月別アーカイブ: 2005年12月

なぜ5Sが維持できないのか

5Sはもともと日本発の品質改善手法ですが、中国の工場でもそのまま通じます。
整理・整頓・清掃・清潔・躾がみなSで始まるので5Sと呼んでいます。
当然中国語で発音するとSで始まるわけではありませんが、そのまま日本の5Sを輸入しています。
しかし本当の考え方を理解していないので、うわべだけの5Sしかできていません。これは本家の日本の工場でもきちんと推進できているところは少ないと思います。
明日はお客様が来られるので5Sをしておくように。
これではお客様が来られたときだけきれいになっているが長続きしません。なぜでしょうか。
本来の5Sの意味を考えて見ましょう。
整理:
必要な物と不必要な物を区別し不必要な物は捨てる。
整頓:
決められた場所に、決められた量だけ表示をして置く。
清掃:
 職場、設備をぴかぴかにしておく。
清潔:
整理・整頓・清掃が維持できるように仕組みを作る。
躾:
全員が決まりを守り実行するよう心を養う。
これらの本当の意味を理解していないので、5Sが継続できないのです。特に清潔は本来の言葉以上の意味を持たせています。ここがきちんと理解できていないので5Sが継続できないのです。

5S 整理

整理の本来の意味は必要な物と不必要な物を区別して、不必要な物を捨てることです。この「捨てる」を行うことがなかなかできない。
お客様が来られるので、綺麗にしておこう。と言うことでいらないものは一時的にどこかに置いておく(隠しておく)。
これでは一時的にきれいに見えるだけで問題は解決していません。すぐに元の木阿弥になってしまう。
このような状態では、
 *作業スペースがどんどん狭くなる。
 *物をあちらにやったり、こちらにやったり無駄な
  運搬がどんどん増える。
 *もっとひどくなると倉庫を借りるようになる。
このように無駄な経費・作業がどんどん増えます。無駄な場所が必要になり、稼動効率が落ちる。作業スペースが確保できないので品質にも影響を与えます。
物を、使える物、使えない物、使わない物に分けて使える物以外を捨ててしまうのです。
捨ててしまうと言うことがなかなかできない。勇気が要ります。
5Sのしっかりできている工場に行くと、要らない物はきちんと表示(品名、数量、処理方法、期日)をして目立つところに置いてあります。

5S 整頓

整頓とは
 決められた物を
 決められた場所に
 決められた量だけ
置いておく事です。そしてきちんと表示をして見えるようにしておくことです。一種の標準化です。
作業をするときの動作を分解してみると、
 工具・材料を探して取り上げる。
 作業をする。
 工具・材料を元に戻す。
となります。
整頓がきちんとできていると、探す時間が少なくなります。誰でもすぐに作業ができるようになります。
きちんと並べておくだけではないのです。使いやすいように配置しておく。
例えば事務室の机を見てみましょう。
電話を左側に置いておくのは受話器を左手で取って、必要があれば右手でメモをとるためです。
右手で受話器を取ると、メモをとるときに受話器を持ち替える無駄な動作が出ます。
また右側に電話機が置いてあると左手で受話器を取る動作に無駄が出ます。
作業をよく観察することにより本当の整頓ができます。
決められた量だけ置く。こうすることにより、材料の補給タイミングが目に見えるようになります。
きちんと表示をして置く。作業開始前に必要な工具が揃っていることが一目瞭然になります。
例えばねじを5本締める工程があったとします。作業前にねじを5本取り置く。こうすることにより、ねじの締め忘れ、ねじの製品内への混入が防げます。

5S 清掃

清掃とは読んでそのままの意味です。
綺麗にしておく。でも5Sの清掃はそれだけの意味ではありません。
清掃は、心の準備。清掃は予防保全なのです。
朝仕事を始める前に、清掃をする。これで心の準備ができます。
仕事が終わったら清掃をする。これで今日の仕事の点検ができます。
設備をぴかぴかになるまできれいにしておく。これで設備の不調をいち早く知ることができます。
東京デズニーランドでは、清掃係が毎日ベンチを拭き掃除するそうです。雨の日もです。雨の日は誰も屋外に置かれたベンチには座りません。それでもきちんと拭き掃除をする。それはベンチを綺麗にしておくためだけではないのです。拭き掃除をすることにより、ベンチにがたがないか、釘などが出ていないか調べているのです。
工場も同じです。
掃除をきちんとしておけば、ねじが作業台や床に落ちているのがすぐに見つかります。ねじが落ちていると言うことは、締め忘れをした可能性があるわけです。いつも床にねじが落ちているような工場では、このような不良は見逃してしまう可能性が高いのです。
機械がいつも油で汚れていれば、ちょっとした油の漏れは見つかりません。早く見つけていれば、簡単な修理で済むのに、発見が遅れると大修理が必要になり生産が継続できなくなる可能性もあります。
全ての仕事は清掃で始まり清掃で終わるのです。

