カテゴリー別アーカイブ: 経営

失敗しないとダメ

――リチウムイオン電池の開発に入る前に三つの研究をしていた。その三つの失敗が成功につながった?

 「今日の講義の中でもその話をしました。失敗しないと絶対に成功はありませんよ、と。企業での基礎研究は、1人で2年くらいやる。見込みがあるかどうかみて、ないとなると次に行く。3番目までは見事に失敗しました。
4番目はリチウムイオン電池。それぞれ失敗した理由はある。失敗を生かした。失敗しないとダメだと思う」

朝日新聞より

 ノーベル賞受賞受賞決定後、名城大学で吉野彰教授が記念講義をされた。
その後の記者会見で上記のように答えておられる。

人は失敗しようとして失敗をしているわけではない。もちろん成功を目指している。当然未知のことに挑戦をしているのだから、失敗はする。しかしその失敗は成功するための失敗だ。失敗の原因を調べ再挑戦する。したがってこの失敗は成功のための失敗となる。つまり成功の過程にある失敗は、ほんとうの失敗ではなく、上手くゆかない方法の発見であり、成功への一歩だ。

本当の失敗とは、挑戦を諦めることである。


このコラムは、2019年11月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第901号に掲載した記事に加筆しました。

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人財品質

 品質月間に合わせ「設計品質」「製造品質」について考えてみた。最後に「人財品質」について考えてみたい。「人の品質」という言葉は奇異な印象を与えるだろう。「人質」という言葉もしっくりしないかも知れない。
企業活動における人のバフォーマンス、とでも理解すれば良かろうか。この定義で人財品質を考えると次の様な式を思いつく。

企業業績=a×全従業員の人財品質の総和×b×その他の経営因子
人財品質=能力×意欲×cosθ

企業業績は全従業員の人財品質の総和と、経営因子(商品力、不景気・好景気などの経営経営で制御できる因、制御できない因子)の掛け算で求められるのではなかろうか。

人財品質は能力と意欲はかけ算と考えるのが妥当だろう。つまり能力が高くても意欲が0ならば、業績に貢献する事はない。逆も然り、意欲ばかりあっても能力がなければ業績貢献は低い。
θは角度を表す数値で、企業が目指す方向と個人の方向の差異をさす。
つまり企業が目指す方向と個人の仕事に対する方向性が一致すれば、θは0°、cosθは1(最大値)となる。この様な人が「人財」と呼ばれる。

企業の方向性と個人の方向性に差異があれば、cosθの値は小さくなり、90°でcosθは0となる。つまり業績に何ら貢献をしない。こういう人を「人在」という。いるだけという意味だ。

θが180°、すなわち企業の目指す方向と個人の方向性が逆向きの場合、cosθは-1となり、業績に負の貢献を与える事になる。こういう人を「人罪」という。業績に害を与える存在となる。

マネジメントの仕事は人を活用し業績を出す事、と考えれば、管理職は部下の能力と意欲を高め,組織に方針を徹底する事が仕事だ。

つまり業績が悪いのは部下のせいではなく、管理職のマネジメントの問題だ。

元々人財品質が高い、もしくは人財品質を高めやすい人はいる。こういう人を「素質」がある人、というのだろう。素質がある人を採用し、人財となる様に育成する事が管理職の仕事だ。

素質の高い人とはどういう人か。私は「3K人材」だと思っている。「3K職場」の「3K」ではない。
好奇心。
向上心。
貢献心。
の3K心を持っている人を素質が高い人だと考えている。

好奇心、向上心が高ければ、能力や意欲を高めやすい。貢献心があれば,方針に対するぶれ(θ)を小さく出来る。

人財品質の根源はこの「3K」だと思うのだがいかがだろう。

こちらもご参考に
設計品質
製造品質


このコラムは、2016年11月28日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第504号に掲載した記事に加筆しました。

