タグ別アーカイブ: QCC

相互学習支援

 私は、生産現場の改善を生業としている。前職時代から同様の仕事を永らくしている。独立後仕事のやり方が変わった。独立後暫くの間は、自分で改善案を考え、顧客のメンバーが現場に展開すると言う方法だった。

例えば、ベルトコンベアラインで作業している工員さんの座る向きを変えれば、ワークの取り置きは左手で出来る。従って右手に持った工具を取り置きする必要が無くなる。と言う具合に現場で顧客の改善リーダに教えていた。
このやり方でどんどん成果が出る。自分も充実感を感じていた。

しかし暫くして、このやり方ではダメだと気が付いた。このやり方で成長するリーダが限られている事に気がついたのだ。優秀なリーダは、教えられた事を水平展開する意欲を発揮し、自分で工夫し出す。私はリーダがこのレベルに到達する事を目指しているのだが、大半は次は何をしましょうか?と受け身のままだ。

そこで教え方を変えてみた。先ほどの事例で言えば、右手でコンベアのワークを取り置きするたびに、工具を一度置くのがムダだ。どうすれば改善出来る?と質問する事にした。

以前は、改善方法を教えて、その理由を説明していた。
それを、問題点を指摘して、改善方法を考える様に質問することにした。

このやり方で、自分なりに指導方法が改善出来たと考えていた。しかしまだまだだと、後に気がつく(笑)

きっかけは吉田新一郎氏の書籍を読んだ事だ。

「効果10倍の教える技術」

「『学び』で組織は成長する」

吉田氏は大人への教授法について、色々な手法を紹介してくれている。その後吉田氏の著作は翻訳も含めて何冊か読んでみた。

そして今キーワードになっているのが「相互学習支援」だ。「講師から学習者への1対1もしくは1対nの一方向の教授法」から「講師と学習者間の1対1もしくは1対nの双方向教授法」と自分なりに進化したが、更に「講師と学習者および学習者対学習者のn対n双方向学習支援」という考え方に至った。

例えば、研修中の演習成果発表を講師が評価するのではなく、学習者全員で評価する、こういうやり方が相互学習支援のひとつだ。

相互学習支援により、

  • 学習者間の信頼関係が深くなる。
  • 学んだ事をアウトプットする事により、より学習効果が高まる。

等の効果があると考えている。

私の様に期間限定で外部から改善指導をする様な場合、特にこの考え方が有効だと考えている。

例えばQCC活動の様に、指導者がいない場面でもサークルメンバーだけで活動を推進して行く場合に「相互学習支援」は普通に発生しているはずだ。


このコラムは、2017年7月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第543号に掲載した記事に加筆修正しました。

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ブレインストーミング

 先週末は品質道場で「新QC七つ道具」を勉強した。
少人数で実習を取り入れながらやっている。知識だけではなく、即応用の能力を磨いていただいている。

ところで新QC七つ道具は一般的には、以下の7つをいう。

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アローダイアグラム
  • PDPC法
  • マトリックスデータ解析法
  • 問題の原因分析や対策立案などに威力を発揮する手法が取り揃っている。
    品質道場では、マトリックスデータ解析法の代わりにブレインストーミングを入れている。

    マトリックスデータ解析法とは多変量解析の一つであり、顧客アンケート結果から顧客要求の傾向を掴む、などの応用に使える。しかし工場の改善活動などに関わる人たちに活用する機会は少ない。より汎用性が高く、活用できる場面が多いブレインストーミングを覚えた方が良いと考えている。

    ブレインストーミングは、学校教育にも活用されている。ホームルームの時間にブレインストーミングを活用している高校があるそうだ。また企業内での企画会議で、ブレインストーミングをすると良いアイディアが出るだけでなく、チームの結束が高まる、仕事が楽しくなるなどの効果がある。

    面白法人「カヤック」という変わった企業の創業者・柳澤大輔氏は社内でブレインストーミングを活用していると言っておられた。

    参考:「カヤックが社員に約束できること」」

    初めてQCC活動をするメンバーを集め、自工程や他の工程の改善課題をブレインストーミングであげると、あっという間に5、60個の改善課題が出てくる。「言えない問題」「言ってはいけない問題」が一気に噴出してくる(笑)
    工程の組長さんたちの関係が悪化するのではなかろうかと心配したが、無用の心配だった。逆に組長さんたちがお互いの苦労を理解し合い、助け合う機運が生まれた。
    ブレインストーミングにはルールがある。正しく運用すればこうなるはずだ。
    正しく運用しないと「話し合い」は「言い合い」になってしまう。


