段取り八分と言う言葉が有る。段取りが出来れば仕事の八割は完成、という意味だ。元々段取りと言うのは、石段を作る時に、高度や勾配から何段の石段にするか計算することを意味したそうだ。現代人は三角関数を駆使し計算機で簡単に解を求めることが出来る。しかし昔の人々にとっては,段取りは高度な技術だっただろう。段取りさえ出来れば、後は人工仕事だ。
工場には「段取り替え」と言う作業が有る。段取り替えそのものは付加価値を生む作業ではない。しかし段取り替えは、生産の出来映え(生産性、品質)を決定する重要な仕事だ。
段取りを抽象化して考えてみよう。段取りの概念を「準備」と置き換えることが出来そうだ。品質管理、品質保証の用語で言えば「予防保全」となる。
例えば、設計審査は製品の生産、顧客に対する品質保証のための予防保全活動である。生産後の出荷判定、初期流動管理も品質保証の予防保全活動だ。
これらがきちんと出来ていれば、段取り八分となる。
往々にして、段取りが不足しているために、工程内不良が多発したり、顧客クレームが発生する。
段取りをせずに、失敗をすれば後悔が生まれる。
段取りが出来ていれば、失敗をしても反省と改善が生まれる。
このコラムは、メールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】2015年12月7日号に掲載した記事に加筆しました。
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