今年は大きなプロジェクトが入っており、6人のコンサルタントがチームを作りお客様の工場を指導している。私は現場改善を担当し、中国人コンサルが2名が下についている。彼らには工場に張り付き、私の指導を推進してもらっている。
二人とも、立派な経歴を持っている。日本人の様に一社で勤め上げると言う習慣がないので、すごい企業を渡り歩いて来た様に見える(笑)
しかし残念ながら、そのうち一人は早々に降りてもらうことになった。
理論はしっかりしているし、現場の指導も問題ない。しかし重大な欠点が有った。
お客様の幹部から,塗装工程がボトルネックになっている、と聞きそれを鵜呑みにしてしまう。お客様幹部は、理論的作業人工からボトルネックは塗装だと言っている。しかし現実は,種々の原因(主に大量の中間在庫)により、塗装工程がボトルネックではなく、その後の組み立て工程がボトルネックとなっている。
それを指摘しても、なお塗装工程の改善をしたがる。現場を見れば塗装完了品が中間在庫としてたまっているのが一目瞭然だ。下手に塗装工程の生産性改善をしてしまうと、ますます中間在庫が増え逆効果となる。
トヨタには『「者」に聞くな。「物」に聞け』という格言が有るそうだ。
たとえお客様の幹部であっても、言っていることの前提が違っていたり、内部にいるため正しく課題をとらえていないことはしばしば有る。
お客様幹部と同じ目線でモノを見ていれば、コンサルの価値はない。
このコラムは、2016年4月11日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第471号に掲載した記事に加筆修正したものです。
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