5S 清潔

5Sの清潔は国語辞典に出ている意味とはちょっと違います。整理・整頓・清掃が維持できる仕組みを作る、と言う意味です。言い換えると予防整理・予防整頓・予防清掃なのです。
なぜ整理をしなければいけないのでしょうか、使わない物、使えない物があるからです。ならば使わない物を買わない。使えない物を作らない。と言う仕組みを作ればよいのです。
例えば工程改善をして今まで1時間に100個しか作れなかったものが110個できるようになりました。でも今までどおり1時間かけて110個作ってはだめなのです。使わない10個が余ってしまいます。これは後で整理をしなければいけなくなる。
不良を見込んで余分に生産投入する。生産を順調にする為に必要なことのように見えますが、これもだめです。順調な生産の陰に隠れて、ずっと不良を作り続ける。改善のチャンスを見逃してしまいます。この不良品も後で整理をしなければなりません。
なぜ整頓をしなければならないのでしょうか。使ったものを元の場所に戻さないからです。使った後自動的に元の場所に戻る。と言う仕組みを作ればよいのです。
昔の八百屋さんは天井からゴムで笊がつるしてあり、この中に釣銭用のお金が入っていました。釣銭のありかは一目瞭然。釣銭を取り出したら、手を離すだけで元の位置に戻ります。
なぜ清掃をしなければならないのでしょうか。ごみが出る、汚れるからです。ごみを出さない、汚さない。と言う仕組みを作ればよいのです。
過剰な包装はごみになります。輸送方法を改善して包装を不要にする。
例えばスーパーマーケットの商品移動用の台車の下にモップをつけておく。こうすると商品の補充陳列の時に自動的に床の拭き掃除ができてしまいます。

5S 躾

躾。これは読んでそのままの意味です。
5Sの標語を貼り出し、ルールも作る。清潔の仕組みも作る。でもこれだけでは不足です。最終的にこれらのルールを守り実行するのは人だからです。
デズニーランドはごみひとつ落ちていない。ある人が清掃作業員は何人いるかたずねたところ、5000人と言われたそうです。500人の聞き違いだろうと思ったのですが、これは従業員全員がごみを見つけたらすぐに片つける、と言う意味です。
只教えただけではここまではできません。従業員に自分達の仕事に対する誇りを植え付けることが重要だと思っています。
5Sの意味を会議室で説明するだけでは不足です。現場でどんどん指導をする。
会社のトップが本気であることを示す。これがきちんとできなければ、只のお題目になってしまいます。会社のトップが5Sの効果を信じて、率先して取り組まないといけません。5Sは品質改善の基本なのです。

休日の朝食

休日の朝はゆっくり起きて飲茶をしています。
今住んでいるマンションの2階に朝から飲茶をやっているレストランがあり、重宝していました。しかし最近店を閉じてしまいました。朝はすごい流行っていたのですが、夜はあまりお客さんがないようでした。
やむなく、少し離れたレストランまで出かけます。ここは朝行くと毎回不愉快な思いをしてしまいます。服務員の態度がなっていません。皆不機嫌そうで、頼んだ物がなかなか出てこない。間違ったものを持ってきてもお前の頼み方が悪いみたいなことを言います(これには驚きました)。
きっと服務員達は朝早く起きて、朝食もとらずに仕事をしているので10時近くになると機嫌が悪くなるのでしょう(笑)私が経営者ならば、服務員達に仕事前に朝食を食べさせるのですが。きっとこれだけで随分改善されると思います。夜はまあまあですからね。
いつも二度と来るかと思うのですが、忘れた頃にまた行ってしまいます(笑)
IMG_2503s
この日は友人が朝食(ブランチ?)に付き合ってくれたのでいつもより品数多く注文することができました。
この日も菜芯、皮蛋痩肉粥は最後まで出てこず食べるのをあきらめて出てきました。

鍋料理

12月に入って肌寒くなってきました。2週間連続で鍋料理を食べました。
「山天」と言う野山菌(野生きのこ)の鍋を食べさせる店です。”野山菌湯鍋”といって美容と健康に良いとうたっています。全て野生のきのこと言うふれこみですが、ちょっと?
日本では見たこともないようなきのこがいろいろありました。
黒虎掌菌:日本にも有るが極端に少ないとあります。
紅乳牛肝菌:見た目は本当に牛レバーのようです。
鮮松茸菌:日本の松茸とはちょっと違っています。
老人頭金:スライスして鮑の様にして食べるきのこです。
蔵霊菌:西蔵の方で採れるそうです。
青崗松口蘑:ビタミンA、D豊富。
黄羅傘菌:シメジに似ています。
玉皇菌:俗称「平茹王」だそうです。
珊瑚菌:舞茸のようです。
鶏樅菌:味が鶏肉に似ているそうです。ん~
杏鮑茹:イッポンシメジに似ています。
鶏腿茹:鶏の腿に似ているからこういう名前だそうです。
それぞれのきのこの薬効説明がパンフレットに出ています。
IMG_2491s
鶏一羽煮込んだスープにきのこ類や野菜を入れて食べます。「鮮松茸炖全鶏」スープだけで88元、これに好きな材料を発注し、次々と投入し食するわけです。

IMG_2495s
この日のスープは「菌湯鍋」10元
この店の売りは一人当たりの単価が20-40元ということです。少人数のときは「菌湯鍋」、大人数のときは「鮮松茸炖全鶏」を注文しなさいとパンフレットに書いてあります。しかし2人だけでも服務員はしっかり「鮮松茸炖全鶏」を勧めます。