    このコラムは、2017年8月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第548号に掲載した記事に加筆修正しました。

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表現力

 独立して13年余り、多種多様な生産現場で改善のお手伝いをして来た。前職勤務時に生産委託先の指導をして来た期間を入れると20年余りになる。

生産委託先の品質・生産性改善指導をしていた時は、自分の中でこのくらいは改善できるだろうと目算し取り組んでいた。リーダシップを発揮し、指導先のリーダを巻き込んで改善する方式だった。

独立してこれでは効率が悪いことに気がついた。目標を提示し、改善方法を教え改善リーダを育成する。その結果業績に貢献し、改善リーダの能力も向上する。しかしそれは「与えられた経験」だ。自ら勝ち取った経験ではない。
そんなことを考える様になった。

問題発見能力・解決能力を高め、継続的に改善活動を進める意欲を高める。
これを効率よくやるためには、自分で問題を発見し解決する。そして達成感を感じることが必要だと考えている。

そんなわけでQCCストーリィを意識した指導をして来た。
改善活動のテーマ・目標も指導先のリーダたちが話し合って決める。もちろん自由気ままに活動してもらうわけではない。業績に直結するテーマを選ぶ様に、成果が出る様に導く。成果が達成感となり、継続の意欲が高まるからだ。

例えば、直行率が80%の工程の改善をする。目標は18%改善、直行率98%にする。こういう目標をメンバーが決めると、指導をするわけだ。

同じ活動テーマでも、言い方を変えれば「20%の不良を1/10に減らす」となる。同じことだが18%改善という目標より、不良を1/10に減少の方がより高い目標の様に感じる。成果も同様だ。達成感が違う。達成感が自信につながる。さらに改善効果を金額換算する。より実感が湧くだろう。

活動の内容も成果も同じだが、表現を変えるだけでメンバーの達成感が上がり、さらに改善を続けようという意欲が湧く。


このコラムは、2018年8月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第702号に掲載した記事に加筆しました。

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中国的QCC事情

 先週土曜日に,広東省質量協会,広東省科学諮詢服務中心主催のQCC成果発表大会「2011科技創新与QC小組成果発表大会」に招待され参加してきた.

1日半で50ほどのテーマ発表をするという,超過密スケジュールだった.
私は,家電メーカ・美的集団,エアコンメーカ・格力,志高,Welling,洗剤メーカ・立白,通信関連・Skywordなど16のテーマ発表を聞いた.全て中国企業のサークルだ.

昔,日本のQCCが活発だった頃を思わせる活気があり,発表者は皆活き活きと発表していた.彼らはまったく原稿を見ずに15分の発表をする.よほど練習をしたのであろう.十分熱意が伝わる発表であった.

発表内容は,ほとんどが不良低減など「問題解決型」のテーマであった.しかも全てが製造部門を中心とした発表であり,間接部門の発表はなかった.このあたりも,日本でQCCが活発だった頃と状況は似ている.

取り組んだ内容を見ると,設計問題としか思えない不良がいくつもあった.本来生産前に解消しておくべき問題点が,先送りされ工程内不良として認識され,対策を打っている,という状況にあるようだ.

初歩的な設計ちょんぼが散見され,まだまだ私が貢献できそうな領域が残っていると確信した(笑)

そんな中に1件だけ「課題達成型」といえる発表があった.
問題を解決するのではなく,「生産効率を2倍にする」の様な課題を設定して,それに取り組む活動を「課題達成型」と呼んでいる.したがって原因分析よりは「あるべき姿」を明確にし,現状とあるべき姿のギャップをいかにして埋めるのか,という活動になる.

問題を解消するのではなく,「現状打破」「新規業務」に対する取り組みには,課題達成型の活動が適している.特に間接部門の取り組みは,問題解決型のQCストーリィに違和感があり,課題達成型のQCストーリィで取り組むとうまく行く事例が多い.

今回の発表でも,課題達成型で取り組んだほうがうまく行きそうなテーマが他にも2件ほどあった.
問題解決型で取り組んでいるため,あるべき姿を明確にせずに,原因分析をして,「非要因」「要因」と振り分けてしまっている.「非要因」の中にあるチャンスを捨てることになる.

