月別アーカイブ: 2019年10月

女工さん不足

 「世界金融危機」に端を発して中国の失業率がジワリと上昇しているといろいろなメディアで報道されている.
確かに学校を出て職にありつけない学歴人材もある.特に日系大手が駐在員を帰国させているため,日本語人材が過剰気味になっているようだ.日本語プラスアルファの能力がない人たちは苦戦をしている.

しかし作業員の状況は違っている.

受注が増え始めている工場が作業員確保に奔走しているが,思い通りに集まっていないという話をよく聞く.
私のところにまで作業員をどこかで確保できないかという話が来る.少数精鋭のモノ造りに転換しましょうと常々言っている私のところに相談に来るのだから,よっぽど困っておられるのだろうと察している.

ほんの10年前まで農村地帯から出稼ぎに来る女工さんたちは,無限の資源のように思えた.作業員が必要ならば,工場の門に募集の赤紙を張り出せば翌朝には長蛇の列が門前に並んだ.そんな光景がものすごく昔のことのように感じる.

ではなぜ女工さんがいなくなってしまったのか?
豊かになった都市部ではどんどん第三次産業が増えてきている.この第三次産業が出稼ぎの女工さんたちを飲み込んでしまっているというのが,私の分析であった.

今年下半期は広東省の求人の半数が第三次産業のものになるという予測も地元新聞で報道されていた.工場で苦労して働くよりは,きれいな洋服を着て売り子さんやレストランで働いたほうが楽かもしれない.

しかし先日私が尊敬する工場経営者と話しをしていて目からうろこが落ちた.
彼の仮説によると,開放改革以来30年経ち農村部からの出稼ぎ女工さんが「第二世代」になっているのが原因だという.

つまり2,30年前に出稼ぎに来て当時の劣悪な労働環境で苦労した「第一世代」の女工さんたちが,田舎に帰りその娘が出稼ぎ適齢期になっているというのだ.

農村部と沿岸地区の生活格差が大きいとはいえ,そのころの農村部の生活と比べれば格段に改善されている.わずかばかりの仕送りに期待してかわいい娘を都会に送り出す母親はいないというわけだ.

これは一理ある.
わずかではあるが私の周りにいる地方出身の若者に聞いてみると,母親が以前都会に出稼ぎに来ていた人はいなかった.

報道やデータを鵜呑みにすると,間違った判断をしてしまう.
人々の「心」や「気持ち」を理解しなければ正しい判断はできないだろう.


このコラムは、2009年10月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第121号に掲載した記事に加筆したものです。

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中国華南の景気

 よく利用している白タクの運転手さんが「もう金融危機の影響はなくなったよね」と話しかけてきた.

彼は道の混み具合で景気の動向を計っているようだ.
最近はコンテナ車が多くなり道が混んで来たと言うのだ.
それぞれに自分なりの視点で世の中の動向を感じ取っているのだろう.

日本では失業率や有効求人倍率などから見ると,まだまだ不景気から脱しきれていないようだ.

同じ観点で中国華南の景気を見るとちょっと違和感を感じる.
世の中では「世界金融危機」といわれていたころから,作業員を集めにくくなっているという声をいろいろな場所で聞いている.

いま少し景気がよくなってきている時点ではさらにその声が大きくなってきた.
先日も知り合いの経営者から,どこかに作業員は余っていないかと相談を受けた.

作業員を集め切れなくて,人材派遣会社に多額のマージンを支払って集めている工場もあるほどだ.

あれだけたくさんいた工員さんたちはどこへ行ってしまったのか?

景気が悪くなり,田舎に帰った工員さんたちは都会に出てくるのを様子見している.余っていた工員さんの大部分が自動車関連工場に吸収されてしまった.
などなどいろいろな憶測が飛び交っているが,実は第三次産業に人材が流れ始めているというのが正解ではなかろうかと思っている.

内陸部の安くて良質な労働力で世界の工場として発展した華南であるが,ジワリと製造業離れが始まっているような気がしてならない.