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無駄を許容する

 青森県沖で訓練中の航空自衛隊機が墜落した。メルマガ執筆時、パイロットは依然行方不明であり、事故原因も不明だ。「レーダーから機影が消えた」という報道があるが、ステルス機がレーダーで捕捉できるのだろうか?墜落の原因は何か?など知りたいことは多くあるが、軍用機なのでその性能や弱点などを含む情報が公開されることはないだろう。

今日は事故原因からではなく、別の角度でこの事故を考えて見たいと思う。

航空自衛隊は、次期防衛戦闘機としてF35を導入することを決めているようだ。すでに150機ほど納入済み(あるいは納入決定)らしい。保守・修理を考えれば、すべて同型機で揃えるのが常識だろう。

整備・修理用の保守部品、機材、修理・メンテナンス中の予備機などの準備は同一機で運用する方が経済効果が高いはずだ。更に整備・修理工やパイロットも単一機とした方が育成コストが安く済む。

しかしもう少し踏み込んで考えると、揃えた戦闘機に致命的な欠陥が発見されると、代替えで運用できる戦闘機は無くなる。過去のF15が再登板する事になれば、戦闘時に性能的に劣勢になるかもしれない。軍備は相手と拮抗している事により「抑止力」となる。明らかに劣勢であれば、捨て身で本当に戦うことになる。

これは工場も同じだろう。同型の設備に統一しておけば、保守・修理などの運用コストは抑えられるが、その設備に固有な致命的問題が発生すれば生産が止まってしまうリスクがある。

組織も同様だと思う。
アリは働き者だという認識が一般的だが、実は一定割合でサボるアリがいる、という研究結果がある。その不埒なアリを集団から排除してしまうと、別のアリが働かなくなり、怠け者のアリの比率は一定となるそうだ。

全てのアリが休む事なく働き続ければ、多くのアリが疲れ切り集団の存続が危うくなる。「種の保存」原理が働いているのではなかろうか?
人間も、効率ばかり優先する集団より、無駄を許容する集団の方が、生産性や創造性が高くなるのではなかろうか?


このコラムは、2019年4月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第810号に掲載した記事に加筆・修正したものです。

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不立文字

 りゅうもんとは禅宗の教義を表す言葉で、文字や言葉による教義の伝達のほかに、体験によって伝えるものこそ真髄であるという意味。

通常私たちは,文字や言葉を使って他人とコミュニケーションをしている。
しかし相手に伝わる情報は言葉よりも、表情、仕草などの言葉以外の要素によるところが多いと言われている。口角を上げる、ウィンクをする、親指を立てる。こういった仕草が言葉以上の情報を相手に伝えることもある。

しかし不立文字で得る情報は,相手の感情ではなく禅宗の教義だ。単純な事柄ではない。言葉を使わずに禅宗の教義を理解することができるのだろうか?

禅宗には「只管打坐」という言葉がある。真理を会得するためには教えを請うのではなくひたすら坐禅をせよ、という意味だ。

真理とは何かを百言を費やしても理解できないであろう。だからこそ不立文字であり只管打坐なのではなかろうか?

百言を費やして説き教えるよりは、自ら体験することで理解させる。
このように簡単に言葉にしてしまうと、ありがたみがなくなるが(笑)
「教える」とは、体験を通して自ら理解させることではないだろうか。


このコラムは、2019年9月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第870号に掲載した記事に加筆したものです。

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続・女工さん不足

先週の「女工さん不足」の記事に読者様からメッセージをいただいた.

K様のメッセージ

今回の記事の女工さん不足の件ですが、湖北省・武漢の近くの出身者が言っていましたが、最近、武漢に多くの企業が進出したそうです。

華南のそれに比べて若干の給料差はあるようですが、ほぼ地元で収入を得られるためにわざわざ華南地区まで出稼ぎに来なくても良いという子が増えているとのこと。

当然親もバスに乗ればすぐに帰ってこられる地元が安心できるでしょう。

今までは内陸部に工場が少なく、沿岸部まで出稼ぎというパターンでしたがアパレルやおもちゃでしょうか、人件費の高騰に音を上げ内陸部に移設しているという話を聞きましたが、この関係も大きいと思います。

華南の人手不足は続くと思います。

K様メッセージありがとうございます.
ご指摘のとおり,内陸部に農村の余剰労働力を受け入れる受け皿が増えている.

