月別アーカイブ: 2017年7月

現場監督者

 前職時代に、生産依託先工場で生産指導をしていた。中国東莞市に3社生産依托工場があり、新製品の立ち上げや、お客様工場監査のために月1社程度の頻度で出張していた。

直接作業現場に入って指導するので、組長、班長などの現場監督職との交流も沢山あった。そんな中で今でも印象に残っている組長さんがいる。この組長さんの生産ラインで、コピー機用の大型電源の生産することになった。量産試作時に、組長さんと一緒に生産ラインを1工程ずつ見て回った。

ねじ締め作業工程で組長さんに「ねじを一本締め忘れたらどうする?」と質問。彼女は質問には答えず、すぐに小皿を準備して,作業前に必要なねじを小皿に入れ、作業が終わったら小皿のねじに過不足がない事を確認する様に作業員に指導した。

また最終の外観検査の方法が時間がかかり過ぎ,タクト内に終わらず完成品が滞留していた。このまま放置すると、検査漏れが発生し、最悪不良品の流出が起きる。その場で作業手順を変更し、作業員に作業指導してもらった。しかし班長さんの教え方がまずいせいか、中々作業員が理解出来ない。しまいには作業員が泣き出した(苦笑)組長さんに指導を替わってもらい、事なきを得た。

打てば響く、という表現がぴったりの組長さんだった。
彼女がいる限り、我々の生産は大丈夫だと実感した。

しかしここで安心してはいけない。
この優秀な組長さんのクローンをいかに増やすかが、工場にとっての課題だ。

実は東莞の生産委託工場(3社ともに台湾資本)は、私たちが指導した生産ラインにいた監督職、生産技エンジニアは無条件で採用となっていた(笑)
しかしこのような安易な方法ではいけない。自ら現場監督職を鍛える方法を持つべきだ。


このコラムは、2017年4月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第525号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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社員第一主義

 「日本でいちばん大切にしたい会社」と言う本を書かれた法政大学大学院の坂本光司教授は、書籍の中でこうおっしゃっている。

「私は、数多くの中小企業を訪ね歩く中、好況、不況に関係なく、常に高い利益率を出し続けている企業があることに気付きました。それは、経営者が「社員第一主義」を貫いている企業だったのです。」

坂本教授の「日本でいちばん大切にしたい会社」は既にシリーズ4冊目を数えている。私もこの書籍で、日本理化学工業、伊那食品などのすばらしい経営者を知ることができた。

「日本でいちばん大切にしたい会社4」坂本光司著

従来の経営学では「企業は利益を追求するのが目的であり、その結果従業員を幸福にしたり、社会に貢献する事が出来る」と言うのが常識だった。

しかし「企業の目的は従業員を幸せにする事が目的であり、その結果社会貢献が出来る様になり、企業に利益をもたらす」と目的と結果を入れ替えて考える方が、上手く行くはずだと考えた。2010年12月、明治大学経営学部の郝教授と議論をして「二十一世紀型企業経営」と言う啓示を得た。

つまり、従来型の企業経営は、企業の業績を上げるために人財の育成をする。
しかし、先進的な企業経営は、人財の育成を目的とし結果として業績が上がる。
と言う議論を遠して「二十一世紀型企業経営」と言う言葉が出て来た。

従来は、経営者と労働者は利益対立関係に有り、利益の配分を巡って対立することになる。激しい労働争議などが発生し、自らの利益を主張して譲らない。そこには、顧客の存在が忘れ去られていたと言って良かろう。

その後「顧客第一主義」を経営理念としてうたい、経営者と労働者は顧客満足を共通の目的として協調する、と言う考え方になる。経営者は、顧客満足を高めるための一手段として、人財育成をする。その結果が業績に反映する。

坂本教授の「社員第一主義」は、まず従業員を幸せにすることを目的とする。
上述の例で説明すれば、従業員を幸せにするために人財育成をする。その結果顧客満足が得られ、顧客が幸せになる。幸せな顧客は企業の利益に貢献する。と因果関係が逆転する。

企業が大切にしなければならないのは、
一、従業員とその家族。
二、取引先の従業員とその家族。
三、現在顧客と未来顧客。
四、地域社会。
五、株主、出資者、経営者。

こういう考え方が広まると、社会全体が幸せになるはずだ。

坂本教授の書籍は中国語に翻訳されている。『日本最了不起的公司』で検索すると中国語翻訳版が多数出て来る。ご参考にしていただきたい。


このコラムは、2014年10月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第395号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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不良を作らない決意・その後

