随分昔に現場力を継承するために「コトづくり」を活かそう、とメルマガに書いたことがある。
また組織活性化のための「コトづくり」として常盤文克氏の書籍のご紹介した。
「コトづくりのちから」日経BP社
これらは製造業の現場力向上のために「コトづくり」を活用しようという提案だった。
しかし最近は製造業はモノを造るだけでは生き残れないのではないか?と感じ始めている。
市場にあふれているモノは、コモディティ化してしまい薄利でしか売れない。
魅力的な新製品を開発しても、あっという間に競合他社が同様な製品を開発し、コモディティ化してしまう。
開発、設備に投資してコストをかけ生産しても利益が出ない。造れば造るほど貧乏になってゆく。「コトづくり」で組織を活性化しても儲からなければ意味がなかろう。そんな絶望感が若者の製造業離れを加速しているのかも知れない。
そんなことを考えていて思いついた。
「コトづくり」を組織の活性化のためだけではなく、販売を前提に考えて見てはどうだろう。「コト」を体験と解釈すれば、サービス業、飲食業、旅行業、教育業などが対象になる。製造業は対象外かもしれない。しかしモノを通して得られるコトもあるだろう。
旅行鞄を購入すれば旅行という「コト」が得られる。
しかしこういうロジックでは、鞄製造業社が旅行業という激戦区に参戦する事になる。これでは意味がない。
モノを売った後も継続的に顧客とつながるサービスを考えればいい。
すぐに思いつくのは、プリンターメーカが誰もが応募したくなるような写真賞というコトを作りインクの売り上げを上げる。全く陳腐な例だが、脳みそに汗をかいて考える価値がありそうな気がする。
このコラムは、2019年7月5日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第845号に掲載した記事です。
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