月別アーカイブ: 2015年6月

スケジュール管理

 突然オフィスを引っ越すこととなった。今のオフィスに引っ越して丁度2年。
そろそろ賃貸契約の延長をしなければと考えていたら、大家さんから呼び出しがかかった。もっと条件の良い借り手が見つかった様だ。新しい借り手は、2年分先払いをするそうだ。
2年分の家賃を先払いする余裕は有ったが、チャンスが来た時に支払済の家賃が足を引っ張らない様に(笑)フリーハンドをキープすることにした。

そんな訳で、急遽オフス探しに炎天下を歩き回った。最終的に先週月曜日助手と、ほぼ一日がかりで候補物件を歩き回り決定した。

なかなかいい感じのオフィスだ。
表通りに面した棟のオフィスも紹介された。現在別の人が使っているが、部屋代を滞納しており、そろそろ空けてもらう時期だそうだ。こちらのオフィスの方が断然良さそうだ。
予約金を支払う際に、こちらのオフィスが空いたら変更する様に依頼した。

引っ越し日程は決定したが、引っ越し先はどちらのオフィスになるか決まっていない(笑)

早速引っ越しのスケジュールを作成した。
引っ越しと言っても、荷物をまとめて運べば終わり、と言う訳には行かない。

オフィスの内装工事業者の手配。
運搬業者の手配。
空調設備の取り外し・設置の業者手配。
ネットと電話は、引っ越しの当日から使用可能にしたい。
登記住所の変更。
会計事務所への連絡。
新しい名刺の印刷。
お客様へのご挨拶。
新オフィスお披露目パーティの準備。

などなど細かな項目が山ほど有る。

例えば、内装業者、運搬業者、空調の設置業者は、引っ越し日程決定後、手配可能となる。しかし新しい名刺の印刷は、オフィスの部屋番号が確定するまで着手不可能だ。

これらを整理し、最速着手可能日・最遅完了日を明確にするのが、新QC七つ道具の「アローダイアグラム」だ。

引っ越しの様な単純なプロジェクトでも、アローダイアグラムを描くことで、必要な作業項目が全部挙がっているかどうか、余裕がない作業(クリティカル・パス)はどれか、を見える化し確認することができる。

今週は何件か仕事が入っており、相当忙しくなりそうだ。
オフィスのホワイトボードに、アローダイアグラムをプリントアウトして貼り出してある。朝礼で進捗を確認しながら、準備をすることになる。

今週末は品質道場で「新QC七つ道具」の研修をする。アローダイアグラムの演習は、引っ越しプロジェクトになりそうだ(笑)


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暗黙智が苦手な欧米人と形式智が苦手な日本人

 TWI-JI(企業内教育訓練ー仕事の教え方)に取り組んで感じることがある。
日本人は自分たちの暗黙智を形式智化するのが下手だ。元々日本には、生涯をかけて技能を磨くと言う精神性がある。
その様な鍛錬の末に得られた技能(暗黙智)を、簡単に人に教えられる(形式智化できる)はずはない、と言う考えが仕事の形式智化を阻んでいる様な気がする。

以前勤務していた会社で、団塊世代の職能工が定年を迎える年齢になり、技能の伝承を計らねば生産が継続出来ないと言う事態となったことがある。この時生産技術のメンバーが、職場に入り込みベテラン工の作業をマニュアルに落とし込もうとした。しかし頑固親父の職人から「何しに来た」と追い返されている。品証部門の一計により、ベテラン工に素直な若手を弟子入りさせて技能の伝承を受けさせた。

自分の仕事(暗黙智)はマニュアル(形式智)などでは表現しきれない、と言う誇りが職能工に有り、生産技術のエンジニアは拒否する。しかし弟子となった若者には、精一杯自分の技術を口伝する。

これは極端な事例かも知れないが、日本人の心の底にこの様なメンタリティがあり、暗黙智を崇高な物と考え形式智化に抵抗感が有るのではないだろうか。

一方欧米では、作業をする為にはまずマニュアル(形式智)があることが前提となる。職務分掌が有り、マニュアルが有ることが雇用した従業員に仕事をさせる前提となっている。
TWIが米国で開発された理由はここにあると考えている。
作業訓練の効率を高める以前に、TWIの様な手法(形式智)がなければ、作業訓練そのものが出来ないのだ。

欧米企業では、きちんと職務分掌が文書化されており、分厚い作業マニュアルが有る、と言う印象を持つ。素晴らしいことでは有るが、こうしなければ仕事が回らないと言う事情が先に有る。

多くの日本企業は、「一を聞いて十を知る」と言う従業員の質の高さに依存し職務分掌は曖昧なまま、作業マニュアルは「先輩に聞け」で事足りていた。

しかしこの特性を欧米対日本と言う構図で説明したが、実は日本だけが特殊であり、中国でも普通は職務分掌と作業マニュアルがきちんと出来ている方を好む。
「あれやっといて」で話が通じるのは日本人同士だけだ。しかも日本人でも世代が違うと通じない。

日系企業ならば、作業標準、作業指導書が有るはずだ。
しかしこれだけで作業員が全員標準作業が出来る様になるだろうか?
作業指導の方法を班長に「一任」してしまっていないだろうか?
班長に作業の教え方を訓練してあれば、「一任」と言えるが、そうでなければ「放任」だ。

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まとめ造りvs一個流し

まとめて作業をするよりは、一個ずつ作業を完成させる方が速い。これは原理的に正しい。なぜならば、まとめ造りをすると必ず「取り置き動作」が入る。一個ずつ作業をすれば、取り置き動作は入らない。理論的に説明してもなかなか現場の班長さんや作業者には理解してもらえない。

例えば、予め梱包箱を全部組み立てておき、その後完成品を梱包箱に入れる。
この様な作業をしている現場が多い。完成品が一つ出来たら梱包箱を一つ組み立て梱包する。こうすれば、取り置き作業は発生しない。その上完成した梱包箱を置いておく場所が不要となる。

以前指導した工場では、4人で組み立て作業をしていたのを、30分の作業訓練で3人作業とし、最終的には2人で作業出来る様にしたことがある。このとき私がしたのは、まとめ造りを止め一個流しにしただけだ。

現場リーダは、今までと違うやり方に変更するのを躊躇する傾向がある。多分これは人間の特性だろう。理論を教えても、現場リーダは、新しい方法に対し抵抗勢力となる事が多い。理論が正しい事を身を以て体験すると、推進派になってくれる。

お客様の現場で、単純な作業実験により一個流しの効力を体験していただいたことがある。

手紙を3つ折りする。封筒に入れる。糊で封をする。判子を押す。
この4つの作業を、まとめ作業と一個流し作業で比較をする。

10個分の材料を準備し、現場の組長さんに作業をしてもらった。
その結果は、

まとめ造り:4分12秒37 一個当り:25秒24
一個流し: 2分59秒63 一個当り:17秒96

一個流し作業は、一個当り7秒28速く出来る。
7秒の違いがどれだけ大きいかはすぐご理解いただけよう。1日3000個作業をすると仮定すれば、まとめ造りならば3人で作業しなければ間に合わない。一個流しで作業すれば、2人で可能となると言う意味だ。

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