月別アーカイブ: 2021年3月

続・QCC活動

 先週のメルマガ「QCC活動」に読者様からメッセージをいただいた。

※N様のメッセージ

お疲れ様です。
いやー実にそうなんですね。
中国では QCC活動ができるのは特殊だと思います。
まだ TPM活動のほうが 中国人気質にあっているように思います。
QCC(TPM)活動を実施する前に 5S活動をしておく必要も あるかと思います。そうすることにより 改善活動にスムーズに 入っていけるように 感じます。

中国でTPMを展開出来ている工場を訪問したことが有る。
中国の某総合家電メーカの研修で従業員に優れた日系メーカを見学させたい、と言う要求が有り、友人の工場を紹介した。

QCCとTPMを直接比較することは難しいと思うが、レベルが全然違うと思っている。TPMは設備のメカニズムを理解し、設備の改善が出来るレベルまで到達している必要がある。間接部門を含む全社活動なので、必ずしも設備改善が出来る必要はないが、設備改造・改善なしでは5S活動と大差なくなる。

一方QCCの方は、チームごとの力量に合わせて課題に取り組むので、設備にフォーカスする必要はない。私の指導経験では、QCCの方がやり易いと思っている。

まず5Sありき、と言うご意見には異論はない。私もその通りだと考えている。
5Sの「清潔」は色々な解釈をされている方も有るが、私は整理・整頓・清掃を維持する為の改善が「清潔」だと定義している。つまり、整理するモノが増えない様にする。整頓が乱れない様にする。清掃の時間を短縮出来る様にする。と言う改善活動が「清潔」だ。従って、QCCにしろTPMにしろ5Sが原点となる。

実は今週のコラム「可視化管理」で紹介した工場では、毎週金曜日に全社でQCC活動をされている。今まで指導して来た中で、作業員も含めてQCC活動を全社展開されている中国工場はなかった。5Sや可視化管理ばかりでなく、QCC活動にご興味がおありの方にも、参考になるはずだ。


このコラムは、2015年7月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第431号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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可視化管理

 一目で分かる様にすることを可視化管理とか見える化管理と言う。「一目で」と言う部分が重要だ。例えば今月の売り上げは、売り上げ台帳を合計すれば分かる。しかし利益を知ろうと思えば、更に経費を集計しなければならない。こういう状態は、経営が見える化出来ているとは言わない。

工場の現場も同じだ。コンピュータの管理画面を見なければ分からないのでは、まだ不足だ。現場で一目で分かる様になって初めて可視化管理が出来ていると言える。

更に「誰が見ても」を追加する。
現場の作業員が見て分かる必要があるが、管理職や掃除のおばさんが見ても分かる様にしておく。究極は、今日初めて工場監査に来たお客様でも分かるレベルにすることだ。

可視化管理の要点は

  • 一目で分かる
  • 誰が見ても分かる

と言うレベルにすることだ。
このふたつが揃えば、一瞬で理解出来る、考えずに理解出来る、と言う水準に到達出来るはずだ。

実はこういう説明をしても、なかなか理解していただけない。こういう水準に到達している現場を見て理解するのが一番の近道だ。

先週訪問した工場は、現場の可視化のみならず、部署ごとの業績も可視化管理を実施しておられた。


このコラムは、2015年7月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第431号に掲載した記事を加筆修正したものです。

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失敗を推奨

 メルマガ609号で製造業は創造業にシフトにするのではないだろうか、と書いた。その後たまたまテレビ東京・カンブリア宮殿のアーカイブにバルミューダの番組があるのを発見した。

バルミューダ・寺尾玄社長は自社のグリーンファンを、3万円の扇風機ではなく「3万円でひと夏の涼しさを買っていただく」と言っている。モノではなくコト(体験)を提供する。これが創造業だと思う。

寺尾社長は「開発とは予定通りいかないのが予定通り」とも言っている。
新しいモノ、世の中にないモノを開発しているのだ。当然失敗はつきものだ。失敗を恐れていれば、凡庸なモノしか開発できない。番組ではバルミューダの朝礼風景を紹介していた。寺尾社長はどんどん失敗をせよ、と言っている。

