タグ別アーカイブ: QCC

改善提案

私の友人富田氏は、東莞に工場を立ち上げ10年間で顧客数を50倍近くにし、武漢にも分工場を作った素晴らしい経営者だ。

5Sや生産現場の改善ばかりではなく、中国人幹部が経営に参画し経営計画を作れるように従業員の育成に力を入れておられた。

彼の工場では改善提案制度は3年やってやめたそうだ。
改善提案制度を継続しても、なかなか提案内容のレベルが上がらない。提案件数にノルマをかけたりするとゴミの様な提案ばかりが出てくる。そんな悩みを持っている方も多いと思う。

富田氏は改善提案制度をすっぱりやめ、小集団改善活動に切り替えた。

一つは上司から課題を与えられ、即改善に取り組む活動。もう一つはQCC活動。
改善提案制度は、自主的に考え提案することに慣れていない従業員が多い時には有効だ。しかし従業員の実力が上がってくるとマンネリ化してしまう。そう言う時期にチーム改善活動を導入し、従業員の更なるレベルアップを計るとよいだろう。

私はチーム改善活動をする際に以下の様な手順を踏んでいる。

まず上司を入れて職場の問題や課題を挙げてもらう。初めてこういう活動をする中国企業では、メンバーが大興奮して、後から後から問題点、課題が出てくる(笑)ある中国企業製造部の各職場で、自部門が考える問題点、課題、他部門から見た問題点、課題を各職場ごとに話し合ったら、1時間足らずで47個の課題が出た。47個の課題を改善すれば、とてつもない効果を得ることができる。

これらの問題点、課題を一つずつ検討して以下の3つに分ける。
(1)即改善する。
(2)QCCとして活動する。
(3)何もしない。

この3つに入らないテーマは、もう少し現状を調査することになる。
(1)に分類されたテーマは、担当チームを作り改善活動をする。QCC手法に乗っ取り活動することは要求しない。週次もしくは月次の部門報告会で活動の進捗、成果を確認し必要があれば指導する。

(2)はどう改善したら良いか検討が必要なテーマであり、QCC手法で活動する。これはQCC活動支援の月次会議で活動の進捗確認、支援アドバイスをする。

このような活動とすることにより、直接業績に貢献できる課題に取り組む事ができる。この際気をつけたいのは、どちらのチーム改善活動も、テーマが上司から与えられたモノではなく、自主的に選んだモノであるとチームのメンバーが認識する様にすることだ。上司から無理矢理やらされていると感じれば、メンバーの自主性や成長実感が損なわれる。勘違いでも良い(笑)自主的に活動していると実感できれば、積極的に活動に取り組み、成果、成長実感も高くなる。ここは上司のリーダシップが問われる所だ。

こちらもご参考に「QCC道場」


このコラムは、2016年2月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第461号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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新規現場指導案件

 2年前に、四川省の中国企業を半年指導したことがある。
QCC活動を通して、現場の生産性を上げるプロジェクトを指導した。活動中に設計部門を改革すれば、生産性は劇的に上がると確信した。私に言わせれば、試作設計が終わった段階で量産を開始している様なモノだ。全ての作業が、現場の作業員による「現物合わせ」作業が必要になっていた。
これを改めるだけで、生産性は3倍4倍になるだろう。
しかし設計部門を統括している老副総経理は、ウチの製品は少量生産なので、この設計がベストだ、と言って譲らない(苦笑)

総経理とは、次のプロジェクトで設計部門の改革をしましょう、と話していたが、総経理は本社に帰任となり次のプロジェクトは無くなった。

プロジェクト終了後1ヶ月程経った頃、突然工場から電話があり生産性が3.5倍になったと報告があった。指導する時は、プロジェクトメンバーの改善能力を高める事に注力しているので、指導終了後にも改善が続いているのを知らせてもらえると非常に嬉しい。
設計部門の改革も出来れいれば、生産性は10倍以上にはなっていただろうと、若干残念な思いもあった。

その企業と同じく四川省にある同業の中国企業から、現場指導をして欲しいと連絡があった。いつの間にか四川省でも有名になったのだと喜んだ(笑)
しかし事実は、以前指導した工場の総経理が、広東省の本社に帰任後、同業の会社に転職したのだと分かった。
新規顧客ではあるが、リピート顧客でもあった訳だ(笑)

