生の形態
     カードの配布及び説明
     四段階法及び四つの基本心得
     事実をつかむ事例(第一段階):張強の問題
     言い分や気持ちのつかみ方法
     受講者の問題演習の要求及び説明
     四段階法の復習、医者が患者を診断する場合
     よく考えて決める事例(第二段階):古参者の問題
     よく考えないの結果
     受講者の演習1
     2日目の纏め
  • 3日目(全日):お客様工場
     2日目の復習
     第3,4段階の事例:女子監督者の問題
     変更の影響
     受講者の演習1
     受講者の演習2
     受講者の演習3
     受講者の演習4
     受講者演習のまとめ
     受講者の感想
     監督者と部下以外の人との関係
     全体の纏め
  • フォロー:オンラインサポート(半年)
  • 2018年12月(予定):TWI成果発表交流会
    (東莞にて開催します)

お問い合わせ、お申し込みは下のフォームからお願いいたします。
[contact-form-7 id=”1599″ title=”TWI導入サポート企業募集”]

送信後に「TWI導入サポート」と言う件名のメールが自動送信されます。万が一届かない場合は、迷惑メールフォルダーに入っていないか、登録したメールアドレスが正しいかご確認をお願いいたします。

現場監督職の育成

 中国の生産現場を指導する様になって、20年になる。業種にも依存するだろうが、この間の生産現場における班長の役割が変わってきている様に思う。

90年代は、中国のモノ造りは同一規格大量生産のローコスト生産が主流だった。大量に人を投入し同じモノを作り続ける生産だ。安価な労働力が簡単に集まる環境下で、工程分割を細かくし作業員の熟練に依存しないようなモノ造りを目指した。現場の監督職にも、高度な管理能力は要求されなかった。作業者の中から、筋の良さそうな者を昇格させただけ、昇格時の研修もなし。そんな班長が多かった。

作業は上手にできるが、作業員をどう扱えば良いか分からない。
ミスが多い作業者をどう指導してよいか分からず、コピー用紙に「注意して作業します」と何度も何度も書かせる。
夏休みの臨時工として働きに来ている男子学生にすごまれ、指導ができない。

10年ほど前から、現場監督職のレベルアップが必要だと感じる企業が増えてきた様に思う。班長研修に関する相談が少しずつ増えて来た。

さらに最低賃金の上昇や採用難、市場要求変化などによりますます現場監督職の役割は重くなっている。少ない人数で多品種少量生産を実現しようとすれば、作業員の多能工化が必要になる。せっかく育てた多能工に簡単にやめられては困る。
現場監督職はこのような要求に応えなければならない。

作業員の管理が困難なので生産を自動化したいと言うご要求で、お手伝いした工場が有る。同一規格大量生産であり、検査を自動化できる生産であれば、自動化の投資さえできれば、不可能ではないだろう。

しかし人材の育成を放棄してうまく行く企業が有るとは思えない。
どんな業種・業界であろうと最後は人財力の差で業績が決まる。

そのような業界の要求で、中国でTWI(企業内職業訓練)の導入が始まった。
日本産業訓練協会が中国でTWI公開研修を始めたのは2010年だ。
この辺りが、現場監督職育成の重要性が認識され、実際に育成努力が始まった時期ではないだろうか。

TWI-JR公開研修


このコラムは、2015年10月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第444号に掲載した記事に加筆したものです。

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第二回TWI成果発表交流会

4月15日に第二回TWI成果発表交流会を開催した。

弊社は昨年3月から、日本産業訓練協会認定トレーナによるTWI導入サポートをお客様にご提供している。
サポート企業様の成果発表と交流を目的に、定期的にTWI成果発表交流会を開催している。

第一回TWI成果発表交流会

第二回TWI成果発表交流会では、3社様から成果発表をしていただいた。
成果発表の一部をご紹介する。

■A社様

  • 導入サポートを受け4ヶ月の間に99件の作業分解を実施し、17部の作業標準を改善した。
  • TWI-JIの作業訓練手法を使って延べ153人に作業訓練を実施し、品質・生産効率の向上に貢献出来た。
  • 外観目視検査員の教育訓練に4時間かかっていたが3.3時間に短縮出来た。

■B社様

  • TWI導入後3年間で達成すべき目標を設定し活動している。
    目標:

    品質:顧客クレーム0件
    効率:50%アップ
    納期:遵守率100%
    安全:安全災害0件、設備故障0件

    1年目の成果:

    顧客クレーム1件
    効率10%アップ
    納期遵守率100%
    安全災害、設備故障0件
    その他教育訓練の時間が50%短縮出来た。
  • 指導員の審査を毎年12月に実施することにした。
  • 教育訓練技能を考課要件とし、昇格時要件とした。
  • 作業員への教育訓練により考課加点される。

■C社様

  • 組長は1件/週、段取り工は1件/2週の目標を設定し、191部の作業標準書作成を計画している。
  • 検査作業員の作業を毎日点検記録している。この記録により、作業員の再指導や作業方法の改善が出来る様になった。

また各社のメンバーと食事をしながらの交流会では、
4段階教授の際に、作業ステップの急所の説明が定型化してしまう。
検査作業の点検記録の方法。
など実践時の悩みや、工夫に関して議論が盛り上がった。
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チーム型コミュニティで成長

 今週のテーマに書かせていただいた様に、TWI成果発表交流会を開催出来た。
お手伝いしているお客様と1対1の関係を個別に作るのではなく、お客様同士がチームの様に一緒に切磋琢磨しながら成長して行く。この様なコミュニティを作るのが、独立以来の夢だった。11年目にしてようやく実現出来た。

以前メルマガに書かせていただいた事があるが、チームとグループの違いを私は次の様に定義している。
「チーム」とは、目的と理念を共有しチームへの貢献をコミットしたモチベーションの高い組織。
「グループ」とは、時間と場所を共有しグループへの帰属をコミットしたテンションの高い組織。

「旅」をテーマとすれば、コミックの麦わら海賊団は「ワンピース」を得る事を目的とした「チーム」であり、団体旅行に集まる人々は「グループ」だ。

改善活動を通して人財育成をするために、異業種でチーム型コミュニティを作り、メンバーが相互に切磋琢磨しながら改善を進めるすると言うプログラムを作ったが、参加企業様を集める事が出来なかった(笑)

実はこの発想にはモデルがある。トヨタ生産方式で産業界を活性化しようと言う趣旨のNPS研究会と言う組織が日本にある。異なる業種の会員会社が、チーム型のコミュニティを作り、一緒に生産改善をしている。

NPS研究会

私達は中国で生産活動をさせていただいている。仕事を通して中国人従業員の成長、自己実現を支援することにより、世界中の幸福総和を上げる。これにより自社の業績を上げる事が、私達の使命だと思っている。

TWI交流会により、志しを同じくする仲間が集まることができた。
今回は3社様の集まりだったが、最初の一歩を踏み出すことができた。
懇親会では20人近くの仲間とテーブルを囲み心が熱くなった。
懇親会中締め後も語り合い、気が付いたらレストランの従業員はすでに誰もいなかった(笑)

5年後には100人規模の交流会を開催する事を目標に、これからも頑張って行くつもりだ。


このコラムは、メールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】に掲載した物です。
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