原思(1)为之宰(2),与之粟九百(3),辞。子曰:“毋(4),以与尔邻里乡党(5)乎。”
《论语》雍也第六-5
(1)原思:孔子の弟子。姓は原、名は憲、字は子思。
(2)宰:代官。孔子が魯の司寇となった時、子思を代官に任命している。
(3)九百:単位はないが、孔安国(孔子の子孫)は九百斗と解釈している。
(4)毋:〜することなかれ。
(5)邻里乡党:集落の単位。隣近所という意味で使っている。5家で『邻』、25家で『里』、12500家で『乡』500家で『党』。
素読文:
原思、之が宰たり。之に粟九百を与う。辞す。子曰わく:“毋れ。以て尓の隣里郷党に与えんか。”
解釈:
原思を代官に任命した孔子は900斗の俸禄を与えた。原思は多すぎると辞退する。孔子曰く:“遠慮することはない。余れば隣人に分け与えれば良い”
前節(雍也第六-4)で孔子は、“君子は急なるを周いて富めるに継ず”と褒賞を与える側に注意を与えています。本節では俸禄を受け取る側の心得を説いています。