実は以前勤務していた会社では1990年代に,間接部門の取り組みや,更に大きな成果を目指した取り組みを活発にするために,「課題達成型」「顧客指向型」というQCストーリィを追加し,「問題解決型」QCストーリィと合わせ新しいQCストーリィを再構成した.

中国企業のQCCへの取り組みは,我々の1990年代の取り組みに一歩近づいたといえるだろう.発表会の熱気や,活動メンバーたちの熱意を考えると,日本をキャッチアップするのはそう遠い時期ではないと感じた.

50数テーマの発表の中に日系企業の発表は1テーマしか確認できなかった.うかうかしていられない.日系企業も,中国企業のQCC活動と交流し,刺激を受けた方がよい.

QCC活動の適切な指導をし,成果とともに,人材の育成を図らなければ,日本企業の優位点はあっという間に埋められてしまうという危機感を持った.

こちらの記事もご参照ください.「中国的QCサークル事情」

「課題達成型」「顧客指向型」の新しいQCC活動詳細については,こちら書籍をご参照いただきたい.
続QCサークルのためのQCストーリー入門


このコラムは、2011年4月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第201号に掲載した記事に加筆しました。

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視線を上げる

 以前メルマガで、二宮尊徳の「遠きを計る者は富み、近くを計る者は貧す」と言う言葉をご紹介した。

「遠きを見て計る」
参考:「二宮尊徳の経営学」童門冬二著

言うまでもないが、企業の中でも遠くが見えている者は仕事ができる。
目の前を見て仕事をしている者より、視線を上げ遠くを見て仕事をする者が大きな成果を出せるはずだ。

職位が上がれば視線も上げる必要がある。逆に言えば現状の職位より一つ二つ上位職の視線を持っている者が昇進するのだろう。

昨年から始めたQCC道場では、二期でのべ14サークルの指導をした。
経理、課長クラスがリーダのサークル、班長・組長クラスだけのサークルが混在した状態で実践活動を指導した。

例えば班長・組長だけのサークルは、作業効率改善のテーマで3人の作業を2人で出来るようにする、という目標を立てたりする。33%も効率が上がる。立派なテーマではあるが、少し視線を上げて課全体を見渡すことができれば、同じ改善で10人の作業を6人にすることも可能だろう。

当然班長・組長が任されている仕事の範囲からすれば、3人を2人に改善するだけで十分だ。しかし普段から視線を上げる訓練をしておけば、上位職に昇進しても即力を発揮できるだろう。

誰でもちょっとしたきっかけで、視線を上げることができる。「目から鱗が落ちる」と言うが、まさに上を遮っていた頭の中のフィルターがポロリと落下し視界が広がる。

教えるより気づかせる。
指導者対学習者の学びだけではなく、学習者相互の学びの効果を入れる。
QCC道場はこんな考え方で視線を上げ、実践により問題発見、問題解決能力と意欲を高めることを目指している。


このコラムは、2018年4月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第648号に掲載した記事に加筆したものです。

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企業交流

 毎週配信しているメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】の「今週のニュースから」のコラムでは、他社、他業種、他業界の事例を学び、自社の未然防止対策を考えようとしばしば申し上げている。
しかし「他社の事例を学ぶ」と言っても、そうは簡単ではない。私のコラムもニュース記事からの推測になっている部分も多い。(推測であっても、思考訓練として重要なので、自分なりにケーススタディを続けている)

ではどうすればより深く他社事例から学びを得られるか。多くの企業と交流するチャンスを持てば良いのだ。

私は職業柄、業種・業界を越えて色々な企業を訪問するチャンスがある。元は多品種微量生産の重電メーカの設計者、後に量産電源の品質保証だった私は、職業人生の中で、非常に多くの業種・業界の企業と交流があった。今の仕事になってそれが加速している。

今、顧問先で指導しているQCC活動で総務部門が「従業員満足の向上」と言うテーマで課題達成型のQCC活動に取り組んでいる。サークルメンバーに、まず従業員が満足して働ける理想状態を定義してみよう、と指導しているが、どうにも思い浮かばないそうだ。そこで、私の知り合いの工場にお願いして、工場見学交流会をしていただくことになった。

