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中国的QCC事情

 先週土曜日に,広東省質量協会,広東省科学諮詢服務中心主催のQCC成果発表大会「2011科技創新与QC小組成果発表大会」に招待され参加してきた.

1日半で50ほどのテーマ発表をするという,超過密スケジュールだった.
私は,家電メーカ・美的集団,エアコンメーカ・格力,志高,Welling,洗剤メーカ・立白,通信関連・Skywordなど16のテーマ発表を聞いた.全て中国企業のサークルだ.

昔,日本のQCCが活発だった頃を思わせる活気があり,発表者は皆活き活きと発表していた.彼らはまったく原稿を見ずに15分の発表をする.よほど練習をしたのであろう.十分熱意が伝わる発表であった.

発表内容は,ほとんどが不良低減など「問題解決型」のテーマであった.しかも全てが製造部門を中心とした発表であり,間接部門の発表はなかった.このあたりも,日本でQCCが活発だった頃と状況は似ている.

取り組んだ内容を見ると,設計問題としか思えない不良がいくつもあった.本来生産前に解消しておくべき問題点が,先送りされ工程内不良として認識され,対策を打っている,という状況にあるようだ.

初歩的な設計ちょんぼが散見され,まだまだ私が貢献できそうな領域が残っていると確信した(笑)

そんな中に1件だけ「課題達成型」といえる発表があった.
問題を解決するのではなく,「生産効率を2倍にする」の様な課題を設定して,それに取り組む活動を「課題達成型」と呼んでいる.したがって原因分析よりは「あるべき姿」を明確にし,現状とあるべき姿のギャップをいかにして埋めるのか,という活動になる.

問題を解消するのではなく,「現状打破」「新規業務」に対する取り組みには,課題達成型の活動が適している.特に間接部門の取り組みは,問題解決型のQCストーリィに違和感があり,課題達成型のQCストーリィで取り組むとうまく行く事例が多い.

今回の発表でも,課題達成型で取り組んだほうがうまく行きそうなテーマが他にも2件ほどあった.
問題解決型で取り組んでいるため,あるべき姿を明確にせずに,原因分析をして,「非要因」「要因」と振り分けてしまっている.「非要因」の中にあるチャンスを捨てることになる.

実は以前勤務していた会社では1990年代に,間接部門の取り組みや,更に大きな成果を目指した取り組みを活発にするために,「課題達成型」「顧客指向型」というQCストーリィを追加し,「問題解決型」QCストーリィと合わせ新しいQCストーリィを再構成した.

中国企業のQCCへの取り組みは,我々の1990年代の取り組みに一歩近づいたといえるだろう.発表会の熱気や,活動メンバーたちの熱意を考えると,日本をキャッチアップするのはそう遠い時期ではないと感じた.

50数テーマの発表の中に日系企業の発表は1テーマしか確認できなかった.うかうかしていられない.日系企業も,中国企業のQCC活動と交流し,刺激を受けた方がよい.

QCC活動の適切な指導をし,成果とともに,人材の育成を図らなければ,日本企業の優位点はあっという間に埋められてしまうという危機感を持った.

「課題達成型」「顧客指向型」の新しいQCC活動詳細については,こちら書籍をご参照いただきたい.
続QCサークルのためのQCストーリー入門


このコラムは、2011年4月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第201号に掲載した記事に加筆しました。

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【中国生産現場から品質改善・経営革新】

視線を上げる

 以前メルマガで、二宮尊徳の「遠きを計る者は富み、近くを計る者は貧す」と言う言葉をご紹介した。

「遠きを見て計る」
参考:「二宮尊徳の経営学」童門冬二著

言うまでもないが、企業の中でも遠くが見えている者は仕事ができる。
目の前を見て仕事をしている者より、視線を上げ遠くを見て仕事をする者が大きな成果を出せるはずだ。

職位が上がれば視線も上げる必要がある。逆に言えば現状の職位より一つ二つ上位職の視線を持っている者が昇進するのだろう。

昨年から始めたQCC道場では、二期でのべ14サークルの指導をした。
経理、課長クラスがリーダのサークル、班長・組長クラスだけのサークルが混在した状態で実践活動を指導した。