どちらにせよ、私の指導を覚えていてくれて、また依頼していただいた。
大変嬉しい事だ。


このコラムは、2015年3月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第416号に掲載した記事に加筆したものです。

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TQCを捨てたツケ

 

TQCを捨てたツケ

日本メーカーの高品質を支えてきたTQC(統合的品質管理)や、TQCに欧米のマネジメント要素を取り込んだTQM(総合的品質管理)をやめてしまったからでしょう。1990年代、いわゆる「バブル景気」の崩壊により、日本メーカーは全体的に自信を失いました。そこから脱するために、米国式の経営管理手法を日本メーカーは積極的に導入しました。MRP(資材所要量計画)やERP(統合業務パッケージ)、SCM(サプライチェーン・マネジメント)といったものです。
ところが、これらは主に財務管理を強化するためのもので、品質については後回しになってしまった。そして結果的に、多くの日本メーカーはTQCやTQMをやめてしまったのです。実際、この頃、日科技連などでも品質関連の講座の受講者が大幅に減ったと聞いています。

(以下略)

 自動車業界で大規模リコールが何件も発生している。日本メーカの品質力は落ちてしまったのだろうか?と言う問いに対し、日野三十四氏(モノづくり経営研究所イマジン所長)は、品質が落ちていると言うよりも停滞しているとしながら、その原因をバブル崩壊以降自信をなくした日本人経営者が安直に、米国の合理的経営手法を真似したために、手を広げ過ぎ忙しくなりすぎたからと分析しておられる。

私も、バブル崩壊後に米国式経営に飛びついたのが、日本の品質力を落とした原因と考えている。しかし日野先生の分析とは少し違っている。

米国式の株主至上主義経営が、短期の利益を追求するあまり「現場力」を落としてしまったため、日本の品質力が落ちたと考えている。つまり現場の作業者を、派遣要員、契約社員に置き換えることにより短期的な経営数字改善を狙う経営をした。その結果現場にあった「暗黙智」が霧散してしまったのだ。

米国式のMRP、ERP、SCMを導入すれば、導入当初は手が回らなくなるのは理解できる。しかしこれらのツールは、オフィスワーカの生産性を上げる物であり、程なく余裕が出て来るはずだ。
現場力が失われたと言う私の分析の方が、的を射ている様に思うがいかがだろうか。

現場力が失われた結果TQC、TQMなど現場改善の活動が下火になって来た。
TQC、TQM活動の総本山である日本科学連盟(日科技連)に登録されているQCサークル数が年々減少傾向にある。以前は登録QCサークル数の年間推移グラフが公表されていたが、それが「累積登録数」となり、最近は日科技連のHPを探しても、単年度の登録QCサークル数しか見当たらなくなった(苦笑)

もう一度「現場力」を取り戻すためにQCサークル活動を活性化すべきだと考えている。QCサークル活動停滞の歴史を教訓とすれば、以下の様な活動方針に変えてゆくのがよいと思う。

・管理職が積極的に参加する。
 QCサークル活動は「ボトムアップ」活動として、一般従業員の自主性に任せられていた。自主性に任せる、と言えば聞こえはよいが、現実には「丸投げ」状態となっており、業務からかけ離れた活動となってしまった。活動はサークルメンバーの自主性に任せるが、活動テーマ選定時には、経営幹部、管理職も一緒に議論する。活動の成果が業務に直結すれば、サークルメンバーの達成感も経営側の満足度も上がる。

・QCサークルメンバーの自己実現の場とする。
 QCサークル活動による、メンバー個人の知識・経験の成長実感、達成感を重視する。チームワークを通して感動共有を計る。

・楽しくやる
 QCサークル活動を通して、仕事の楽しさを実感する。

この様な方針で活動をすれば、QCサークル活動がまた活性化すると考えている。社内のQCサークル活動の成果発表会や、他社との成果発表交流会がより活性化を高めるだろう。


このコラムは、2015年9月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第442号に掲載した記事です。

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競争優位の源泉

 企業にとって最大の競争優位の源泉は何だろう。
あなたは何だとお答えになるだろうか?
商品?
技術?
顧客?
生産設備?
サービス?

