月別アーカイブ: 2020年5月

超巨大恐竜、なぜ急成長 秘密は骨に…

超巨大恐竜、なぜ急成長 秘密は骨に…

長い首と尾を持つ「竜脚類」と呼ぶ恐竜の仲間は地球に現れた最大の陸上動物といわれる。多くの種類が体長20メートル、体重10トンを超した。中には約40メートル、80トンに成長したと推定される化石も見つかっている。なぜ、ここまで巨大になったのか。成長が早い特殊な骨のでき方など、複数の特徴を併せ持ったからだとわかってきた。
 (以下略)

全文

(日本経済新聞電子版より)

 体長40m、体重80tもあったといわれる長い首と尾を持つ恐竜「竜脚類」の記事に興味を引かれた。
竜脚類の卵は最大で30cm程度。ダチョウの卵の3倍程度しかない。孵化直後は体長50cmだそうだ。その後急成長し死ぬまで成長し続けるらしい。

彼らが急速に成長出来る理由が解説してあった。記事によると、

  1. 骨の構造。先ず粗な組織が出来上がり、その隙間を埋める様に密になる。四季を通じて成長出来る。
  2. 高効率の呼吸器官。吐く時も吸う時も肺に空気が送り込まれ、ほ乳類の倍の効率で酸素吸収が出来る。
  3. 環境の適合:恐竜時代は火山活動により空気中の二酸化炭素濃度が高かった。そのため植物の成長が早く、餌が豊富にあった。草食なので捕食に必要なエネルギーが少なくて済む。
  4. 小さな頭:植物の餌を丸呑みしていたので、歯や口の回りの筋肉が発達する必要がなく頭が小さくて済むため、エネルギー消費が少なくても済む。

これらの特徴を、ビジネスの成長に応用出来るだろうか?

  1. 新規事業を素早く立ち上げ、現有経営資源を使って徐々に新規事業を強化。
  2. 材料を買う時、製品を売る時共に利益が発生する仕組みを作る。
  3. 経営環境への適合は、成長以前の企業存続の必須条件。
  4. 最小のエネルギーで最大の価値を創造する。

こういう事が出来れば、企業は急速に大きくなるだろう。しかし恐竜が絶滅したのは,急激な環境変化(氷河期)への対応が遅れたためだ。この時不利に働いたのは、巨大な体と小さな脳だろう。

失敗から学ぶとすれば、急激に成長しない。効率優先で思考停止する事を抑制しなければならない(笑)


このコラムは、2017年1月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第510号に掲載した記事です。

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不平不満

 世の中の進歩は、人々の不平不満から生まれる。
人間が不平不満を感じ、それを口にするから、人間社会の進歩や向上が現実化する。真っ当な考え方のように思えるが、不平不満からは進歩も改善も生まれない。

中村天風師は次のように言っている。

「不平不満を口にすることは」

 いったい、多くの人々の常識の中には、不平不満を言うということは、人生少しも恥ずかしいことでなく、むしろ、当然のことで、かつまた、人間共通のことであるように思考している傾向がる。

 中には、人間が不平不満を感じ、かつこれを口にするからこそ、人間世界に、進歩とか向上とかいうものが、実現化されるのだというような極端な誤解を、誤解と思っていない人すらある。これは、ちょうど、疑うからこそ、正邪の区別や、普通では、理解することのできない真理も、発見できるのだという考え方と同様の誤解である。

 というのは、不平や不満を口にする悪習慣は、人にいたずらに煩悶や苦悩を心に多く感ぜしめるだけで、それ以上人生に、価値ある収穫を招来しないということに想到すると、それが誤解の証拠であると必ず考えられるからである。

《本当の心の力》

改善や進歩を生むのは「不平や不満」のような消極的態度ではなく、改善や進歩を希求・探究する積極態度であり、そこから生まれる行動だ。


このコラムは、2019年10月7日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第885号に掲載した記事です。