自社の専業に関わる技術については、そうは簡単に公開出来ないだろうが、従業員満足のためにどんな取り組みをしているのか、お互いに交流する事は可能だ。しかも業界が全く異なるので、お互いの利害関係は、害する所は極小となり、利する所が大きくなるはずだ。

この様な交流を上手くやるコツは、まずこちらから公開出来る情報を先に出す事だ。ジャンケンは後出しが必勝テクニックだが(笑)情報は先に出した方が上手く行く場合が多い。交渉ではないのだ。先方から情報がいただきたいのであれば、先に良質な情報を提供するに限る。

水は高いところから低いところに流れる。しかし情報は低い方から高い方に集まるのだ。私はこれを「逆エントロピー増大の法則」と呼んでいる(笑)(念のために申し上げておくが、熱力学にも、情報工学にも逆エントロピー増大の法則などと言う法則は無い)

現に私の周りにはその様な志しの高い人が集まっており、色々な交流が行われている。


このコラムは、2015年3月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第417号に掲載した記事に加筆したものです。「今週のニュースから」は「失敗から学ぶ」と改題し同じ趣旨で継続執筆しています。

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QCC活動の原点

QCC活動の原点は、品質管理(QC)を職場単位で勉強する勉強会でした。

第二次大戦後、日本の製造業に対しデミング博士が品質管理を教えてくれました。その理論を勉強するのがQCC活動の始まりでした。
勉強会から職場の品質問題を解決する実践活動に変化し、さらにその範囲が製造現場から間接職場に広がり、製造業からサービス業にまで拡大しています。

この日本発の活動は世界に拡大し、TQC(Total Quality Control)、TQM(Total Quality Managiment)と進化しています。

ヒューレット・パッカード社のTQM、GE社のシックスシグマも日本のQC活動から派生しているのです。
横河ヒューレット・パッカード(YHP)が1970年代にQC活動を導入し成果を上げ、それを米国本社にも展開しました。導入時に10年で市場故障1/10の目標を掲げたQCC活動により、無償修理コストは10億米ドル(全不良品質コストではその3倍以上)の節約、在庫資産で5億米ドルの節約という成果を上げています。
参考:YHP初代社長・笹岡さんの論文

シックスシグマはモトローラから始まっていますが、GEにシックスシグマが根付いたのはGEの医療機器事業部門と横河電機の合弁会社GE横河メディカルシステムのQCC活動が貢献しています。

私自身は横河電機でQCC活動を学び、後半は品質保証部門の責任者として事業部内でのQCC活動推進・指導の立場にありました。独立して14年目となりましたが、製造現場の品質改善、生産改善のお手伝いの原点はQCC活動にあります。

改善リーダの能力と意欲を向上することにより、顧客の業績に貢献する。リーダの能力・意欲向上は業績に対して累積的かつ波及的に貢献するはずです。QCC道場はそのような理想状態を目指して始めました。

2017年から第一期、第二期QCC道場を開催しました。
2018年4月から第三期QCC道場を開催します。

QCC道場詳細

第二期の活動の様子

お問い合わせ・お申し込みはこちら

第二期QCC道場

第二期QCC道場は日本企業の広東省3工場とその仕入先工場、合計7社・14サークルで開催しました。
QCC手法を勉強しながら、各サークルが1テーマ実践しました。
活動の様子を動画にしました。

※flashを有効にしてください

QCC道場では、

  • 会社方針・部門方針に合わせ重要度・緊急度などを勘案しテーマを決める。
  • 現状を把握し解決課題・目標を決める。
  • 解決課題の原因を分析し対策を実施する。
  • 対策の効果を測定し、必要があれば追加の対策を実施する。
  • 対策の効果が維持・拡大するように歯止めをかける。
  • 活動結果・過程を反省し次回の活動を決める。
  • 活動成果を発表する。

以上のステップとQC手法を学びながら、実際のテーマを実践します。

品質道場の目的は、上記の実践活動により改善リーダを育成し企業の業績に貢献することです。
参加したメンバーはQC手法などの知識だけではなく、実践活動の体験を通して改善能力・改善意欲を高めることができます。

詳細は「QCC道場」でご確認いただけます。

中国人とQCC活動

 今年最後の仕事は,お客様の工場に泊まり込んで,QCC活動の指導だ.
初めてQCCをやる人たちなので,QCストーリィを1ステップずつ教え,実際の現場での問題を課題にして活動を進めている.