失敗をしない最善の方法は、何もしない事だ。挑戦的な失敗を繰り返す事によってしか革新は生まれない。失敗を叱責するのではなくどんどん失敗せよと推奨する。失敗した当事者は新たな方法を考え挑戦を続ける。失敗と挑戦の繰り返しによって成長する。

多くの大企業では、失敗した者に「出世」という梯子が外される。失敗しないように仕事をする、失敗は他人に押し付ける、そんな企業文化しか生まれない。

失敗を推奨すると言っても、凡庸な失敗を繰り返す者を賞賛せよ、という意味ではない。挑戦的な失敗を許容し推奨するという意味だ。

QCC活動を指導しているある企業では、資材の入出庫を担当しているサークルが入出庫作業者3名を2名に削減する、というテーマに挑戦している。しかしよく話を聞いてみると、入出庫作業者は全部で40名いる。その中の特定部品を担当している3名の作業効率を改善したいというテーマだ。初めてQCC活動に取り組むメンバーには、上手くいくかどうか不安もある。楽なテーマにしたいのだろう。

寺尾社長は「楽なことは楽しくない。楽しいことは楽ではない」と言っている。3名を2名に削減するより、40名を30名に削減する方が楽ではないが楽しいはずだ。QCC活動は今回で終わりではない。まずは3名を2名に削減することにより改善手法を覚えてもらい、彼らの耳元で「挑戦は楽しいぞ」と囁き続け次の挑戦に取り組む勇気を持ってもらおうと考えている。


このコラムは、2018年1月3日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第610号に掲載した記事です。

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命・礼・言を知る

kǒngyuē:“zhīmìngwéijūnzhīzhīyánzhīrén。”

《论语》尧曰第二十-3

素読文:
いわく、めいらざれば、もっくんきなり。れいらざれば、もっきなり。げんらざれば、もっひときなり。

解釈:
孔子曰く:“天命を知らずして君子たる資格はない。礼を知らずして世に立つことはできない。言葉の真意を理解しないで人を知ることはできない。”

ボトムアップ改善

 QCC活動や改善提案はボトムアップ改善活動。機械化投資などによる改善活動はトップダウンプロジェクト。そんな区分けが一般的だと思う。

生産現場の改善指導を20年ちょっとしているが、ボトムアップとトップダウンだけではうまくゆかないような気がしている。

前職時代に、生産委託先の工場を指導していた時は「客」として指導していた。
現場が言うことを聞かなければ、工場長に文句を言えばよかった(笑)まぁ、そう言う局面になることはなかったが、生産委託先の経営者や幹部は顧客の言うことを聞かなければ、生産を引き上げられると言う心配はあったと思う。しかし、言うことを聞いて置いた方が自社の品質や生産性の改善になる、と感じていたはずだ。こちらは指導料も出張経費も請求しない。オイシイ話だったはずだ(笑)

しかし独立してからは、主客の立場が入れ替わった(笑)
私は客として指導をするわけではなく、お客様工場で指導をさせていただいて対価をいただくことになった。

生産委託先の指導はこちらの都合で出かけることができる。
(事業部長は、金がかかる品証部だと思っていたかもしれないが・笑)
しかしお客様の指導は、こちらで勝手に指導日を追加するわけにはいかない。決められた期間で成果を出し、成果を維持発展させなければならない。そのためには現場リーダの能力と意欲を高めなければならない。

生産委託先の指導がトップダウン活動だとすると、今の仕事は現場リーダ層からのボトムアップ改善活動と言えるかもしれない。

しかしボトムアップ活動だけでは、大きな改善成果や、継続的な改善を期待できない。手取り足取り方法を教えて、トップダウンで改善しても、現場リーダの能力や意欲は高まらない。

問題を解決するボトムアップ活動を通して、現場リーダの能力と意欲が向上する。

課題を自分たちで設定し、改善することにより能力が上がり、達成感により更なる意欲が向上する。このような活動は単純なボトムアップ活動ではない。上司・経営者から改善活動の権限を委譲されたエンパワード活動になる。

