異業種交流活動


 先週は、東莞の日系時計メーカ様で第四期QCC道場の成果発表会を開催した。
仕入れ先のメーカを巻き込んでQCC活動を実践している。今回は自社サークル2チーム、仕入れ先3社から3チームが参加し、合同でQCC活動を行なった。

既に4回目となり私はほとんど教えることはない。各チームが互いにコメントしあいながら進めている。第一回期の活動で年間効果金額350万元を叩き出したチームがあった。活動が進むとその様な大きな改善テーマは残っていないが、各チーム安定して成果を出し続けている。

何より課題発見、活動手法、プレゼンテーションのレベルが格段に上がった。
メンバーの成長が最も大きな成果だと考えている。QC手法を使いこなす、課題を発見する能力ばかりではなく、積極的に取り組む行動力が上がっている。

今回の総評では、もっと統計的手法を使おう、と檄を飛ばした。
もう30年ほど前になるが、前職時代に関連会社のシックスシグマ発表会を参観する機会があった。製造部門の成果発表で「効果をχ自乗検定で確認」と発表しているのを聞いて、両腕に鳥肌が立った。以来QC手法だけではなく統計手法も積極的に使うべきだと考えている。

今回参加したチームは皆χ自乗検定を使うことはできる。しかし質問されると答えられない、などの理由で遠慮している様だ(笑)
なぜポアソン分布になるのかなど説明する必要はない。そういうもんだと理解していればいいのだ(笑)「使ったもの勝ち」の図々しさを発揮して良い(笑)計算そのものはExcelがやってくれる。間違わずに手法を適用すれば良いだけだ。

ホランティアで支援している東莞和僑会では、参加企業の中国人幹部の改善能力向上を目指して、改善交流会を開催している。こちらも異業種合同で学び合い教え合うことにより参加者の成長を狙っている。

東莞和僑会「改善交流会」

今後は現場改善だけではなく、工場経営者も異業種交流を進める必要があると考えている。市場の要求が大きく変わっている。業界内に閉じこもっていてはジリ貧を待つことになるだろう。


このコラムは、2019年8月12日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第861号に掲載した記事に加筆したものです。

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