仕入先工場と合同でQCC活動をしているお客様がある。今回第4期目となる。
金属加工職場のサークルが生産計画を達成するための活動に取り組んでいる。
現状把握で、複数ある工程の内NC加工2工程の日産能力が生産計画に対し不足している事を確認。
原因分析の中間発表で以下のように説明した。
・NCマシンの刃具の交換が多い。
・刃具の移動速度が遅い。
以上が日産能力不足の要因であり、検証のため刃具の交換頻度を減らす。刃具の移動速度を上げる。と言う検証実験をした。その結果二つの要因が生産能力不足の原因である。
検証するまでもなく、刃具の交換回数を減らせば加工時間は減るし、刃具の移動速度を上げれば加工時間は減る。当たり前のことを手間暇かけてQCC活動にしている。
QCC活動の「問題解決型」QCCストーリィがテーマ選定、現状把握、目標設定、原因分析、対策検討・実施、効果確認、歯止め、反省と今後の取り組み、となっているので、無理やりそれに合わせようとして無理な展開となっている。
こう言う事を続けていると「発表のための活動」になってしまい、活動への熱意が冷めてしまうことになる。
この活動の場合は「課題達成型」のQCストーリィを活用すれば良い。
生産計画に合わせた日産生産台数が理想状態であり、理想状態を実現する方法を検討する、と言うストーリィになる。
つまり加工が「遅い原因」を分析・検証するのではなく、「速く加工」する方法を考えれば良い。
このサークルメンバーにも「課題達成型」のQCストーリィを教えてあったが腑に落ちていなかったのだろう。個別の指導で理解できたようだ。
教える側であっても気付きや成長があるモノだ。
相手が理解できないと考えていると教える側に気付きも成長もない。
教え方に問題があると「自責」で考えれば気付きが得られる。
このコラムは、2019年6月14日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第836号に掲載した記事に加筆しました。
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