90年代末ころ東莞の新聞に重慶(だったと思う)の工場の人材募集広告が出ていた.東莞と同じ条件で採用する,という広告だった.当時はまだ工場の前に人材募集の赤紙を貼ればいくらでも応募者が並んだのでそれほど脅威には思わなかった.

それがあっという間に女工さんが雇えなくなり,工場の中に男子工員が増え始めた.業種によっては男子工員のほうが良いのだが,電子部品の組立てのように細かい作業はやはり女子工員のほうが忍耐強く作業をしてくれる.

当時女工さんがずらりと並んだ工場を見てオートメーションをもじって「乙女ーション」といっていたのが懐かしい.今では男子工員の数が目立つ.

従業員の数だけではなく,質も変わってきた.
中国では若い人たちの気質の変化を「80后」(’80年以降生まれ)「90后」と表現する.
親の生活を支えるため,弟,妹の学費を稼ぐために農村から出てきた女工さんたちは「苦役」に耐え,田舎に帰ることを夢に見て働いた.

しかし最近では,都会の生活にあこがれて出てくる若者が増えているように見える.

工場を見ていても作業員が携帯電話を持っている.太った若者が増えてきた.
残業を喜ばない者が増えてきた.工場が街から離れているという不満が出る.
90年代後半にはなかった現象だ.

この流れは国の発展に伴う必然の変化だろう.日本の歴史を見れば明白だ.

ではもう華南地区で工場経営を維持するのは不可能なのだろうか.今までどおり多くの女工さんを集め苦役に耐えながら作業をさせるという考え方を変えなければ,工場経営の未来はないだろう.

若者の気質の変化は考えようによっては,都合の良い変化だ.
「苦役に耐える覚悟」を持って出てきた若者はやがて疲れて故郷に帰ってゆく.しかし「都会に対する憧れ」をもって出てきた若者は指導の仕方で,憧れを夢に,夢を現実に変えるため仕事を通して自己成長を遂げるだろう.

こういうモチベーションの高い若者を正しく導き,少数精鋭で高品質・高付加価値・高フレキシビリティなモノ造りに転換してゆけば,激しいコスト競争の外側で経営ができるはずだ.

時代の流れは変えられない.
変えられないことを嘆くよりは,自ら変えられるところに注力すべきだ.


このコラムは、2009年10月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第122号に掲載した記事に加筆したものです。

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女工さん不足

 「世界金融危機」に端を発して中国の失業率がジワリと上昇しているといろいろなメディアで報道されている.
確かに学校を出て職にありつけない学歴人材もある.特に日系大手が駐在員を帰国させているため,日本語人材が過剰気味になっているようだ.日本語プラスアルファの能力がない人たちは苦戦をしている.

しかし作業員の状況は違っている.

受注が増え始めている工場が作業員確保に奔走しているが,思い通りに集まっていないという話をよく聞く.
私のところにまで作業員をどこかで確保できないかという話が来る.少数精鋭のモノ造りに転換しましょうと常々言っている私のところに相談に来るのだから,よっぽど困っておられるのだろうと察している.

ほんの10年前まで農村地帯から出稼ぎに来る女工さんたちは,無限の資源のように思えた.作業員が必要ならば,工場の門に募集の赤紙を張り出せば翌朝には長蛇の列が門前に並んだ.そんな光景がものすごく昔のことのように感じる.

ではなぜ女工さんがいなくなってしまったのか?
豊かになった都市部ではどんどん第三次産業が増えてきている.この第三次産業が出稼ぎの女工さんたちを飲み込んでしまっているというのが,私の分析であった.

