のぞみ34号トラブル


 メルマガ第607号(2017年12月27日配信)でのぞみ34号の車両台車に亀裂が入るという重大インシデントについて考えた。

「運行停止判断、なぜ遅れた? 「のぞみ34号」トラブル」

本件重大インシデントに対する再発防止策をJR西日本は1月に発表している。
先週末有識者会議は対策の有効性検証結果を発表している。
明らかな兆候がありながら、運行を止められなかった人的要因を以下のように分析している。

  • 担当社員、車掌らのコミュニケーション不足。
  • 意識や価値観を定着させるためには経営トップ層が継続的に発信し続けていく必要がある。
  • トップの安全への関与が弱い。もっと安全にコミットすべき。
  • 運行中に異常事象が発生した場合「列車を迷わず止める」と対処ルールを変更した点は即効性のある対策だが、全ての事象に対応できるものではない。
  • 社員 の力量を高める取り組みとともに、ルールの適時見直しが必要。

有識者会議は以下の提言をしている。

  1. 新幹線部門への物的・人的リソースの投入
  2. 未知のリスクに対する対応力
  3. 車両保守担当社員や指令員など新幹線の安全運行にかかわる社員のスキルアップ
  4. 新幹線車両の異常に対して感知可能な技術的手段の開発・導入
  5. 車両等に関する事項

まだ発生していない未知のリスクは、失敗から学ぶことはできない。
しかし未知のリスク、潜在リスクを洗い出すことはできるはずだ。他社の失敗事例、異業種の失敗事例から学ぶことができる。
失敗事例だけでなく、成功事例の成功要因からも学ぶことができるはずだ。

異なる経験年数の職員、異なる職場の職員がチームになり上記のような議題で定期的に勉強会をする。こういう取り組みが、縦横のコミュニケーションの量と質を上げ、組織が活性化するはずだ。

クラック発生の本質原因に関しては、台車の側バリと呼ばれる構造体に問題があったようだ。
平面度が必要な部分が溶接で接合されている。現場で組み立てる際に平面度を出すために研磨する必要がある。今回の事故車両は過度に研磨されており、強度不足でクラックが入ったようだ。

私は機構設計に関しては素人だが、これは設計不良と思える。
平面度に影響が無い面で溶接接合をすべきだ。
現行の車両を速やかに全数検査し、定期点検項目に追加しなければ同様の事故が再発するだろう。


このコラムは、2018年4月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第649号に掲載した記事に加筆したものです。

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