新聞に「レトロニム」という言葉が出ていた。新しいものが生まれた時に区別のため、古いものの名前を変えることを「レトロニム」というのだそうだ。
記事には、スーパーなどでバーコードを読み取り自動精算するレジが出来たことにより、従来のレジを「有人レジ」と名称を変えて区別する例が紹介されていた。「無人レジ」がなかった頃は「レジ」で済んでいた。しかし無人レジになれないお客様のために「レジ」を「有人レジ」とレトロニムして残したわけだ。
新しいレジを「無人レジ」という名称にしないのは、近い将来無人レジだけにしたいからだろう。
鉄道の改札も「無人改札」となって久しい。しかし「有人改札」というのは見たことがない。これが意外と不便である。
例えば、駅ホームに入構したが忘れ物をして戻りたい時などICカード乗車券で入構するとその駅では出ることができない(これは西武鉄道だけかもしれないが)その様な特殊例のためだけに「有人改札」を設けることはなさそうだが、自動改札に投入したパスモ(または定期券、乗車券)は無情にも戻ってくる。後ろの人がドン、ドンとぶつかってくることになる。
入構駅で使用した改札券で出構できないのは、目的地まで行き駅構内で用事を済ませて戻ってくる様な不正を防ぎたいためだろう。
このコラムは、2023年6月9日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第第1453号に掲載した記事です。
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