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改善思考

 先週末は東莞和僑会・改善交流会を開催した。改善交流会は参加企業の中国人幹部の改善力を鍛えることを目的としている。毎回参加企業の生産現場に集まり、その企業の改善事例を紹介。現場を観察。改善課題やさらなる改善を参加企業混合のメンバーでチームを作り議論、最後に発表する。という活動をしている。

今回は石碣鎮にある会員企業が会場。

3件の改善事例を紹介。
そのうちの1件の事例をご紹介したい。

接着テープ付きゴムマグネット素材の小片を生産する工程だ。
生産は帯状のゴムマグネットロール、両面接着テープ、保護紙を貼り合わせ、カットする。この作業は設備で行われる。この工程での改善事例は、段取り替えの短縮だ。
段取り作業の一部を外段取り化、作業開始前の調整作業の時間短縮などの改善をしたが、まだ改善目標を達成していない。

帯状のゴムマグネットロール、両面接着テープ、保護紙ロールを設備にセットする際に、重量物のマグネットロールをセットする場所が人の肩より上にあることに着目したチームが提案した方法が、目から鱗だった。

普通に考えると、アーム状の重量物ハンドリングの設備を使うことを考えるだろう。しかし彼らが提案した改善案は、軽量の接着テープロールを上にし、ゴムマグネットロールを下にセットするというアイディアだった。単純明快、目からウロコの改善案だった。

しかしこの方法では、小片に切り分ける時に接着テープが上部に来ることになり、接着テープの保護紙をカットしてしまい小片がバラバラになってしまう。従来方法ならば、接着テープが下側となるため、保護紙をカットしないよう調整可能だ。

重要なことは、ここで諦めないことだ。さらに方法を考えれば良いのだ。

改善の極意:「できない理由を考えるのではなく、できる方法を考える」


このコラムは、2019年9月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第879号に掲載した記事に加筆しました。

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自動ブレーキ「誤作動」

 

「自動ブレーキ『誤作動』米が調査 日産SUV」

 日産自動車の北米向けSUV(スポーツ用多目的車)「ローグ」(日本名・エクストレイル)について、自動ブレーキが誤作動する恐れがあるとして、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が調査に入った。米メディアが12日、一斉に報じた。

 調査対象は2017年と18年のモデルで、計約55万台。障害物がないのに自動ブレーキが突然作動するなどの不具合が指摘されている。これまでに800人以上が苦情を訴え、14件の事故、5人の負傷者が報告されているという。

 日産にとってローグは北米での主力車種。日産はソフトウェアの無償改修を促す通知を顧客に出した。NHTSAの調査結果次第では、リコール(回収・無償修理)に発展する可能性もある。

 日産によると、ローグは米国、韓国、九州の3カ所で生産しているが、調査対象の車の詳しい生産地は分からないという。日産広報は「今のところ、日本のエクストレイルに同様の問題が出ているという話は聞いていない」としている。

(朝日新聞より)

 ゴーン会長、西川社長の報酬疑惑、19年度1Qの営業益98.5%減、などに続き日産自動車のネガティブな報道が続いている。

今回発生したブレーキの誤動作は、必要な時にブレーキが効かないわけではなく、不必要な時にブレーキが作動してしまう問題だ。必要な時にブレーキが効かなければ、かなり深刻な問題になる。しかし不必要な時にブレーキが作動しても、追突されるなどの人身事故につながりかねない。

新聞記事には「ローグは米国、韓国、九州の3カ所で生産しているが、調査対象の車の詳しい生産地は分からないという」とある。ソフトウェアの問題であれば、どこで生産しても同じ欠陥が内在しているはずだ。生産地ごとに採用している購入部品に含まれるソフトウェアの問題なのだろうか?