今年下半期は広東省の求人の半数が第三次産業のものになるという予測も地元新聞で報道されていた.工場で苦労して働くよりは,きれいな洋服を着て売り子さんやレストランで働いたほうが楽かもしれない.

しかし先日私が尊敬する工場経営者と話しをしていて目からうろこが落ちた.
彼の仮説によると,開放改革以来30年経ち農村部からの出稼ぎ女工さんが「第二世代」になっているのが原因だという.

つまり2,30年前に出稼ぎに来て当時の劣悪な労働環境で苦労した「第一世代」の女工さんたちが,田舎に帰りその娘が出稼ぎ適齢期になっているというのだ.

農村部と沿岸地区の生活格差が大きいとはいえ,そのころの農村部の生活と比べれば格段に改善されている.わずかばかりの仕送りに期待してかわいい娘を都会に送り出す母親はいないというわけだ.

これは一理ある.
わずかではあるが私の周りにいる地方出身の若者に聞いてみると,母親が以前都会に出稼ぎに来ていた人はいなかった.

報道やデータを鵜呑みにすると,間違った判断をしてしまう.
人々の「心」や「気持ち」を理解しなければ正しい判断はできないだろう.


このコラムは、2009年10月19日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第121号に掲載した記事に加筆したものです。

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中国華南の景気

 よく利用している白タクの運転手さんが「もう金融危機の影響はなくなったよね」と話しかけてきた.

彼は道の混み具合で景気の動向を計っているようだ.
最近はコンテナ車が多くなり道が混んで来たと言うのだ.
それぞれに自分なりの視点で世の中の動向を感じ取っているのだろう.

日本では失業率や有効求人倍率などから見ると,まだまだ不景気から脱しきれていないようだ.

同じ観点で中国華南の景気を見るとちょっと違和感を感じる.
世の中では「世界金融危機」といわれていたころから,作業員を集めにくくなっているという声をいろいろな場所で聞いている.

いま少し景気がよくなってきている時点ではさらにその声が大きくなってきた.
先日も知り合いの経営者から,どこかに作業員は余っていないかと相談を受けた.

作業員を集め切れなくて,人材派遣会社に多額のマージンを支払って集めている工場もあるほどだ.

あれだけたくさんいた工員さんたちはどこへ行ってしまったのか?

景気が悪くなり,田舎に帰った工員さんたちは都会に出てくるのを様子見している.余っていた工員さんの大部分が自動車関連工場に吸収されてしまった.
などなどいろいろな憶測が飛び交っているが,実は第三次産業に人材が流れ始めているというのが正解ではなかろうかと思っている.

内陸部の安くて良質な労働力で世界の工場として発展した華南であるが,ジワリと製造業離れが始まっているような気がしてならない.

先進国の発展過程を見ても,遅かれ早かれその流れは間違いなく来る.少人数でのフレキシブルなモノ造りに早くシフトしてゆかないと苦しくなるだろう.
受注量が増え始めた今を乗り切るために作業員をかき集めることも必要だが,生産改革に向けてまず一歩を踏み出すべき時期だと考えている.


このコラムは、2009年8月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第114号に掲載した記事に加筆したものです。

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インプットとアウトプット

 中国の工場を見ていると,経営幹部がインプットとアウトプットしか見ていない様に思える局面にしばしば出会う.

経営的にはアウトプット(売上)からインプット(投入コスト)を差し引いたものが利益になるわけだから,経営幹部としてインプットとアウトプットを見ていることは間違いではない.

インプットから予定通りのアウトプットが出ていないので是正したい.
インプットを減らしアウトプットを増やしたい.
というのが日々のオペレーションであろう.

しかしこれらの課題は,インプットとアウトプットを見ていても解決方法は見つからない.それらを結ぶプロセスをしっかり見据えなければならない.

インプットとアウトプットを管理するのではなく.
インプットとアウトプットでプロセスを管理すべきだ.
「を」と「で」の違いは大きい.

