統計的品質管理


統計
本日は,統計的品質管理,SPC,統計的工程管理といわれる方法の教科書をご紹介します.

ある台湾資本の中国工場では,私がお手伝いを始めた時には統計的品質管理を有効に活用していませんでした.
ISOやお客様の工場監査で「統計的手法」を聞かれるものだから苦し紛れに取り繕っているだけ.

その工場では半田槽の温度管理に「エックスバー・アール管理図」を使っていました.
しかし管理図が現場に掲示してあるだけで,有効な活用はされていませんでした.
大体半田槽の温度は自動制御により0.1℃以下の精度でコントロールされています.しかしその温度を計測しているディジタル温度計は0.1℃の桁までしか表示がありません.
たんに「監査対応」だったわけです.

しかし本来統計的品質管理,統計的工程管理は,我々の大きなよりどころになります.

品質保証,品質管理,生産改善に携わる全ての人は統計数学の基礎をバックグラウンドに持つ必要があるとさえ考えています.

 工程管理図,工程能力指数ばかりではなく,統計的な検定・推定,分散分析による有意性の確認など,広く応用できます.

中国語の良い教科書をまだ見つけられませんが,日本語の本はいくつか推薦できる本があります.

私はこの本をずっと愛用しています.
「技術者のための統計的品質管理入門」(共立出版)

1981年2月10日初版1刷発行.えらく古い本ですが,まだ使えます(笑)

会社の先輩からは日科技連の本を推薦されました.
既に絶版になっているようです.私が持っているのは,1989年4月10日初版第25刷発行です.1977年8月25日に初版第1刷発行なので,12年で25刷されたベストセラーというわけです.たぶんどこかの理工系大学で教科書として使われていたのでしょう.

 同じ著者の本が新版で出ていたので,多分同じ内容だと思います.

「新版 品質管理のための統計的方法入門」(日科技連出版社)

2冊ともタイトルに入門とありますが,本当の入門者にはちょっと骨が折れます.