例えば班長・組長だけのサークルは、作業効率改善のテーマで3人の作業を2人で出来るようにする、という目標を立てたりする。33%も効率が上がる。立派なテーマではあるが、少し視線を上げて課全体を見渡すことができれば、同じ改善で10人の作業を6人にすることも可能だろう。

当然班長・組長が任されている仕事の範囲からすれば、3人を2人に改善するだけで十分だ。しかし普段から視線を上げる訓練をしておけば、上位職に昇進しても即力を発揮できるだろう。

誰でもちょっとしたきっかけで、視線を上げることができる。「目から鱗が落ちる」と言うが、まさに上を遮っていた頭の中のフィルターがポロリと落下し視界が広がる。

教えるより気づかせる。
指導者対学習者の学びだけではなく、学習者相互の学びの効果を入れる。
QCC道場はこんな考え方で視線を上げ、実践により問題発見、問題解決能力と意欲を高めることを目指している。


このコラムは、2018年4月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第648号に掲載した記事に加筆したものです。

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企業交流

 毎週配信しているメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】の「今週のニュースから」のコラムでは、他社、他業種、他業界の事例を学び、自社の未然防止対策を考えようとしばしば申し上げている。
しかし「他社の事例を学ぶ」と言っても、そうは簡単ではない。私のコラムもニュース記事からの推測になっている部分も多い。(推測であっても、思考訓練として重要なので、自分なりにケーススタディを続けている)

ではどうすればより深く他社事例から学びを得られるか。多くの企業と交流するチャンスを持てば良いのだ。

私は職業柄、業種・業界を越えて色々な企業を訪問するチャンスがある。元は多品種微量生産の重電メーカの設計者、後に量産電源の品質保証だった私は、職業人生の中で、非常に多くの業種・業界の企業と交流があった。今の仕事になってそれが加速している。

今、顧問先で指導しているQCC活動で総務部門が「従業員満足の向上」と言うテーマで課題達成型のQCC活動に取り組んでいる。サークルメンバーに、まず従業員が満足して働ける理想状態を定義してみよう、と指導しているが、どうにも思い浮かばないそうだ。そこで、私の知り合いの工場にお願いして、工場見学交流会をしていただくことになった。

自社の専業に関わる技術については、そうは簡単に公開出来ないだろうが、従業員満足のためにどんな取り組みをしているのか、お互いに交流する事は可能だ。しかも業界が全く異なるので、お互いの利害関係は、害する所は極小となり、利する所が大きくなるはずだ。

この様な交流を上手くやるコツは、まずこちらから公開出来る情報を先に出す事だ。ジャンケンは後出しが必勝テクニックだが(笑)情報は先に出した方が上手く行く場合が多い。交渉ではないのだ。先方から情報がいただきたいのであれば、先に良質な情報を提供するに限る。

水は高いところから低いところに流れる。しかし情報は低い方から高い方に集まるのだ。私はこれを「逆エントロピー増大の法則」と呼んでいる(笑)(念のために申し上げておくが、熱力学にも、情報工学にも逆エントロピー増大の法則などと言う法則は無い)

現に私の周りにはその様な志しの高い人が集まっており、色々な交流が行われている。


このコラムは、2015年3月30日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第417号に掲載した記事に加筆したものです。「今週のニュースから」は「失敗から学ぶ」と改題し同じ趣旨で継続執筆しています。

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QCC活動の原点

QCC活動の原点は、品質管理(QC)を職場単位で勉強する勉強会でした。

第二次大戦後、日本の製造業に対しデミング博士が品質管理を教えてくれました。その理論を勉強するのがQCC活動の始まりでした。
勉強会から職場の品質問題を解決する実践活動に変化し、さらにその範囲が製造現場から間接職場に広がり、製造業からサービス業にまで拡大しています。

この日本発の活動は世界に拡大し、TQC(Total Quality Control)、TQM(Total Quality Managiment)と進化しています。

ヒューレット・パッカード社のTQM、GE社のシックスシグマも日本のQC活動から派生しているのです。
横河ヒューレット・パッカード(YHP)が1970年代にQC活動を導入し成果を上げ、それを米国本社にも展開しました。導入時に10年で市場故障1/10の目標を掲げたQCC活動により、無償修理コストは10億米ドル(全不良品質コストではその3倍以上)の節約、在庫資産で5億米ドルの節約という成果を上げてい
ます。
参考:YHP初代社長・笹岡さんの論文