先進国の発展過程を見ても,遅かれ早かれその流れは間違いなく来る.少人数でのフレキシブルなモノ造りに早くシフトしてゆかないと苦しくなるだろう.
受注量が増え始めた今を乗り切るために作業員をかき集めることも必要だが,生産改革に向けてまず一歩を踏み出すべき時期だと考えている.


このコラムは、2009年8月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第114号に掲載した記事に加筆したものです。

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トヨタ、ヴィッツ8万台リコール 窓開け閉めで不具合

 トヨタ自動車は21日、乗用車ヴィッツ8万2226台(05年1月~8月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。運転席のドアにある窓を開け閉めする電気スイッチの内部がショートして、窓の開閉が
できなくなる恐れがある。これまでに32件の不具合が報告され、08年11月には、島根県でスイッチから発火した事案もあった。けが人はなかった。

(asahi.comより)

 トヨタがおかしい.
この8月にトヨタは中国市場で窓の開閉スイッチの不具合によりヤリスを含む68.8万台のリコールをしたばかりだ.

「トヨタ、中国で乗用車68万台をリコール 窓の開閉装置に不具合」

ヤリスは名前が違ってもヴィッツそのものだ.中国でリコールを発表して2ヶ月経ってから日本国内で回収を発表している.しかも中国で回収対象となっている他の車種,カムリ,カローラ,ビオスについては記事には何も触れられていない.

市場での発煙事故から14ヶ月かかっての回収発表だ.

国内市場向けの車は国内で生産しているだろうから,問題のスイッチメーカは中国で回収対象となったメーカとは違う可能性もある.しかし68.8万台の回収事故に対して,水平展開が図られなかったのだろうか.

簡単な事だ.
スイッチの故障モードに対してFMEAを全車種に展開すれば良いだけだ.
検査容易度:スイッチベンダー,工程内でのこの不良モード検出度
故障率:この不良モードの予測故障率
影響度:この不良モードが完成車の運転に与える影響度

 パワーウィンドウが開閉できなくなったとしても,重大な影響はないと考えてはだめだ.運転手がパワーウィンドウに気を取られて運転ミスをすれば即人身事故につながる.これは完成車メーカが一番良く知っているはずだ.

この評価を使用しているスイッチの構造,製造方法ごとに実施すれば,どの車種が危ないかすぐに分かったはずだ.

トヨタはモノ造りに関しては自動車産業を超えて世界中の企業から尊敬・研究の対象となっている.
そのモノ造りの根底にあるのが「顧客中心主義」「品質第一の心」だと理解している.
最近立て続けに発生した回収問題が,トヨタ崩壊の予兆でないことを祈るばかりだ.

このような大きな回収問題を発生させても,まだ生き残っているのはトヨタという強い体力を持った大企業だからだ.中堅・中小企業ならばひとたまりもない.

設計段階,生産移行段階から安全レビューを実施するなど予防保全的な仕組みを構築する必要がある.


このコラムは、2009年10月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第122号に掲載した記事に加筆したものです。

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トヨタ、中国で乗用車68万台をリコール 窓の開閉装置に不具合

 トヨタ自動車は24日、中国で乗用車約68万8000台をリコールしたことを明らかにした。窓の開閉スイッチに不具合があり、熱が発生して部品が損傷する可能性があるという。リコールは現地時間23日の11時に発表した。

 リコールの対象となったのはカムリ、ヤリス、カローラ、ビオスの一部。同社広報によると、窓ガラスの開閉スイッチ設定部にグリースが多く塗布されたことが原因。

(NIKKEI NETより)

 東莞市ローカルタブロイド紙の25日付記事でリコールを知った.68.8万台のリコールというのは中国でも最大規模の回収となった.