どれも正しい。しかしこれら全てが「人」によって生まれる。
競争優位を作り出す人が、本当の競争優位の源泉だ。
そう言う人を「人財(Human Capital)」という。資産だ。
「人材(Human Resource)」をいかに「人財」に育てるかが、企業発展の鍵と言ってよいだろう。つまり資源を資産に変える事だ。

余談だが、人には4段階ある。
「人財」企業活動の資産となる人。
「人材」企業活動の資源となる人。
「人在」いるだけの人。
「人罪」足を引っ張る人。

人材を人財に成長させる。
人罪や人在はせめて人材に成長させる。
企業活動を突き詰めれば、従業員を育て、従業員により、多くの社会的価値を創造する活動と言えるだろう。その結果企業にも従業員にも繁栄が得られる。

ではどうしたら従業員は育つのか?
人は「場」によって育つ。
「場」とは人が作り出す環境と言ってもいいだろう。「文化」と言い換えると分かりやすいかも知れない。人は人によってしか育てられない。人が育つ環境を企業文化にする事が、最大の競争優位となる。

QCC活動を指導している企業の総経理は、5Sにより従業員の心を変え生産効率を4倍にしている。5Sを企業文化とし、その文化の中で従業員を成長させて来た。更なる飛躍を目指し、従業員を「考える軍団」に成長させるためQCC活動を導入する事にした。毎年春節前に行われている経営計画発表会にて、QCC活動の成果発表会を実施している。先日第二回目のQCC成果発表会が行われた。今回は各チームともに、ダイレクトに業績に結びつくテーマを選定し活動が出来た。
「場」が出来ると企業の成長は加速される。


このコラムは、2017年1月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第521号に掲載した記事です。

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改善活動の役割分担

 QCCによる改善活動と、日常の改善活動には役割分担があってよいはずだ。
大掛かりな改善や、複数の部門の協力がなければ達成できないような改善はQCC活動に任せるのが良い。

QCC活動を指導している顧客で「顧客提供サンプルの合格率アップ」という活動をしているサークルがあった。事務機器業界の顧客には、サンプル提出後一発合格しているのに、
新規業界の顧客向けサンプルは、合格率が低いという。

この手の問題は、顧客の要求仕様を把握する営業、その要求仕様を図面に落とす設計、サンプルを製作する生産技・製造、品質を確認する品証の協力がなければならない。
したがってQCC活動に適したテーマと考えていた。

しかし活動内容の発表を聞いて考え直した。
今まで出荷した試作サンプルは、まだ3件しかないということだ。
ならば、QCC活動でまとめて対策を検討するまでもない。その都度サンプル不合格の原因
調査と再発防止対策を検討する方が効率が良い。それがきちんと回る仕組みを作ればよいのだ。

例えば、サンプルを出荷する前に、営業、設計、生産技、製造、品証でサンプル出荷判定会議をする。サンプルが不合格となったら、このメンバーで原因調査、再発防止をきちんと実施する。

QCC活動では「歯止め」を行う。不具合の再発防止、水平展開、未然防止などをさして「歯止め」といっている。

例えば仕様の確認不足でサンプル不合格となった場合、「仕様確認チェックシート」などを作り仕様確認作業を標準化することである。
しかし一番大きな歯止めは、前述したサンプル出荷判定会議である。

サンプル不合格の原因は、仕様の未確認だけではない。
製造の問題、治具の問題、測定方法などいろいろな問題があるはずである。
それらの問題が出てくるたびに、問題解決の行動を起こすのではない。
問題が発生したら自動的にアクションがとられる仕組みを準備しておくのだ。

こちらもご参考にQCC道場


このコラムは、2011年6月20日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第210号に掲載した記事に加筆したものです。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

QCC道場無料説明会

第二期QCC道場お申し込み受付中

QCC道場のご興味がある経営者様のために、QCC道場開催の目的や実際の研修内容などをご説明します。

日時:8月11日(金)15:00〜17:00(終了)
   8月18日(金)15:00〜17:00(終了)
   8月24日(水)15:00〜17:00(終了)
   9月1日(金)15:00〜17:00
会場:弊社オフィス
   東莞市莞城区東城西路181号 金澳大厦二期C座502室

お名前(必須)

メールアドレス(必須)

ご参加日程(必須)