 昨年181号のメールマガジンで、不良を作らない決意をした経営者をご紹介した。

「不良を作らない決意」

工程内で発生した不良の修理を止める。そしてその不良は見せしめのために作業現場の一等地に置く。当然修理をすれば歩留まりは上がる。中国では人件費が毎年上昇しているが、それでもまだ日本と比較すれば安い。経営者としては、材料費をムダにしたくないという思いがあるだろう。それでも修理を止め、歩留まりが悪くなっても直行率を上げることを選択された。

当時その決断を賞賛する記事を書いた。
そして先週その工場を再訪する機会があった。

工場を一見して、生産物量が上がっているのが分かる。
しかし例の不良品展示エリアが見当たらない。経営者に聞くと、工程内不良は激減し1/10以下になったそうだ。従って不良品を置いておく場所は不要になったわけだ。当然不良修理に必要な時間も、人員も不要となった。生産効率も上がっている。

当時の思い切った決断がほんの8ヶ月足らずで、これだけの成果になっている。

もちろん修理を止めるだけではこうはならない。
工程の品質改善、不良を作らないポカ除けなど色々な手を打たねばならない。

まずは溜まった不良品を3tトラックに載せ廃棄するのを、全従業員で見送った。従業員の中には、涙を流す者さえいたそうだ。

その後、内緒で作業場にボール盤を持ち込み打ち損なったりベットを外そうとする班長を叱り、修理をしない意味をとくとくと説得するなど、苦労を重ねた結果だ。

全ては人の心から始まる。
不良品を廃棄する痛みを理解した作業員は、不良を次工程に回さないよう努力する。
修理を前提とすると、ちょっとした汚れ(外観不良)は検査の時に拭き取れば良いと考え、そのまま次工程に流してしまう。

経営者の「不良は修理しない」という決断は、当初大きな材料損失を生んだだろう。
しかしその決断が、工程内不良1/10という革新を生み、生産効率も改善した。


このコラムは、2011年8月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第218号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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不良を作らない決意

 東莞のある工場を訪問した。この工場の若手経営者とは知り合って4年ほどになる。時々お目にかかる機会はあったが、工場を訪問するのは初めてだ。

見せていただいた生産現場の中に、不良品が置いてある。
通常不良品は、目立たない場所に一時置き場を作り、修理工程に投入される。しかしこの工場では、生産現場の一等地にドンと不良品の置き場を作っている。

経営者に理由を聞くと、「見せしめ」なのだという。
不良品を修理しない。不良品は廃棄するという決意をした。修理をすれば良いや、という甘えを排除するためだ。そして廃棄しなければならない不良品を、皆が見えるところに置いている訳だ。

人件費が高騰しているとはいえ、中国でのモノ造りコストは、まだ材料費が占める割合が高い。それでも不良は修理しないという決断を下した。つまり歩留まり率は考えない。直行率で勝負をしようというわけだ。

トヨタ方式生産方式の元祖・大野耐一氏が、不良の修理工場を廃止しようと取り組んだのと、同じ発想だ。トヨタでは不良をラインアウトして修理工場へ送ることをやめ、ラインを止めて修復することにした。現場はラインが止まらないように、改善を繰り返す。そのような改善の積み上げで、トヨタ式生産方式は生まれたのだ。

先週訪問した工場では、不良として集められていたのは完成品がほとんどであった。完成品になる前に、不良を除去する。その不良が発生しないように改善する。これを繰り返してゆけば、不良を作らない生産工程になってゆくだろう。

不良を修理しない決意は、不良を作らない決意だ。


このコラムは、2010年11月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第181号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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ベンチマーキング

 年末にお客様の工場で交流会を2件開催した。

電子製品のメーカと機械加工のメーカ、光学部品のメーカと化粧箱メーカだ。それぞれ全く違う業種だが、テーマを持って交流をしていただいている。今回は「TWI(企業内教育訓練)の運用」「朝礼と環境整備(5S)」がテーマだ。

それぞれ係長以上7名、現場リーダ28名を経営者ご自身が引率して工場を訪問交流をしている。朝礼交流にこられた会社は、早朝に集合しバスを仕立てて、朝7時過ぎに工場に到着されている。経営者の本気度が伺える。