スイッチ部分にグリースを塗布するというのが理解できない.
グリース類はスイッチハウジング,ノブなどのプラスチックに悪影響を与え,比較的短期間でプラスチック部品がクレージング破壊を起こす.プラスチック部品やその近くに潤滑油などの油脂を塗布することはまれだ.どうしても必要な場合は,耐クレージング性の高いPOMなどの材料を使用する.
中国ではパワーウインドウの開閉ができなくなっているタクシーにしばしば乗り合わせる.窓の開閉不良など致命故障ではないという考え方だろうか.
後部座席の左側扉が内部から開閉できず,運転手に右から下りろと言われたこともある.

中国の国産車がこの程度の品質なので,故障に対しては比較的寛大な受け止め方をしているように感じる.

日本車は販売価格が高くても,故障が少ないので維持費を含めた総コストは日本車のほうが安くなる.と多くの人が信じているようだ.

今回のリコールに対する地元紙の論調は,「サービスセンターに持ち込めば15分もあればただで修理してくれる」と友好的な記事になっている.今のところ一時期の日本製品バッシングのような動きはなさそうだ.

下手に隠し立てなどするとこうは行かないだろう.
品質保証は「正直が一番」というのが私の信条だ.


このコラムは、2009年8月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第114号に掲載した記事に加筆したものです。

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「Galaxy Fold」発売延期

 米国時間4月22日、またしてもサムスンの折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」に関する悪い知らせが飛び込んできた。同製品をめぐっては先週、早期に生産されたレビュー用端末の画面が破損するという報告が複数寄せられていた。サムスンは、26日に予定していた同製品の発売を延期することを認め、「数週間のうちに」新しい発売日を発表すると述べた。

 「ディスプレイについて報告された問題を検査したところ、ヒンジの上下の露出部分における衝撃が関係している可能性があることがまずわかった。端末内部の物質がディスプレイの表示性能に影響していたケースもあった」と、サムスンは声明で述べた。「このフィードバックを十分に評価し、さらなる社内テストを実施するために、Galaxy Foldの発売を延期することにした」(サムスン)

 同社は、このデバイスを予約注文していたユーザーに電子メールを送り、「2週間以内に、より具体的な出荷情報」を通知すると述べた。出荷されるまでは端末代金がユーザーから徴収されることはなく、気が変わった場合は、出荷前ならば注文をキャンセルすることができる。

(CNET Japan より)

 「折りたためるディスプレイ」という驚きをもって迎えられたサムスンのGalaxy Foldの落胆ニュースだ。

発端はレビュー用にメディアに配布したサンプル機のディスプレイ故障だ。サムスンはサンプル機の故障に関して以下のように言っている。
“何人かのデバイスは可能な限り最高のユーザーエクスペリエンスを保証するために、Galaxy Foldがさらなる改善を必要としていることを我々に示してくれました。このフィードバックを十分に評価し、内部テストを実行するために、Galaxy Foldの発売を延期することにしました。”

プロトタイプを展示会などで発表することはありうるだろう。しかし発売日を決定して発表した商品で、このような事例はお粗末としか言いようがない。

当然4月26日発売の初ロット生産前に、製品の信頼性評価、妥当性評価は完了していたはずだ。

折りたたみ式ディスプレイという新技術を搭載したスマホであれば、折りたたみ耐久評価が完了していなければならない。例えば商品の耐用年数3年、1日の折りたたみ回数を10回と定義すれば、10,000回程度の開閉評価をすれば分かることだ。つまり1秒に1回開閉する検査機を作れば約3時間もあれば評価可能だ。

またユーザが保護フィルムを誤って剥がしてしまう事が,故障原因の一つであると言っているが、こういう問題を事前に洗い出す事が「妥当性評価」だ。

開発の立場で考えれば、いち早く市場に投入して業績に貢献したいと考える。
しかし品質保証の立場で考えると、顧客利益を守る(品質損失を最小限にする)ために必要な手続きを踏みたいと考える。どちらが良い、悪いということではないと思うが、どちらを優先するかが企業文化であり、それを評価するのは消費者だ。


このコラムは、2019年5月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第820号に掲載した記事に加筆したものです。

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坦として蕩蕩

yuējūntǎndàngdàng(1)xiǎoréncháng(2)