当然、ブレーキの動作に影響のある重要安全部品に対する評価は徹底的に実施したはずだ。
しかしこの手のソフトウェアの信頼性評価は簡単ではない。
「ブレーキが効かなければならない時に、ブレーキが正しく動作する」ということを検証するのはさほど難しくはないはずだ。つまり、ブレーキが効くべき場合は「ブレーキペダルが踏まれた」「前方または後方に障害物がある」など条件を特的できる。

しかし「ブレーキが効く必要がない時に、ブレーキが作動しない」を検証する場合、「ブレーキが効く必要がない」という条件をもれなくあげることは困難だろう。従って完成車での検証(妥当性評価)には無限大の組み合わせが発生する。

このような場合ソフトウェア単体の検証で問題ないことを確認することになる。
通常この検証はソフトウェア設計部門で行う。これが仕入先の設計であれば、完成車メーカとしてどのように評価するのかが問題となるはずだ。


このコラムは、2019年9月18日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第877号に掲載した記事です。

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モノは売らない,コトを売る

 先週土曜日に東莞和僑会を開催した.「ソーシャル型モノ造り」に関して,パネラー,参加者全員でディスカッションした.懇親会でも大いに盛り上がった.

有志で「ソーシャル型モノ造り分科会」も結成した.
これから,メンバーで夢を語り合い,オリジナルブランド商品を開発してゆく.
東大阪の「まいど一号」に倣い,東莞和僑会の「没問題一号」が世に出るのも近い(笑)「没問題一号」は広東語で「モウマンタイヤッホー」と発音する.(モウマンタイヤッホーは,今の所,私の妄想であり,メンバーの承認を得ている訳ではない・笑)

こういう活動で,自分自身の活性化がはかれる,開発エンジニアだった事の熱意を思い出す,などなど副次的な効果もメンバーから出て来た.

既に,自社の通常生産品目以外に何か造ろうと活動された経験のある方もおられた.当然1社でやるより,多くの人とコラボすれば,アイディアがより多く出てくるであろう.

これからが楽しみだ.

タイトルの「モノは売らない.コトを売る」は,参加者がおっしゃった言葉だ.彼は玩具メーカに勤務しておられる.
彼は,玩具と言う「モノ」をお客様に購入していただくのではなく,玩具を媒介として得られる「コト」をお客様に提供するのだと,説明してくれた.つまり,玩具というモノによって発生する,親子の会話だったり,家族の団欒と言うコトを提供するのが仕事だと言う訳だ.

非常に含蓄のある言葉なので,このメルマガ読者様とも共有したい.

例えば,完成品メーカに部品を生産供給しているメーカも,部品と言うモノをお客様に買ってただいている訳ではなく,お客様の生産を支えるサービスをしている訳だ.

今回ご参加いただいた金属加工メーカの方は,一社あたり数千個ある部品を短納期で生産納入する事で競争力を得ている,とおっしゃっていた.これも金属加工部品と言うモノだけを売っているのではなく,お客様の生産を支えるためのサービスを提供している訳だ.お客様には生産計画通りに部品が納入されると言うサービスに価値を感じていただける.

お客様から原稿をいただいて,商品パンフレットや名刺を作っている印刷屋はどうだろうか.名刺,商品パンフを売っていると考えれば,他の印刷屋との差別化は難しい.常にコスト競争のプレッシャーに晒されることになる.名刺や商品パンフの制作から関わることができれば,販売促進のパートナーとなることができる.業者さんからパートナーに昇格すれば,お客様との関係は深まり,リピートオーダーが増えるはずだ.


このコラムは、2013年3月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第300号に掲載した記事です。

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コトづくり

 随分昔に現場力を継承するために「コトづくり」を活かそう、とメルマガに書いたことがある。

続・現場力の継承

また組織活性化のための「コトづくり」として常盤文克氏の書籍のご紹介した。

「コトづくりのちから」日経BP社

これらは製造業の現場力向上のために「コトづくり」を活用しようという提案だった。

しかし最近は製造業はモノを造るだけでは生き残れないのではないか?と感じ始めている。
市場にあふれているモノは、コモディティ化してしまい薄利でしか売れない。
魅力的な新製品を開発しても、あっという間に競合他社が同様な製品を開発し、コモディティ化してしまう。