頭では理解できていても、実際に運用している現場を見る事で、より深く理解出来る。そして何よりも、現場でベンチマーキングする事により,実践のモチベーションが上がる。百聞は一見にしかずだ。コンサルタントから百回聞くより、実際に運用している姿を一見する事で現場リーダの腑に落ちる。更にリーダたちの行動モチベーションが上がる。

このような活動は、私自身の仕事にとって何の収入にもならない(笑)
しかし私の仕事の目的は、お客様従業員の成長を通して、お客様の業績に貢献する事だ。私が口で説明するより百倍くらいの効果があるはずだ。
そして交流を受け入れる工場も、従業員のモチベーションが上がる。(そうなる様に交流を受け入れる様にお願いをしている)

これからも、お客様同士、または知り合いの工場と交流していただきベンチマーキング、ベストプラクティスを進めて行こうと考えている。


このコラムは、2015年12月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第455号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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手放す事

 「手放す」「捨てる」と言う事が意外と難しい。
材料倉庫の片隅に、使わない材料が山の様になっている。完成品倉庫には、出荷の見込みがない完成品が残っている。当然こういうモノは、整理の対象だ。
しかし「勿体ない」と言う気持ちが働きなかなか捨てられない。気持ちは理解出来るが、本当に勿体ないのは、使わないのに余分に材料を買ってしまう事であり、出荷しない物を余分に作ってしまう事だ。

以前にもご紹介したが、私の友人は工程内の不良品は「修理しない」と決めた。
修理をすれば、材料は再利用出来る。しかし修理をせずに、捨てると決めた。
捨てることにより、この工場は「次のレベル」を手に入れることができた。
つまり、工程内不良が以前の1/10以下になったのだ。
歩留まりを上げると言う考えを捨て、不良を作らない工夫をすることにより、不良率1/10と言う「新しい品質レベル」を手に入れた。

両手にリンゴを持ったチンパンジーは、好物のバナナを見つけた時にリンゴを手放しバナナを拾うだろう。

とても単純な事だが、意外と実践出来ない人が多い。
特に過去に成功体験を持っている人がそういう傾向にある。
成功体験も手放さなければならない。手放さなければ、次の体験が出来ない。つまり成長出来ない。

営業に対する報奨制度を作ったら、売り上げが激増した。
しかし最近は売り上げが落ちて来た。経営者は、営業マンがさぼってるから、罰金制度も導入したいと言う。営業マンのモチベーションさえ上げれば、売り上げが伸びると言う考えを手放せば、顧客の需要の変化が売り上げ減の原因だと気が付くはずだ。

ベルトコンベア式の生産は効率が良い、と言う過去の体験を手放さなければ、時代の変化に即したフレキシブルなモノ造りは出来ない。

技術や作業の標準化も同じだ。古い標準を手放さなければ、新しい技術、作業方法は手に入らない。


このコラムは、2014年11月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第396号に掲載した記事を加筆改題したものです。

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工場診断

 先週は、深センまで無料工場診断に出かけた。自動車関連の中国民営企業だ。到着早々立派なオフィスビル、吹き抜けのエントランスに圧倒された。通された会議室、総経理室も大変立派だった。

相当実力のある企業の様であり、大いに期待した。

総経理、副総経理をはじめとした経営幹部の方々と若干の打ち合わせ後、現場を見せていただいた。

外観は大変すばらしかったが、生産現場は普通の民営企業だった。実力のある企業だという期待は、改善の余地がたくさんある企業だという期待に変わった(笑)

受注生産の割には、膨大な材料在庫がある。たまたま生産の谷間だったようで、前工程の部品加工職場では作業員が手持ち無沙汰にしていた。
最終組み立て工程では、大勢の作業員がよってたかって作業しているため、ムダが散見された。

このような生産をしていても、きっと利益が出ているのだろう。もっと業績を上げるチャンスはいくらでもありそうだ。時間的に詳細な分析は出来なかったが、部品在庫は半分以下、生産効率は30%アップを狙える。

この会社は精益生産(リーン・プロダクション)を導入するために、既にプロジェクトチームを組織していた。
しかし私からのアドバイスは、まず5Sで基礎造りをすることだ。その上で、最終組み立て工程の生産効率を向上する。後行程から改善するのは前行程の生産性だけを上げてしまうと、中間在庫がどんどん増えることになるからだ。

経営幹部の方々は、5Sが出来ていないのにリーン・プロダクションを導入しても砂上に建てた楼閣だと言う説明をすぐに理解してくれた。

彼らは他にもコンサル会社を呼んでいたようで、作業服を着たコンサルが来たのは我々だけだったそうだ(笑)