ボトムアップ活動の更に先は、エンパワード活動だ。


このコラムは、2018年8月27日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第711号に掲載した記事です。

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中国でのQCC活動

 今週から中国で社内研修のサービスをしているパートナーのオフィスに居候することになった。

彼は人事制度など管理面での研修が得意なので、現場改善の分野を補強するためにパートナーコンサルとして仕事をする。

彼のお客様でQCC活動を導入したいという工場に出かけた。
この工場は顧客企業様からの指導でQCCに取り組んでみたがうまく行っていない。顧客企業様はQCC活動に熱心で,QCCの世界ではよく話題に上る企業である。

話に夢中になり夕食をとるのも忘れてしまったが,中国でうまくQCCを活性化する方法をお話させていただいた。

QCCとかシックスシグマとか形にこだわる必要はない。
効果の上がるチーム改善活動を展開すべきだと考えている。
このチーム改善活動を改善し続ける企業文化に昇華させれば,強い競争力が手に入るだろう。


このコラムは、2008年3月10日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第24号に掲載した記事です。

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顧客志向

 中国の接客業は、以前と比べると格段に良くなって来たと思っている。
初めて中国に来た時(1991年)に「友誼商店」でショーケースの商品を見せて貰おうとしたら、店員は商品を投げてよこした。当時はすべての労働者は国家公務員だった訳だから、こんなモノだろうと妙に納得した(笑)

それが飲食店などのサービス業から,顧客に対する態度がどんどん改善されて来た様に思う。

しかし業種によっては、依然低レベルだ。
顧客志向ではなく、自分都合で仕事をしている。

先週は、オフィスのネット接続の契約更新のために中国電信に行った。
一年間の料金2,090元支払って帰るつもりだった。順番を待っている間に、職員が別のプランを紹介してくれた、前の契約より格段に安い。

窓口の女性に、プランを変更したいとお願いすると、一通り契約内容を説明してくれた。では一年分の料金を支払おうとすると、毎月支払いをすることになっていると言う。毎月窓口で小一時間も待たされては、たまらない。
銀行振込は可能か?と質問したら「知らない」とぶっきらぼうに答える。窓口の前で延々待たされ、そのあげく「お待たせしました」の一言もなく、威丈高の接客を我慢していた。しかし、この一言で切れてしまった(苦笑)

この人たちは、自分が接客業の仕事をしているとは考えていないのだろう。

ネットで支払い可能かどうか知らなかった、と言うのは100歩譲ってよしとしよう。しかし目の前の顧客に「知らない」と言って済ませる態度は、怒りを越えて殺意すら覚える(笑)調べるなり、同僚に聞くなりすれば良いはずだ。

こう言う職員には、自分の接客態度で顧客が流出していると言う事に気が付かないだろう。中小企業ならば、致命傷だ。

こう言う状況は、実は我々コンサル業者にとって歓迎すべき事だ。
まだまだ指導出来る事が山ほどある。
一瞬切れたが、5秒後には心の中で「チャ~ンス」と叫んでいた(笑)


このコラムは、2013年8月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第324号に掲載した記事です。

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自主改善活動

 若い人には想像もできないだろうが、戦後の一時期まで、日本製製品は粗悪品の代名詞だった。日本から輸出される製品の評価は「安かろう・悪かろう」であった。

そのメイドインジャパン製品が、品質で絶対的な信頼を勝ち得たのは、日本の製造現場で働く人々の自主改善活動の貢献と考えている。

小集団活動、QCサークル活動、TQC活動、TQM活動と時代によりその呼称は変化したが,現場の労働者を中心とした自主的な改善活動が,メイドインジャパンと言うブランドを築いたと言ってよいだろう。