開発、設備に投資してコストをかけ生産しても利益が出ない。造れば造るほど貧乏になってゆく。「コトづくり」で組織を活性化しても儲からなければ意味がなかろう。そんな絶望感が若者の製造業離れを加速しているのかも知れない。

そんなことを考えていて思いついた。
「コトづくり」を組織の活性化のためだけではなく、販売を前提に考えて見てはどうだろう。「コト」を体験と解釈すれば、サービス業、飲食業、旅行業、教育業などが対象になる。製造業は対象外かもしれない。しかしモノを通して得られるコトもあるだろう。

旅行鞄を購入すれば旅行という「コト」が得られる。
しかしこういうロジックでは、鞄製造業社が旅行業という激戦区に参戦する事になる。これでは意味がない。

モノを売った後も継続的に顧客とつながるサービスを考えればいい。
すぐに思いつくのは、プリンターメーカが誰もが応募したくなるような写真賞というコトを作りインクの売り上げを上げる。全く陳腐な例だが、脳みそに汗をかいて考える価値がありそうな気がする。


このコラムは、2019年7月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第845号に掲載した記事です。

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以って尓の近隣に与えよ

yuán(1)wéizhīzǎi(2)zhījiǔbǎi(3)yuē:“(4)ěrlínxiāngdǎng(5)。”

《论语》雍也第六-5

(1)原思:孔子の弟子。姓は原、名は憲、あざなは子思。
(2)宰:代官。孔子が魯の司寇となった時、子思を代官に任命している。
(3)九百:単位はないが、孔安国(孔子の子孫)は九百斗と解釈している。
(4)毋:〜することなかれ。
(5)邻里乡党:集落の単位。隣近所という意味で使っている。5家で『邻』、25家で『里』、12500家で『乡』500家で『党』。

素読文:
げんこれさいたり。これぞく九百きゅうひゃくを与う。す。子曰わく:“なかれ。もっなんじりんきょうとうに与えんか。”

解釈:
原思を代官に任命した孔子は900斗の俸禄を与えた。原思は多すぎると辞退する。孔子曰く:“遠慮することはない。余れば隣人に分け与えれば良い”

前節(雍也第六-4)で孔子は、“君子は急なるを周いて富めるに継ず”と褒賞を与える側に注意を与えています。本節では俸禄を受け取る側の心得を説いています。

シンギュラリティ

 シンギュラリティ、別名・技術的特異点とは人工知能が人間の能力を超え、人に変わって人工知能が文明の進歩を担うようになる時点をいう。2045年にシンギュラリティが来ると言われている。

シンギュラリティ以降の人間はどうなるのか?
2020年元旦早々こんなことを考えた。単身生活で、誰とも話をしないとろくなことは考えない(笑)

人より人工知能の方が優れているので、企業活動や社会的活動で人が何かを考えることはなくなるだろう。人工知能が考えた通りに企業活動や政治が行われる。「人は考える葦である」と言った太古の偉人があるが、人が考える領域は家庭の中とか、友人の集まりのように人工知能が入り込まない領域(コスト的理由?)に限られるだろう。否、その領域であっても社会的に不都合が生ずれば人工知能の介入がありそうだ。例えば子弟の教育方針が、全能の人工知能の考え方から逸脱しているような場合、それが露見すると電脳司直の介入がありそうだ。

シンギュラリティ以降は、ロボット、電子コマース、自動輸送などの進化により人間の労働もなくなっているだろう。思考も労働も取り上げられて、人間は何をして生きていけば良いのか?
さらに医療技術の進歩により、人間の寿命は伸びる。

高齢者ばかりの人間社会はますます退化していくだろう。
若い人たちの居場所を確保するために「強制引退」も必要になるだろう。

そんな世界をこの小説が描いている。「百年法」山田宗樹著

フィリップ・K・ディップのSF短編「変種第二号」では、戦争のために生産
したアンドロイドロボットが、自らアンドロイドを生産し人類と戦い始める。

どちらにしても、あまり楽しそうな未来ではなさそうだ。
友達を誘って、酒でも飲みながら今年の抱負を語り合ったようが良さそうだ。


このコラムは、2020年1月6日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第924号に掲載した記事に加筆しました。

