先週末は東莞和僑会・改善交流会を開催した。改善交流会は参加企業の中国人幹部の改善力を鍛えることを目的としている。毎回参加企業の生産現場に集まり、その企業の改善事例を紹介。現場を観察。改善課題やさらなる改善を参加企業混合のメンバーでチームを作り議論、最後に発表する。という活動をしている。
今回は石碣鎮にある会員企業が会場。
3件の改善事例を紹介。
そのうちの1件の事例をご紹介したい。
接着テープ付きゴムマグネット素材の小片を生産する工程だ。
生産は帯状のゴムマグネットロール、両面接着テープ、保護紙を貼り合わせ、カットする。この作業は設備で行われる。この工程での改善事例は、段取り替えの短縮だ。
段取り作業の一部を外段取り化、作業開始前の調整作業の時間短縮などの改善をしたが、まだ改善目標を達成していない。
帯状のゴムマグネットロール、両面接着テープ、保護紙ロールを設備にセットする際に、重量物のマグネットロールをセットする場所が人の肩より上にあることに着目したチームが提案した方法が、目から鱗だった。
普通に考えると、アーム状の重量物ハンドリングの設備を使うことを考えるだろう。しかし彼らが提案した改善案は、軽量の接着テープロールを上にし、ゴムマグネットロールを下にセットするというアイディアだった。単純明快、目からウロコの改善案だった。
しかしこの方法では、小片に切り分ける時に接着テープが上部に来ることになり、接着テープの保護紙をカットしてしまい小片がバラバラになってしまう。従来方法ならば、接着テープが下側となるため、保護紙をカットしないよう調整可能だ。
重要なことは、ここで諦めないことだ。さらに方法を考えれば良いのだ。
改善の極意:「できない理由を考えるのではなく、できる方法を考える」
このコラムは、2019年9月23日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第879号に掲載した記事に加筆しました。
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