シックスシグマはモトローラから始まっていますが、GEにシックスシグマが根付いたのはGEの医療機器事業部門と横河電機の合弁会社GE横河メディカルシステムのQCC活動が貢献しています。

私自身は横河電機でQCC活動を学び、後半は品質保証部門の責任者として事業部内でのQCC活動推進・指導の立場にありました。独立して14年目となりましたが、製造現場の品質改善、生産改善のお手伝いの原点はQCC活動にあります。

改善リーダの能力と意欲を向上することにより、顧客の業績に貢献する。リーダの能力・意欲向上は業績に対して累積的かつ波及的に貢献するはずです。QCC道場はそのような理想状態を目指して始めました。

2017年から第一期、第二期QCC道場を開催しました。
2018年4月から第三期QCC道場を開催します。

QCC道場詳細

第二期の活動の様子

お問い合わせ・お申し込みはこちら

第二期QCC道場

第二期QCC道場は日本企業の広東省3工場とその仕入先工場、合計7社・14サークルで開催しました。
QCC手法を勉強しながら、各サークルが1テーマ実践しました。
活動の様子を動画にしました。

※flashを有効にしてください

QCC道場では、

  • 会社方針・部門方針に合わせ重要度・緊急度などを勘案しテーマを決める。
  • 現状を把握し解決課題・目標を決める。
  • 解決課題の原因を分析し対策を実施する。
  • 対策の効果を測定し、必要があれば追加の対策を実施する。
  • 対策の効果が維持・拡大するように歯止めをかける。
  • 活動結果・過程を反省し次回の活動を決める。
  • 活動成果を発表する。

以上のステップとQC手法を学びながら、実際のテーマを実践します。

品質道場の目的は、上記の実践活動により改善リーダを育成し企業の業績に貢献することです。
参加したメンバーはQC手法などの知識だけではなく、実践活動の体験を通して改善能力・改善意欲を高めることができます。

詳細は「QCC道場」でご確認いただけます。

中国人とQCC活動

 今年最後の仕事は,お客様の工場に泊まり込んで,QCC活動の指導だ.
初めてQCCをやる人たちなので,QCストーリィを1ステップずつ教え,実際の現場での問題を課題にして活動を進めている.

製造部門から各職場のリーダ,設計部門のリーダ,品証部のリーダを選抜し,製造担当の副総経理も交えてやっている.
サークルの名前を決める所はすんなり決まった.
テーマ選定からケンケンガクガクの盛り上がりとなった.職場の問題を列挙する所から白熱し,37個の問題が出て来た.当分活動テーマには困らないだろう(笑)

その中からテーマとして一つ選ぶ際に,マトリックス図法を使って,重要度,緊急度,効果などに評点を入れてもらったが,全部◎か,QCCで取り上げずに普段の活動で解決する,の二通りとなってしまった(笑)

これじゃ駄目だとコメントしても,全然話を聞いていない(笑)
皆自分の主張をそれぞれに言い合って,収拾がつかなくなる.先が思いやられたが,意外にもすんなり全員一致でテーマが決まる.どうも,普段の苦労や不満が爆発して,白熱した様だ.

テーマはなんと「龍頭換面」となった(笑)
これでは何の事か分からないので,サブテーマを付けてもらうことにした.

現状把握をして,活動の目標を決定しようとしたが,不良のデータがない.不良率を聞いても,全数問題があると言う.
現場を見を見たら一目瞭然だった.私にいわせれば,全部設計問題だ.それを製造部が,何とか苦労して製品に作り上げている,という状況の様だ.更に,モノ造りの精度がきちんと出ていないので,全部現物合わせで生産している,というのが実情だ.
中国企業を相手にしていると,このくらいの事では驚かなくなる(笑)

これでは現状把握が出来ないので,ブレーンストーミングで問題を掘り下げ,KJ法でまとめる作戦を取った.
まずブレーンストーミングが分からない.一人ずつ紙に書いて,それを「投票」し一番多い問題点から着手しようとする(苦笑)彼らはチームで考えるのが苦手の様だ.
何とか誘導し,一番問題のある部位に着目する事した.取り上げた問題は,設計,製造,仕入れ先の問題が絡み合っており,改善の難易度が相当高そうだ.

初めての活動で,こんなに難易度を上げても良いか迷ったが,メンバーが異常に盛り上がっており,これで行くことにした.原因分析と対策の検討に,少し関与しヒントを出すことになるだろう.

