製造品質


 「製造品質」というときの「品質」とは何をさすのだろうか?工程内不良が少ない、出荷品不良が少ない、という事を製造品質の評価指標として良いのか?

先週設計の品質を議論した際に、設計ミスの多少を品質指標として語ったが、設計品質は、その他に「機能」「操作性」「意匠」などが設計品質に含まれる。一言で表現すればユーザー・イクスペリエンスと言えば良いのだろうか。

「品質」という言葉を分解すると品(物)の質となる。漢字の束縛から自由になれば、ユーザー・イクスペリエンスという発想が生まれるだろう。

では、製造品質にもこの発想を適用するとどうかるか?
生産効率、生産リードタイムも製造品質と考えて良さそうだ。すなわち製造品質向上とは、不良削減ばかりではなく生産効率向上、リードタイム短縮もその範疇に入る。高度な設計公差に応える。美しい意匠デザインを量産で実現する。これらも製造品質だ。

価格競争が厳しいからこの程度の品質で……と考えるのは、品質とコストをトレードオフする考え方だ。こういう考え方をしていると、価格競争から逃れる事は出来ない。高度な設計要求に応える高度な製造品質があれば、価格競争から距離を置けると考えるが、いかがだろう。


このコラムは、2016年11月21日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第503号に掲載した記事を改題・加筆しました。

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