8月11日8月18日8月24日9月1日

ご参加人数(必須)

改善人財の育成

 私の仕事はお客様の生産現場を改善することだ。生産性を上げる、品質を上げる、リードタイムを短縮するなど、お客様のお客様に価値が提供できる事を改善といっている。しかし本来の目的は、ここではない。

コンサルが現場に入って改善する。すぐに成果は出るが、これでは改善が継続しない。得られた改善を維持できないこともありうる。
私の本来の仕事は、お客様の生産現場に改善が定着し、改善が継続するようにすることだと考えている。

従って改善を維持・継続する人財を育成することが、本来の目的になる。

そのために現場での指導では、なるべく教えないようにしている(笑)
「教えない」という言い方は極端だが、改善リーダが自分で改善したと感じれば、リーダの改善意欲は高まるだろう。意欲を高めることができれば、自ら成長する。「馬を水場に連れて行くことはできても、馬に水を飲ませることはできない」というが、馬が自ら水場にゆき水を飲むように仕組むわけだ。

研修でも、講師と受講生との間で一方通行に教えても効果はあまりない。
座って講師の話を聞くだけではなく、頭や手を動かすことで効果が上がる。受講生間での「学び合い」「教え合い」が、研修効果をさらに高めるはずだ。

研修効果に関しては、吉田新一郎氏の著作が参考になる。
社内研修や、会議での部下育成の参考にしていただきたい。

「効果10倍の教える技術」
「『学び』で組織は成長する」

こういう考えで、現場の指導や研修のプログラムを考えている。
そして今年から「QCC道場」を開催することにした。
以前から実践的なQCC研修のプログラムを提供している。

改善リーダ育成のため、QCC活動を実践する研修だ。
QCC活動のスタートアップや、レベルアップのためにご利用いただいている。この研修では、社内から選抜された改善チームをが改善活動を実践する。

新たに開始する「QCC道場」も同様にQCC活動の実践を通して学んでいただく。
通常の研修と異なる点は、違う会社のチームが合同で実践研修するところだ。異なる会社、異なる業種・業界の改善リーダが、一緒に学び合い、教え合う環境でより効果を高めたいと考えている。

改善リーダがチームを率いて参加されるのもいいが、改善リーダでチームを作り参加され社内に戻り、参加者それぞれが自分のチームを作り活動をする、そんなやり方で研修の費用対効果を高めていただくをこと想定している。

QCC道場の詳細はこちらをクリック。

QCC道場

index_sQCC道場の目的

中国工場の改善が進まない。
中国人現場リーダが自主的に改善できない。
日本人幹部が現場で指導しないと改善が進まない。
このような現状を打開するために、
中国人リーダを育成し、問題・課題発見能力、問題解決能力を高めたい。
中国工場の現場を指示待ち集団から考える軍団に変えたい。
このようなお考えの経営者様のために、QCC活動の実践指導を通して現場改善リーダの改善能力育成を目的とします。
QCC活動のレベルアップに最適。

index_sQCC道場の研修方法

クオリティマインドの研修会場に5、6社のQCサークルに集まっていただき、QCC問題解決の8STEPを講義をすると共に、実際に各サークルの活動テーマに合わせてQCC活動を実践指導します。

index_sQCC道場の研修効果

改善活動を実践することによる改善効果。
現場リーダの改善能力向上、改善意欲向上による社内改善活動の継続。
改善活動の継続による改善文化の構築。
他社のQCサークルと一緒に活動することにより、他社事例のベンチマーキング・ベストプラクティスが可能となる。
他社と一緒に活動することにより、活動のモチベーションが上がる。
改善リーダによりチームを作ることにより、研修後受講生が社内に戻り各々がサークルリーダとして改善活動を推進することを想定しています。

index_sQCC道場の日程(7日+発表会)

【1日目】講義・演習
講義・演習:

QCCの歴史
QCC活動の目的
QCC活動の応用
STEP1.テーマ選定

【この回で勉強するQC手法】

プロアクティブミーティング
マトリックス図

自主活動

テーマの設定

【2日目】講義・演習
自主活動の発表:

テーマの設定

講義・演習

STEP2.現状把握

【この回で勉強するQC手法】

パレート図
バラツキについて
工程能力指数(Cp,Cpk)
ヒストグラム
層別
アローダイアグラム

自主活動

現状把握
 


【3日目】講義・演習
自主活動の発表:

