中国のマンパワー


 中国の力はなんと言っても13億のマンパワーだと思う。

改革開放政策を取り安価な労働力を武器に海外の製造業をひきつけた。
ほんの数年前まで内陸部から出てくる女工さんは無限の資源のように思えた。残業にも過酷な労働条件にも耐える安価で優秀な作業者が毎年農村地帯から次々と出稼ぎに出てくる。

そういう作業者が工場の門のところに従業員募集の紙を貼り出すだけで、何百人も集まったこともある。設備を導入するよりは作業員を雇ったほうが安くつく、と考えていた企業も多いはずだ。

しかしここ数年で急速に様子が変わってきた。
毎年十数%ずつ最低賃金が上がっている。内陸部の発展も進んでおり、沿岸地区での作業員集めは楽ではなくなってきた。

しかし中国に対する魅力は依然13億のマンパワーだ。
北京オリンピックのセレモニーを覚えている方も多いだろう。圧倒的な人数のショーは象徴的だった。

安価な労働力というマンパワーから、豊かになりつつある市場というマンパワーが中国の魅力になりつつある。中国の富裕層がたった1%しかなかったとしても、日本の市場よりは大きいはずだ。

しかし我々製造業にとっては、マンパワーという考え方からマンパフォーマンスという考え方に切り替えて行かねばなるまい。

次週「マンパワー」と「マンパフォーマンス」について考えてみたい。


このコラムは、2009年3月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第90号に掲載した記事に加筆したものです。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】