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ゴーン被告の国外逃亡

 保釈中のカルロス・ゴーン被告が国外逃亡したというニュースが年末から年始にかけて、巷間を賑わした。

ニュースによると、コントラバス(もしくは音響設備)のケースにゴーン被告を隠し、プライベートジェットに乗って日本を出国したようだ。仰天した。まるで映画のようだ。

このような前代未聞の大失態を演じた原因を考えてみた。

  1. 本来の根本原因は、ゴーン被告が自由に不正を働くことができた日産の企業ガバナンスに問題があった。不正を正す者はなかったのだろうか?司法取引を持ちかけ内部告発をする以前に、内からの自浄作用が働く組織ではなかったようだ。
  2. 証拠隠滅、海外逃亡の可能性が指摘されていたにもかかわらず、保釈を許可した裁判所の判断も原因の一部だ。海外から日本の司法制度に批判が集まっていた。しかしそれに怯んだら、その司法制度に従順に従ってきた日本国民に申し訳ないとは思わなかったのか。他国が批判すべき事柄ではないはずだ。
  3. ゴーン被告にパスポートの携行を許した。フランスパスポートを鍵付きのケースに入れて携行を許したようだが、鍵を壊せばそのまま使えるとは考えることができなかったのだろうか。
  4. 出国審査の甘さはどう弁解してもアウトだろう。去年は保安検査でナイフを携行している乗客をそのまま通してしまう、という大失態*をしている。
    プライベートジェットならばテロを起こす心配はないと考えているのか?テロはなくても、輸出禁制品の持ち出し、検疫などが疎かになっていたと言わざるを得ないだろう。搭乗荷物を検査すれば、中に人間が入っており、有名な人物であることはすぐに分かっただろう。

*伊丹空港保安検査

当然事前に考えうる事柄ばかりだ。最悪を想定して備えなければならない。
空振りをしても痛くも痒くもないはずだ。今回のようにど真ん中のストライクを見逃せば、世界の笑いものになる。もっと恐ろしいのは、日本は犯罪天国だと舐められることだ。

プライベートジェットを使えば、麻薬や違法ドラッグを日本に持ち込み放題。日本の優秀な印刷技術で作った偽札を持ち出し放題。日本は犯罪天国と見られかねない。


このコラムは、2020年1月8日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第925号に掲載した記事です。

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箇条書きの功罪

 問題が発生した時、不良が発生した時などの原因分析で、箇条書きでその要因をリストアップしているのを時々見かける。

箇条書きには箇条書きのメリットはある。
要因のリストアップがMECEにになっているかどうか確認が簡単だ。

MECEとはMutually、Exclusive、Collectively、Exhaustiveの頭文字を並べた言葉で「漏れなくダブりなし」という意味だ。

例えば市場不良の原因を

  • 発生原因
  • 流出原因

と箇条書きにした場合、MECEになっている。

しかし発生原因を4Mで箇条書きにしたらどうだろうか。

  • 方法
  • 機械

こうした場合、それぞれが直行した要因ではない。箇条書きでは相互作用を表現できない。
例えば人の要因(未熟、熟練)と方法の要因(簡単、困難)の相互作用で問題が発生するとすれば。

人/方法 簡単 困難
未熟 ×
熟練

◎:問題発生の可能性なし
○:問題発生の可能性低
△:問題発生の可能性高
×:問題あり

のような結果になる。これは箇条書きでは表現できない。
2因子だけであれば、上記のようにマトリックス図で表現できるが4要素以上になれば図示はできない。

人の要因だけを考えても、

  • 情報
  • 認識
  • 能力
  • 行動

など階層が変わるはずだ。

これらを箇条書きだけで表現し、MECEになっているかどうかチェックするのは難しい。連関図法、系統図法などを活用した方が良い。


このコラムは、2020年1月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第928号に掲載した記事です。

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