製造部門から各職場のリーダ,設計部門のリーダ,品証部のリーダを選抜し,製造担当の副総経理も交えてやっている.
サークルの名前を決める所はすんなり決まった.
テーマ選定からケンケンガクガクの盛り上がりとなった.職場の問題を列挙する所から白熱し,37個の問題が出て来た.当分活動テーマには困らないだろう(笑)

その中からテーマとして一つ選ぶ際に,マトリックス図法を使って,重要度,緊急度,効果などに評点を入れてもらったが,全部◎か,QCCで取り上げずに普段の活動で解決する,の二通りとなってしまった(笑)

これじゃ駄目だとコメントしても,全然話を聞いていない(笑)
皆自分の主張をそれぞれに言い合って,収拾がつかなくなる.先が思いやられたが,意外にもすんなり全員一致でテーマが決まる.どうも,普段の苦労や不満が爆発して,白熱した様だ.

テーマはなんと「龍頭換面」となった(笑)
これでは何の事か分からないので,サブテーマを付けてもらうことにした.

現状把握をして,活動の目標を決定しようとしたが,不良のデータがない.不良率を聞いても,全数問題があると言う.
現場を見を見たら一目瞭然だった.私にいわせれば,全部設計問題だ.それを製造部が,何とか苦労して製品に作り上げている,という状況の様だ.更に,モノ造りの精度がきちんと出ていないので,全部現物合わせで生産している,というのが実情だ.
中国企業を相手にしていると,このくらいの事では驚かなくなる(笑)

これでは現状把握が出来ないので,ブレーンストーミングで問題を掘り下げ,KJ法でまとめる作戦を取った.
まずブレーンストーミングが分からない.一人ずつ紙に書いて,それを「投票」し一番多い問題点から着手しようとする(苦笑)彼らはチームで考えるのが苦手の様だ.
何とか誘導し,一番問題のある部位に着目する事した.取り上げた問題は,設計,製造,仕入れ先の問題が絡み合っており,改善の難易度が相当高そうだ.

初めての活動で,こんなに難易度を上げても良いか迷ったが,メンバーが異常に盛り上がっており,これで行くことにした.原因分析と対策の検討に,少し関与しヒントを出すことになるだろう.

目標は,現状3人・8時間の作業を2人・4時間に改善,となった十分挑戦的目標だ.当初彼らが設定したのは,2人・1時間.さすがにこの改善目標は思いとどまってもらった(笑)
久々に面白いコンサル仕事になりそうだ(笑)


このコラムは、2012年12月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第290号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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中国的QCサークル事情

 最近中国でQCサークル活動を指導している中国人と知り合った.中国の経営者は,日本的モノ造りの優位性を信じており,QCサークル活動に対しても少なからぬ期待を持っているようだ.

中国では,既に製造業以外でもQCサークル活動が行われている.
上述の中国人QCサークル指導者は中国の通信系会社(携帯電話キャリア)でもQCサークル活動の指導をしている.

ところで,本家であるはずの日系中国工場のQCサークル活動状況は,あまりぱっとしない.大手企業はQCサークル活動を導入しており,グループ会社間で交流会を開催しているところもある.
しかし中堅・中小の工場ではQCサークル活動を導入しているところは多くはない.

QCサークル活動は,活動そのものによる改善効果だけではなく,チームワーク,仕事を通した求心力の醸成,問題解決能力,プレゼンテーション能力などの開発が期待できる.

中堅・中小企業の場合,適切な指導者が社内にいないなどの理由があり,QCサークル活動の挿入に踏み切れない.また外部から指導者を招聘すれば,費用の負担が大きくなる.などの理由により,なかなかQCサークル活動が活性化しないようだ.

また日本でQCサークル活動が停滞しているのも一つの要因だろう.
しかし中国では,リーダクラス育成のためのOJT効果を期待してQCサークル活動を再生できると考えている.

異業種交流の形をとって,QCサークル活動を導入するなどの方法を考えれば,中堅・中小企業にも比較的容易に導入可能だと思う.

日本で生まれ,日本の経済発展に貢献したQCサークル活動が,中国企業だけで活性化しているのを見るのは大変残念だ.

こちらの記事もご参照ください.「中国的QCC事情」


このコラムは、2010年10月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第154号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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