現状把握

講義・演習

STEP3.目標設定
STEP4. 原因の解析

【この回で勉強するQC手法】

ブレーンストーミング
親和図法(KJ法)
特性要因図
FTA(故障樹法)
連関図法
なぜなぜ5回

自主活動

目標設定
原因の解析

【4日目】講義・演習
自主活動の発表:

目標設定
原因の解析

講義・演習

STEP5.解決策の選定と実行

【この回で勉強するQC手法】

発想チェックリスト
系統図法
M-DM表
ABC分析
PDPC法

 

自主活動

解決策の選定と実行


【5日目】講義・演習
自主活動の発表:

解決策の選定と実行

講義・演習

原因分析・解決策の見直し

自主活動

原因分析・解決策の見直し

【6日目】講義・演習
自主活動の発表:

原因分析・解決策の選定と実行

講義・演習

STEP6.効果の測定
STEP7.歯止め
STEP8.反省と今後の取り組み

【この回で勉強するQC手法】

レーダーチャート

自主活動

効果の測定
歯止め
反省と今後の取り組み
発表準備


【7日目】講義・演習
自主活動の発表:

効果の測定
歯止め
反省と今後の取り組み
発表準備

講義・演習

発表練習

自主活動

発表準備

【8日目】成果発表会(半日)
成果発表会

成果発表
講評
審査結果の発表
表彰式

経営トップ、経営幹部も審査員として参加


index_s開催日程

第一期:2017年4月13日(木)開催済み
第二期:2017年9月7日(木)開始

第二期QCC道場無料説明会

品質指標

 金属部品加工工場のお客様で、QCC活動の実践研修をしている。
11サークルのメンバーに、課題設定から発表までを、実際に活動する形で指導している。

各サークルとも大変興味深い(成果の出そうな)テーマに取り組んでおり、毎回指導を楽しみにしている。
先週は各サークルから、原因解析のステップを発表してもらった。
「ロット不良の低減」をテーマに取り組んでいるサークルの発表を聞いても、全く理解できない。こういう場合は、研修室を出てすぐ現場に行くことにしている。

4月にロット不良が44件もあった。これを8件までに減らす目標を立てている。
しかしその原因解析が、要領を得ない。
現場で分かったコトは、このサークルは製造部門のサークルではなく、IPQC(工程内品質管理)部門のサークルである。彼らが発見するロット不良を、減らしたいと言うテーマだ。

製造部ならばロット不良を減らすことが目標となるのは分かるが、IPQCがなぜロット不良低減を目標としているのか理解が出来ない。IPQCはたくさん不良ロットを見つけるのが成果だ。ロット不良を減らすのは目標にならない。

理解不能の原因はこの工場のロット不良の定義にあった。
この工場では、自動生産設備が生産している部品を、2時間に一回10個抜き取り検査を行い、不良が見つかるとロットアウトとして廃棄処分をする。しかし彼らはそれをロット不良としてカウントしない。2時間以内に見つけられなかった場合をロット不良として定義している。

IPQC検査員は12台の設備を巡回しながら、抜き取り検査をしている。従って一回の検査を10分以内に完了しないと、12台の設備の抜き取り検査に2時間以上かかってしまう。この時不良を見つけると、ロット不良となる。

考え方としては、IPQCが不良を適時に発見した場合はロット不良としない(製品は廃棄)ということだ。製造部や、設備メンテナンスの部門にとって明らかにロット不良であるが、IPQCがその損失を最小限に抑えたのだから、大目に見るということだろう。

これで全てが見えた。
彼らの活動は、ロット不良を減らす、という品質改善のテーマでは無い。2時間以内に12台の設備の抜き取り検査を終わるようにする、という作業改善のテーマなのだ。

ならば話が早い。
IPQC検査員の作業を見て、二次元投影測定器の操作に個人差があるのが分かる。これを改善すれば良いのだ。特定のIPQC検査員が出来ていないだけなので、この改善で2時間以内は全員が達成できるだろう。