これがうまくいったのは、日本人と日本社会の特異性に依存する所が大きい。
細かい所に気配りする感性。
物事を極める所まで追求する精神。
均一性社会文化。

最後の均一性社会文化は、個性の発揮と言う点ではマイナスに働くが、チームの協調性と言う面ではプラスに働く。小集団活動に向いている。

では日本とは異なる中国で、小集団活動の成果は再現性を持つのだろうか?
多くの方はネガティブな考えをお持ちだと思う。
しかし私は、可能だと信じている。

日本人が細かい所に気配りが出来ると言うのは、細かい気配りが出来なければ居心地が悪くなる社会で生活しているからだ。
物事を極めれば尊敬される、そう言う事例を多く見て育ったからだ。

成人した社会人に、こう言う環境で仕事をしてもらう事は難しい事ではない。
社内の規則・制度をその様にすれば良い。少なくとも社内で仕事をする時に、その様な能力を発揮してもらえば良いのだ。

例えば、気配りが出来ると昇給・昇格する。仕事を極めれば昇給・昇格する、
そういう人事制度を作り、昇給・昇格の基準を明確にする。これで気配りが出来る人間になる意欲がわく。仕事を極める意欲がわく。

意欲が生まれれば、能力をつけるのは容易だ。
我々も細かい所に気が付く能力を先天的に持っていた訳ではない。訓練により身につけたモノだ。

例えば、問題の要因を漏れなく挙げる。起こりうるリスクを漏れなく挙げる。
こう言う訓練を具体的にするのが、新QC七つ道具と言われる手法だ。
我々は、子供の時から長時間かけて能力を身につけたが、ツールはそれを短縮する力がある。


このコラムは、2013年8月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第324号に掲載した記事です。

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五美と四悪

zhāngwènkǒngyuē:“cóngzhèng?”
yuē:“zūnměibǐngècóngzhèng。”
zhāngyuē:“wèiměi?”
yuē:“jūnhuìérfèiláoéryuànértāntàiérjiāowēiérměng。”
zhāngyuē:“wèihuìérfèi?”
yuē:“yīnmínzhīsuǒérzhīhuìérfèiláoérláozhīyòushuíyuànrénérrényòuyāntānjūnzhòngguǎxiǎogǎnmàntàiérjiāojūnzhèng衣冠yīguānzūnzhānshìyǎnránrénwàngérwèizhīwēiérměng。”
zhāngyuē:“wèiè?”
yuē:“jiàoérshāwèizhīnüèjièshìchéngwèizhībàomànlìngzhìwèizhīzéiyóuzhīrénchūzhīlìnwèizhīyǒu。”

《论语》尧曰第二十-2

素読文:
ちょうこういていわく、何如いかなればもっまつりごとしたがうべきか。
いわく、五美ごびたっとび、あくしりぞくれば、ここもっまつりごとしたがうべし。
ちょういわく、なにをか五美ごびう。
いわく、くんけいしてついやさず。ろうしてうらまず。ほっしてむさぼらず。たいにしておごらず。ありてたけからず。
ちょういわく、なにをかけいしてついやさずとう。
いわく、たみするところりてこれす。けいしてついやさざるにあらずや。ろうすべきをえらびてこれろうす。またたれをかうらまん。じんほっしてじんたり。またいずくんぞむさぼらん。くんしゅうく、しょうだいく、えてあなどし。たいにしておごらざるにあらずや。くんかんただしくし、せんたっとくす。儼然げんぜんとしてひとのぞみてこれおそる。ありてたけからざるにあらずや。
ちょういわく、なにをかあくう。
いわく、おしえずしてころす、これぎゃくう。いましめずしてるをる、これぼうう。れいみだりにしていたす、これぞくう。これひとしくひとあたうるなり。出納すいとうやぶさかなる、これゆうう。