先日ある工場で,完成品をコンベアに流して梱包を開け再梱包をしているのを見た.現場のリーダに聞くと倉庫にあった製品を出荷するために再点検をしているという.
機能検査をするわけでもなく,外観検査をするわけでもない.ただ梱包箱から出して「点検」をしてまた再梱包をしているだけだ.

このプロセスを見れば,無駄な作業をしているのは一目瞭然だ.しかし経営幹部は入りと出しか見ていないのでこの無駄に気がついていない.

この工場はまとめて作れば効率が良いという考えから抜けられないでいる.何度経営者を説得してもだめだ.それには理由がある.本社指示通りに生産していれば,出荷しなくても生産した分だけ工場にお金が入ってくるようになっているのだ.

そのためこの工場の倉庫は三階までびっしりと製品が並んでいる.
新たに出荷するために生産した物(これも一気に大量に作ってしまう)は置く場所がなく生産現場のそこかしこにおいてある.

明らかに作りすぎの無駄である.

工場が潤っていても本社が在庫の金利負担や,売れなくなった製品の廃却負担が増せば共倒れになることは目に見えている.「部分最適」しか見えていない工場経営者に理解してもらうのは困難だ.


このコラムは、2009年8月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第114号に掲載した記事に加筆したものです。

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リーダの育成

今週配信のメルマガ第543号「相互学習支援」に読者様からメッセージをいただいた。

※K様のメッセージ
 私も改善コンサルタントを行なっており、同様の悩みを日々感じています。
過去に質問術とか色々と考えてもらう指導を経験して来ましたが、これもあるレベルの到達していないと難しいことも教えられました。
お客さんのレベル(自分のレベル)をあげていただけるためにどうしたらいいのか悩む日々を送っています。
今後も勉強させていただきます。

同業者様からのメッセージだ。
指導対象のレベルを上げるためには、指導者自身のレベルを上げなければならない。非常に真っ当なお考えだと思う。

まれに「うちの従業員はレベルが低くて」とこぼされる経営幹部がおられる。「レベルが低い」というのは従業員の問題ではなく、経営幹部の課題である事に気がつかれると良いと思う。

質問(以前メルマガで書いたが「発問」といったほうがいいだろう)によって相手に気づきを与えるためには、指導者は「発問能力」を高める訓練を積む必要がある。

以前のメルマガ記事「答えのない質問」

同様に相互学習支援が発生するように「場のエネルギー」を高める必要がある。

コンサルタントのように、外部の人間が顧客企業の従業員を動かして、成果を出すためには何をしなければならないか?どうやれば上手くゆくのか?
私は日々こういうことを考えている。多分K様も同様なのだろう。


このコラムは、2017年8月4日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第545号に掲載した記事に加筆したものです。

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人財育成

 先週人事系コンサルをされている方の講演に出かけた。多くの経営者が人財育成に関して「モヤモヤ」しているというのだ。人財育成はやらなければならないと分かっているのだが、費用対効果を考えるとモヤモヤする。その証拠に売り上げが下がると真っ先に削るのが教育経費だ。

「モヤモヤ」の原因を自分なりに考えて見た。
企業が人財育成をする目的、達成すべき目標が明確になっていないのが原因と考え至った。

例えばISO9001で定められている年度品質目標に「□□研修◯回開催」などと書かれてはいないだろうか?研修をすることが目標ではないはずだ。研修により何を達成したいのかが目的であり、その達成度合いが目標であるべきだと思う。研修そのものは手段に過ぎない。

例えば、品質不良を半減するため(目的)に改善活動研修を開催(手段)する。
この時の目標は「不良率〇〇%削減」となるはずだ。
又は、作業員の離職率を下げるため(目標)にTWI-JR研修に参加(手段)する。
この時の目標は「作業員の離職率〇〇%減」だ。

人財育成の目的・目標が明確であれば、モヤモヤすることはないはずだ。更に目標を達成した時の費用対効果を考えれば、売り上げが下がる時にこそ研修をやらねばならないこともあるだろう。


このコラムは、2019年3月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第797号に掲載した記事に加筆したものです。

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