箇条書きの功罪


 問題が発生した時、不良が発生した時などの原因分析で、箇条書きでその要因をリストアップしているのを時々見かける。

箇条書きには箇条書きのメリットはある。
要因のリストアップがMECEにになっているかどうか確認が簡単だ。

MECEとはMutually、Exclusive、Collectively、Exhaustiveの頭文字を並べた言葉で「漏れなくダブりなし」という意味だ。

例えば市場不良の原因を

  • 発生原因
  • 流出原因

と箇条書きにした場合、MECEになっている。

しかし発生原因を4Mで箇条書きにしたらどうだろうか。

  • 方法
  • 機械

こうした場合、それぞれが直行した要因ではない。箇条書きでは相互作用を表現できない。
例えば人の要因(未熟、熟練)と方法の要因(簡単、困難)の相互作用で問題が発生するとすれば。

人/方法 簡単 困難
未熟 ×
熟練

◎:問題発生の可能性なし
○:問題発生の可能性低
△:問題発生の可能性高
×:問題あり

のような結果になる。これは箇条書きでは表現できない。
2因子だけであれば、上記のようにマトリックス図で表現できるが4要素以上になれば図示はできない。

人の要因だけを考えても、

  • 情報
  • 認識
  • 能力
  • 行動

など階層が変わるはずだ。

これらを箇条書きだけで表現し、MECEになっているかどうかチェックするのは難しい。連関図法、系統図法などを活用した方が良い。


このコラムは、2020年1月15日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第928号に掲載した記事です。

【中国生産現場から品質改善・経営革新】は毎週月・水・金曜日に配信している無料メールマガジンです。ご興味がおありの方はこちら↓から配信登録出来ます。
【中国生産現場から品質改善・経営革新】