班長の仕事


 生産現場の班長の仕事はイロイロあるが、要約すれば生産のQCD(品質、コスト、納期)を安定化する事だ。

そのためには、担当生産ラインの品質バラツキをなくし、生産性のバラツキを減らす。品質と生産性が安定している状態を維持出来れば、生産のQCDを安定化出来る。前回のメルマガにも書いた様に、品質、生産性のバラツキは作業のバラツキに起因する。従って班長の最大の仕事は、作業のバラツキを抑える事だ。

一昔前ならば、この仕事はそんなに難しいモノではなかった。作業員の中から抜擢された班長さんが、普通にこの仕事をこなしていた。しかし中国の社会が発展・成熟するに連れて、作業員の指導は難しくなって来ている。

以前は同一規格製品を大量生産していれば、利益を上げられた。
この様な生産は、大量の人員を投入し一人当たりの作業手順を減らすことにより、作業訓練・技能習得を簡単にすることができる。従って今朝採用した作業員は、午後から生産ラインに入って作業することができた。
また、離職率が高くても、農村部から出稼ぎに出て来る打工妹が無尽蔵に有り、作業員の採用に困る事はなかった。

しかし同一規格大量生産品の価格はどんどん下落し、利益が上げられなくなって来た。消費者の嗜好に合わせた、多品種少量の生産に対応しなければ、生き残りは難しい。
また社会の成熟に伴い、製造業に従事する若者は減少しており、作業員の採用が困難になって来ている。

この様な社会的変化により、作業員に対する要求は上がっている。多品種少量生産に対応するには、一人当たりの作業手順は多くなる。更にいくつもの工程を担当出来る多能工の育成が必要となって来ている。
作業員の教育・訓練コストが上昇している、更に求職者の減少のため、離職率を下げなければならない。

昔の班長の様に、作業が上手に出来るだけでは、班長の職務が務まらなくなって来いるのだ。そのため、私たちの会社にも「班長研修」をして欲しいと言うご要求が随分増えて来た。今当社が最も力を入れている班長研修は、作業員に対する作業指導方法を訓練する研修だ。班長がこの能力を身につけることにより、作業員のバラツキを抑え、QCDを安定化することができる。

その様な能力の育成・研修をシステム化したのがTWIだ。
TWIに関してはこちらをご参照いただきたい。