解釈:
子張は孔子に尋ねた“いかにしたらまつりごとがうまくゆきますか?”
孔子曰く“五美を尊び四悪を退けて政を行うべし”
子張曰く“五美とはなんでしょうか?”
孔子曰く“君子の五美とは、恵して費やせず、労して恨まず、欲して貪らず、泰にして驕らず、威ありて猛からずの五つだ”
子張曰く“惠を費やさずとはどういう意味でしょう?”
孔子曰く“人々に自らの生業で生活を立たせる。人々に生活の糧を与えるのではない。これが恵して費やせずだ。
人々に意味のある使役を与えれば恨まれることはない。これが労して怨まず。
仁を求め仁を得るような者が、貪るようなことはない。これが欲して貪らず。
君子は相手の人数や事の大小に捉われず慢心することはない。これが泰にして驕らず。
君子は衣服を正し、容姿を尊ぶ。人々はそれを厳かに見、畏敬する。威厳はあるが猛々しくない。これが威ありて猛からず。”
子張曰く“四悪とはなんでしょうか?”
孔子曰く“人々に何も教えずに罪あるものを殺す事。これを虐という。原因を見ずただ成果だけを求める事。これを暴という。命令をみだりに出して、期限だけを厳しくする。これを賊という。金を出し惜しみする。これを有司(小役人)という。

焼酎と間違え客に漂白剤 高松の焼き肉店

 焼酎のペットボトルに入れていた漂白剤を過って客1人に飲ませたとして、高松市保健所は20日、飲食店を展開するフジファミリーフーズ(松山市、内島朝良社長)の焼き肉店「じゃんじゃか十川店」(高松市十川東町)を22日まで3日間の営業停止処分にした。

 保健所によると、18日午後7時ごろ、店は市内の男性客(41)に、水で薄めた漂白剤を焼酎として提供。男性客は2口飲んで店員に味の異変を訴えたが、気分が悪くなって発熱し、病院に搬送された。手当てを受け、快復しているという。

 漂白剤はまな板などの消毒用に保管していたといい、焼酎のラベルが付いたペットボトルに入れてあったという。

(asahi.comより)

 漂白剤をお客様に飲ませるなんて、想像しただけでも恐ろしいことだ。

わざわざ漂白剤の容器から焼酎のペットボトルに移し替える手間をかけて、事故の潜在要因を作っている。普通ならばこんな馬鹿なことはしない。多分漂白剤のオリジナルの容器が大きすぎて、普段使う時に不便だったのだろう。

この事故の原因は「整頓」がきちんとできていないことにある。
整頓とは、
「決まったモノを、決まった位置に、決まった量だけ、表示をして置く」
である。

漂白剤が入ったペットボトルには、「漂白剤」と書いた表示が必要だ。漂白剤を使用するのは、閉店後の後片付けの時であろう。従って置く場所は、清掃道具を置いてある場所とする。間違っても調理台に置いてはならない。

調理台は、飲食店にとって付加価値を作る場所である。その重要な場所に今使わないモノを置いてはならない。スペースの浪費だ。場所が狭ければ、モノをあちらにやったり、こちらに移したりと、付加価値を生まないムダな作業がどんどん増える。

どんな業種であろうと5Sは仕事の基本だ。

あなたの工場も、このような事故の潜在原因がないか見直しを是非していただきたい。

例えば、複数の接着剤を使用する場合、それぞれの接着剤が誤用されない様に整頓をしなければならない。

機構部品に使用する接着剤を、電子部品の固定に使用すると接着剤の添加物が触媒となり電気化学作用により、電触を起こすことがある。
電界がかかっている部分にハロゲンイオンなどがあると、マイグレーションが発生し回路を形成している導体金属が断線する、または回路間が短絡する等の、信頼性不良が発生する。

この手の不具合が深刻なのは、工場内の検査では不良が見つからないことだ。
市場に出てエンドユーザが使用中に不良が発生し、事故となる。
このような事故は通常波及範囲の特定が困難だ。事故の影響度によっては、安全を見込んで多くのロットを回収することになる。

接着剤の場合オリジナルの容器をそのまま生産現場で使うことは出来ない。ディスペンサーに移す、小袋に入れ替えることになる。
これらの容器に接着剤の型名と、有効期限を明記しておく。紛らわしい場合は○○用としっかり書いた方がよい。

これが整頓である。物をきれいに見栄え良く並べておくことが整頓ではない。


このコラムは、2012年7月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第267号に掲載した記事です。

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