しかし2時間に一回抜き取り検査というのは、自分たちの都合で決めた決まりだ。もし1時間に1回抜き取り検査をすれば、不良損失は半分になる。
本来不良をなくすのが改善だが、IPQCのメンバーにとっては検査時間を半分にするのが改善のはずだ。
こういう話を現場のリーダにすると即座に「不可能!」と答えが返ってくる。それは今の方法でやっているから、不可能なだけだ。方法を変えれば、可能となる。

その方法を教えたいのは山々だが、ぐっとこらえる(笑)
まず2時間以内をIPQC検査員全員が実現することで、達成感を持ってもらう。その次の課題として「検査時間半分=損失半減」と言う改善に取り組んでもらうことが出来ればと考えている。

ところで御社の品質指標にこのような矛盾が無いだろうか?
一度確かめて見るのが良かろう。正しく定義していると思っていても、現場が運用を変えている場合もありうる。

今回のように、製造部とIPQCで正反対の目標(つまり、一方はたくさん良品を造る。他方はたくさん不良を見つける)を持っている場合、適切にその指標を決めてやらなければならない。
正しい意味でロット不良を減らすことは製造部にとっては、努力しなければならない目標だが、IPQCが同じ目標を達成しようとすれば、検査をしなければ良いのだ。一方IPQCが不良を見逃せば、製造部は何の努力も無く改善できた様に見える。

IPQCの指標を「不良適時発見による損失コストの削減」とし、廃棄しなければならなくなった製品が何時間分(少ない方が良い)としてはどうか。
こうすれば製造部は品質を改善してロット不良を減らす。IPQCは作業改善をして、短時間で抜き取り検査を完了することにより、不良を造り続ける時間を減らす。当面は利害が一致するはずだ。

「当面は」と書いたのは、本来は設備を改善して不良を作らなくする、生産中に良品・不良品の判定機能を付加し、不良が発生したら停止する(人偏のある自働化)というのが本質だからだ。


このコラムは、2011年5月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第207号に掲載した記事です。

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継続力

 継続するという力は、非常に重要だ。
禁煙とか、ダイエットではなく組織の継続力について考えてみたい。例えば、5Sを継続する力のことだ。

5Sを継続させるのは、意外と難しいのではないだろうか。初めは皆一生懸命取り組むが時間が経つにつれて、徐々に熱が冷めてくる。

まずは敷居を低くする。
中国で工場を経営するW社長は、5Sを始める時に、全員に雑巾を配った。当然W社長自身もマイ雑巾がある。これで全員が拭き掃除から始めた。誰でもが出来る事から始めようと思った。とおっしゃっていた。

難しくて敷居が高いようでは、継続などは望めないだろう。敷居を低くして、まずは出来るところから入る。

二番目に責任を明確にする。
W社長の例で言えば、全員が雑巾を持っており、拭き掃除をする場所が決まっている。W社長も自分のデスクの拭き掃除は自分の責任になっている。

掃除ばかりではない。
何かを始める時に、担当者を決め期待する成果を明確にしそれに責任を与える。日本人と違って、責任が曖昧になっているのを中国人は好まない。きちんと誰の責任か決めておく。そしてそれがマンネリにならないように、時々責任者を入れ替える。責任者といっても、管理職のことではない。誰が責任を持ってその仕事をするかということだ。

三番目。コトを造る。
楽しいことは継続できる。これは誰もが同意できるだろう。しかし仕事そのモノは楽しいものではない。仕事を楽しいと感じるのは、仕事を通して得られる達成感、自己成長を実感するからだ。
この達成感や自己成長を、お互いに認め合い、実感するための「コト」を造るのだ。

5Sで言えば、社長の月例巡視で優秀部署を決め、社長が食事会に招待する。これが「コト」だ。
技能を研鑽する継続力を持つために、「技能オリンピック」を年一回開催する。QCC活動を継続する力を与えるために、QCCの成果発表会を開催する。

日常とはちょっと違う「ハレの場」を演出するのが、コト造りだ。

この三つをやれば、継続力がつく。
規則・罰則で継続力をつけようという発想ではうまくゆかないだろう。イソップ童話に出てくる、北風と太陽が旅人のコートを脱がせようとした逸話と同じだ。旅人にムリにコートを脱がせようとするより、脱ぎたいと思わせればよいのだ。継続も同じで、継続したいと皆に思わせるのがベストだ。


このコラムは、2010年9月13日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第170号に掲載した記事です。

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