目標は,現状3人・8時間の作業を2人・4時間に改善,となった十分挑戦的目標だ.当初彼らが設定したのは,2人・1時間.さすがにこの改善目標は思いとどまってもらった(笑)
久々に面白いコンサル仕事になりそうだ(笑)


このコラムは、2012年12月31日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第290号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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中国的QCサークル事情

 最近中国でQCサークル活動を指導している中国人と知り合った.中国の経営者は,日本的モノ造りの優位性を信じており,QCサークル活動に対しても少なからぬ期待を持っているようだ.

中国では,既に製造業以外でもQCサークル活動が行われている.
上述の中国人QCサークル指導者は中国の通信系会社(携帯電話キャリア)でもQCサークル活動の指導をしている.

ところで,本家であるはずの日系中国工場のQCサークル活動状況は,あまりぱっとしない.大手企業はQCサークル活動を導入しており,グループ会社間で交流会を開催しているところもある.
しかし中堅・中小の工場ではQCサークル活動を導入しているところは多くはない.

QCサークル活動は,活動そのものによる改善効果だけではなく,チームワーク,仕事を通した求心力の醸成,問題解決能力,プレゼンテーション能力などの開発が期待できる.

中堅・中小企業の場合,適切な指導者が社内にいないなどの理由があり,QCサークル活動の挿入に踏み切れない.また外部から指導者を招聘すれば,費用の負担が大きくなる.などの理由により,なかなかQCサークル活動が活性化しないようだ.

また日本でQCサークル活動が停滞しているのも一つの要因だろう.
しかし中国では,リーダクラス育成のためのOJT効果を期待してQCサークル活動を再生できると考えている.

異業種交流の形をとって,QCサークル活動を導入するなどの方法を考えれば,中堅・中小企業にも比較的容易に導入可能だと思う.

日本で生まれ,日本の経済発展に貢献したQCサークル活動が,中国企業だけで活性化しているのを見るのは大変残念だ.


このコラムは、2010年10月24日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第154号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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QCC道場

 私が初めてQCCと出会ったのは、地方都市の超零細企業から東京の一部上場企業に転職した時です。今から37年前です。超零細企業で、当月の給料を稼ぐ仕事をしていましたが、大企業は2年3年後の製品開発をやっている。その格差に愕然としました。今お金になるわけでもないQCC活動を仕事時間中にやっているのにも驚きました。

電子回路の公差設計に疑問を持っていた先輩が電子部品の公差ランクを下げても大丈夫であることを証明したい、という思いが私の初めてのQCC活動テーマになりました。
当時私は、8ビットのパソコンでプログラムを作りシミュレーション実験で証明するアプローチを取りました。統計数学を理解していれば一言で済む話です。今思い出すと赤面します(笑)我々のQCC活動の発表を聞いた大先輩が見かねて、私たちに統計理論の講義をしてくれました。

その後、設計から品質保証に異動となりQCC活動の推進・指導が任務となり、20年ほどQCC活動と関わり続けています。

2005年に独立して中国工場の現場で品質改善・生産性改善のお手伝いをしていますが、QCC手法を応用しています。問題を解決改善するだけではなく、現場リーダの問題発見能力、問題解決能力を高めておけば改善が継続するからです。

昨年(2017年)からQCC道場を始めました。異業種、異業界のサークルが集まり、一緒にQCC活動の方法を学びながら活動を実践する研修です。研修と言っても本物の課題に取り組むので現実の成果が出ます。第一期第二期を通して最高の年間効果金額は350万元を超えています。また一緒に参加しているサークルとの競争意識や、学び教え合う環境は、サークルメンバーの学習効果を上げるための工夫です。

2018年4月12日から第三期QCC道場を開始します。
第三期QCC道場

QCC活動の効果

 今14チームのQCC活動を指導している。概ね完了し、後は成果発表会となる。14チームのうち第一期の4チームは二期連続で活動に参加してくれた。

初めは、こちらが「どうしよう」と頭を抱えてしまうこともあった(笑)
例えば、特性要因図を書かせると人が見ても全く意味がわからない。連関図の同じ列に根本原因と流出原因がつながっている。パワーポイントの使い方が良く分からない。そんなレベルで開始した。