このコラムは、2012年5月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第258号に掲載した記事を加筆改題したものです。

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マンパワーとマンパフォーマンス

 先週は「マンパワー」に対して「マンパフォーマンス」と言う概念を書いてみた。今週はマンパワーとマンパフォーマンスの違いについて考えてみたい。

先週のコラム「中国のマンパワー」

ヒトの力を「工数」として測定するマンパワーの考え方をしていると、本当のヒトの力が分からないと考えている。

ヒトそれぞれの個性に着目してマンパフォーマンスという見方をしなければ本当のヒトの力は分からないだろう。

機械や設備のパフォーマンス(性能)はヒトより優れている面が多い。ヒトより早く、ばらつきなく作業をする事が出来る。きちんとしたメンテナンスと動力さえあれば疲労することはない。

しかし機械は忙しいから頑張って作業効率を上げようとは考えない。自ら成長することもない。

ヒトと機械の違いははここだと思う。
ヒトは頑張るというココロがある。仕事を通して成長する事が出来る。
しかし同時にサボるココロもあり、意欲がわかなければ成長もしない。

「頑張っても同じ給料だ」という考え方を持っていればマンパワーにしかならない。従ってマンパフォーマンスを引き出すためには正しい動機付けをする必要がある。

機械設備は購入したその日から減価償却が始まり価値が下がる。
ヒトは正しく教育をすれば雇用したその日から価値が上がる。


このコラムは、2009年3月29日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第91号に掲載したコラムを改題、加筆したものです。

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中国のマンパワー

 中国の力はなんと言っても13億のマンパワーだと思う。

改革開放政策を取り安価な労働力を武器に海外の製造業をひきつけた。
ほんの数年前まで内陸部から出てくる女工さんは無限の資源のように思えた。残業にも過酷な労働条件にも耐える安価で優秀な作業者が毎年農村地帯から次々と出稼ぎに出てくる。

そういう作業者が工場の門のところに従業員募集の紙を貼り出すだけで、何百人も集まったこともある。設備を導入するよりは作業員を雇ったほうが安くつく、と考えていた企業も多いはずだ。

しかしここ数年で急速に様子が変わってきた。
毎年十数%ずつ最低賃金が上がっている。内陸部の発展も進んでおり、沿岸地区での作業員集めは楽ではなくなってきた。

しかし中国に対する魅力は依然13億のマンパワーだ。
北京オリンピックのセレモニーを覚えている方も多いだろう。圧倒的な人数のショーは象徴的だった。

安価な労働力というマンパワーから、豊かになりつつある市場というマンパワーが中国の魅力になりつつある。中国の富裕層がたった1%しかなかったとしても、日本の市場よりは大きいはずだ。

しかし我々製造業にとっては、マンパワーという考え方からマンパフォーマンスという考え方に切り替えて行かねばなるまい。

次週「マンパワー」と「マンパフォーマンス」について考えてみたい。


このコラムは、2009年3月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第90号に掲載した記事に加筆したものです。

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改善のフットワーク

 今改善のお手伝いをしている工場で、作業の無駄をなくすためにレイアウトを変えようということになった。考え方と方向性を示して、次回訪問時までに自分たちで考えてレイアウトを変更しておくように指示をした。

一ヶ月後の訪問で、どのような変化があるか楽しみにしていた。
しかし何も変化はない。一ヶ月もかかって何もやってないとは何事かと叱ると、コンピュータで作画したレイアウト変更計画図面を見せてくれた。絵だけを描いて一ヶ月待っていたのだ。

そうではないすぐにやろうといって、その場で作業台の並べ替えを始めようとした。ところが又まずレイアウト図面を作ろうという。

絵だけを描いても何も改善できない。まずやってみて問題があれば、又改善する。これを繰り返しているうちに、「現場の改善力」がついてくる。頭で考えない。手で考える。体で考える。

現場の人たちが体を動かして考えることが肝要である。私が一方的に指示をしてレイアウトを変更して見せても『現場の改善力』は向上しない。

小さなことでもすぐやってみる。そして又次の問題が見つかればそれを改善する。これをフットワークよくやる。山登りと同じである。小さな峰に到達すると次の峰が見えるものだ。

あなたの工場の改善のフットワークはいかがだろうか。軽~いフットワークで改善のサイクルを軽快にまわしたい。


このコラムは、2008年2月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第21号に掲載した記事に加筆したものです。

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