《论语》述而第七-37

(1)坦荡荡:心おだやかにゆったりしている。
(2)长戚戚:心に憂いがあり煩悶する。

素読文:
わく:“君子はたんとして蕩蕩とうとうたり。小人はとこしなえに戚戚せきせきたり。”

解釈:
君子は問題や悩み事に心を乱されることはない。問題や悩みは課題に過ぎない。課題は解決すれば良いだけだ。
小人は問題や悩み事に心をとらわれてしまうので、問題や悩みは解決できない。いつまでも煩悶は無くならない。

インプットとアウトプット

 中国の工場を見ていると,経営幹部がインプットとアウトプットしか見ていない様に思える局面にしばしば出会う.

経営的にはアウトプット(売上)からインプット(投入コスト)を差し引いたものが利益になるわけだから,経営幹部としてインプットとアウトプットを見ていることは間違いではない.

インプットから予定通りのアウトプットが出ていないので是正したい.
インプットを減らしアウトプットを増やしたい.
というのが日々のオペレーションであろう.

しかしこれらの課題は,インプットとアウトプットを見ていても解決方法は見つからない.それらを結ぶプロセスをしっかり見据えなければならない.

インプットとアウトプットを管理するのではなく.
インプットとアウトプットでプロセスを管理すべきだ.
「を」と「で」の違いは大きい.

先日ある工場で,完成品をコンベアに流して梱包を開け再梱包をしているのを見た.現場のリーダに聞くと倉庫にあった製品を出荷するために再点検をしているという.
機能検査をするわけでもなく,外観検査をするわけでもない.ただ梱包箱から出して「点検」をしてまた再梱包をしているだけだ.

このプロセスを見れば,無駄な作業をしているのは一目瞭然だ.しかし経営幹部は入りと出しか見ていないのでこの無駄に気がついていない.

この工場はまとめて作れば効率が良いという考えから抜けられないでいる.何度経営者を説得してもだめだ.それには理由がある.本社指示通りに生産していれば,出荷しなくても生産した分だけ工場にお金が入ってくるようになっているのだ.

そのためこの工場の倉庫は三階までびっしりと製品が並んでいる.
新たに出荷するために生産した物(これも一気に大量に作ってしまう)は置く場所がなく生産現場のそこかしこにおいてある.

明らかに作りすぎの無駄である.

工場が潤っていても本社が在庫の金利負担や,売れなくなった製品の廃却負担が増せば共倒れになることは目に見えている.「部分最適」しか見えていない工場経営者に理解してもらうのは困難だ.


このコラムは、2009年8月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第114号に掲載した記事に加筆したものです。

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三菱重工製エアコン6機種に発火などの恐れ

 経済産業省は21日、三菱重工業製のエアコン室外機が焼ける火災が6月に鳥取県と愛知県で起きたと発表した。同社は経年劣化による発煙・発火の恐れがあるとして、76~81年に製造された一部機種について使用を中止するよう呼び掛けている。

(asahi.comより)

 この記事だけでは,原因が何かまったく分からない.
一般の消費者に対しては,事故の可能性があることを知らせ注意を喚起すれば十分だろう.しかし「当事者」になってしまう可能性があるものづくりに関連している人たちには,不十分だ.事故の原因を知らせ,水平展開を図る情報提供があってもよいだろう.

ということで製品評価技術基盤機構(NITE)のホームページで類似の事故を調べてみた.以下の事故情報がヒットした.

  • 事故内容:エアコンを使用中、突然ブレーカーが落ちた。
  • 事故原因:室外機の内部配線が、冷媒配管と防音材に挟まれていたため、運転中の振動により配線の被覆が摩耗し、露出した芯線が配管に触れて漏電したものと推定される。

ここまで書いてあると,この情報から「未然防止対策」を考えることができる.
具体的には内部配線の経路や固定方法を検討する際の「べからず集」を作ることができる.

さらにこの事故を抽象化して適用範囲を広げる.