それでも1回目の活動から年間効果金額十数万元から数百万元の成果を出す事ができた。2回目の活動ではQC手法の使い方も様になってきた。

そんな中で、最終発表資料の添削をしていて、思わず目頭が熱くなってきた。
発表資料の最終ページに「総括」として自分たちの進歩を以下のように書いてくれた。
「作業員の品質意識が高まった。
 作業員が問題発生時に自分の見解を言えるようになった。」

活動をした彼ら自身だけでなく、改善対象となった職場の作業員が成長したと言っているのだ。

普通に考えるとそんなことあるはずはない。
QCC活動に参加した職場の管理職や監督職が、頻繁に製造現場に来るようになり自分たちの作業を見てくれる。作業者達は、職場の上司たちが自分たちの仕事に関心を持ってくれ、作業しやすいように改善してくれている、と感じたに違いない。それが作業員までもがモチベーションが上がり、品質意識の向上につながったのだろう。

初めてQCC活動を始めた時にはどうしようかと頭を抱えたチームがここまで来たと実感できた時に、言いようのない喜びを感じた。

他のチームは、QCC道場に参加したメンバーが、社内でそれぞれにチームリーダとなりQCC活動を全社展開している。

QCC道場に参加してくれたメンバーが成長することは当然だが、このようにしてそれぞれの会社に「改善文化」が根付いてゆくのを見ることができ、高揚感を味わっている。

QCC道場は4月から第三期を開始する。


このコラムは、2018年3月2日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第635号に掲載した記事です。

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改善提案

私の友人富田氏は、東莞に工場を立ち上げ10年間で顧客数を50倍近くにし、武漢にも分工場を作った素晴らしい経営者だ。

5Sや生産現場の改善ばかりではなく、中国人幹部が経営に参画し経営計画を作れるように従業員の育成に力を入れておられた。

彼の工場では改善提案制度は3年やってやめたそうだ。
改善提案制度を継続しても、なかなか提案内容のレベルが上がらない。提案件数にノルマをかけたりするとゴミの様な提案ばかりが出てくる。そんな悩みを持っている方も多いと思う。

富田氏は改善提案制度をすっぱりやめ、小集団改善活動に切り替えた。

一つは上司から課題を与えられ、即改善に取り組む活動。もう一つはQCC活動。
改善提案制度は、自主的に考え提案することに慣れていない従業員が多い時には有効だ。しかし従業員の実力が上がってくるとマンネリ化してしまう。そう言う時期にチーム改善活動を導入し、従業員の更なるレベルアップを計るとよいだろう。

私はチーム改善活動をする際に以下の様な手順を踏んでいる。

まず上司を入れて職場の問題や課題を挙げてもらう。初めてこういう活動をする中国企業では、メンバーが大興奮して、後から後から問題点、課題が出てくる(笑)ある中国企業製造部の各職場で、自部門が考える問題点、課題、他部門から見た問題点、課題を各職場ごとに話し合ったら、1時間足らずで47個の課題が出た。47個の課題を改善すれば、とてつもない効果を得ることができる。

これらの問題点、課題を一つずつ検討して以下の3つに分ける。
(1)即改善する。
(2)QCCとして活動する。
(3)何もしない。

この3つに入らないテーマは、もう少し現状を調査することになる。
(1)に分類されたテーマは、担当チームを作り改善活動をする。QCC手法に乗っ取り活動することは要求しない。週次もしくは月次の部門報告会で活動の進捗、成果を確認し必要があれば指導する。

(2)はどう改善したら良いか検討が必要なテーマであり、QCC手法で活動する。これはQCC活動支援の月次会議で活動の進捗確認、支援アドバイスをする。

このような活動とすることにより、直接業績に貢献できる課題に取り組む事ができる。この際気をつけたいのは、どちらのチーム改善活動も、テーマが上司から与えられたモノではなく、自主的に選んだモノであるとチームのメンバーが認識する様にすることだ。上司から無理矢理やらされていると感じれば、メンバーの自主性や成長実感が損なわれる。勘違いでも良い(笑)自主的に活動していると実感できれば、積極的に活動に取り組み、成果、成長実感も高くなる。ここは上司のリーダシップが問われる所だ。

こちらもご参考に「QCC道場」


このコラムは、2016年2月1日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第461号に掲載した記事に加筆修正したものです。

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