「出荷後の動作環境で発生する絶縁不良」という抽象化をすれば,ケーブルによる配線だけではなくプリント基板の配線パターンとプリント基板上に実装された金属部品間の接触も考慮の範囲になる.

また「出荷後の動作環境」は振動による機械的磨耗だけではなく,経年変化による絶縁材料の劣化も対象になる.

高い勉強代(不具合損失)を支払う前に,他山の石を徹底的に学習するのがよいだろう.


このコラムは、2009年8月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第113号に掲載した記事に加筆したものです。

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LG洗濯乾燥機から出火、さらに2件 リコール公表後

 LGエレクトロニクス社製のドラム式洗濯乾燥機から出火する火災が、7月に東京都内で2件発生したことが、東京消防庁の調査でわかった。同型機は3件の火災が起きたとしてリコール(無償交換)されたが、今回の2件はいずれもその後に起きた。これまで回収できたのは販売台数の4分の1にとどまる。同庁は「重大な火災につながるおそれがあり、使用をやめて早く交換を」と呼びかけている。

 同庁によると、7月28日午前10時ごろ、豊島区のマンション1階の部屋で、同型機やブレーカーが焼け、周囲の壁も焦げた。29日午前11時ごろには、台東区のビル1階の診療所で、同型機が焼けた。いずれも接続不良から過大な電気抵抗が生じて発火したという。

(asahi.comより)

 事故写真を見ると洗濯機の操作パネルの部分が激しく焼損している.記事では「接続不良」としか書いていないが,コネクタ部分の接触不良,ケーブルとコネクタのカシメ部分の接触不良,半田クリープによる半田接合点の接触不良などが考えられる.

いずれも工場の製品検査では発見できない厄介な不良である.

接続部分に接触不良が発生すると,接触抵抗(r)が大きくなる.接触抵抗が大きくなるとそこに流れる電流(I)によってr×I^2の電力損失が発生する.この電力損失はほとんどが熱になる.

この場合動作電圧が低ければ接続部分に流れる電流は大きくなり,接続不良による電力損失=発熱も大きくなってしまう.したがって5Vとか3Vの低圧回路のほうが危険な場合が多い.回路電圧が低くても危険な場合もある。

難燃材料を使っていても安心はできない.
空気を遮断した状態で加熱が続くとプラスチックは徐々に炭化して行き,最終的には発煙・発火時を起こす.
火災につながる重大不良である.
製品検査で発見しにくくとも,製品保証をする必要がある.
設計による保証.製造方法による保証が必要だ.


このコラムは、2009年8月17日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第112号に掲載した記事に加筆したものです。

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リーダの育成

今週配信のメルマガ第543号「相互学習支援」に読者様からメッセージをいただいた。

※K様のメッセージ
 私も改善コンサルタントを行なっており、同様の悩みを日々感じています。
過去に質問術とか色々と考えてもらう指導を経験して来ましたが、これもあるレベルの到達していないと難しいことも教えられました。
お客さんのレベル(自分のレベル)をあげていただけるためにどうしたらいいのか悩む日々を送っています。
今後も勉強させていただきます。

同業者様からのメッセージだ。
指導対象のレベルを上げるためには、指導者自身のレベルを上げなければならない。非常に真っ当なお考えだと思う。

まれに「うちの従業員はレベルが低くて」とこぼされる経営幹部がおられる。「レベルが低い」というのは従業員の問題ではなく、経営幹部の課題である事に気がつかれると良いと思う。

質問(以前メルマガで書いたが「発問」といったほうがいいだろう)によって相手に気づきを与えるためには、指導者は「発問能力」を高める訓練を積む必要がある。

以前のメルマガ記事「答えのない質問」

同様に相互学習支援が発生するように「場のエネルギー」を高める必要がある。

コンサルタントのように、外部の人間が顧客企業の従業員を動かして、成果を出すためには何をしなければならないか?どうやれば上手くゆくのか?
私は日々こういうことを考えている。多分K様も同様なのだろう。


このコラムは、2017年8月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第545号に掲載した記事に加筆したものです。

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