購入部品の評価が難易度を増している。
昔ながらの部品であれば、部品サンプルで機能や品質を技術的に評価する。
そしてその品質、納期、コストを保証出来る事をベンダー監査により確認する。
この手順で購入部品の評価が出来る。
しかしモジュール部品の場合、機能の大部分は組み込みソフトで実現している。従って、伝統的な購入部品の評価手法だけでは十分とは言えない。
製品の高機能化、小型化が進み、この様なモジュール部品を外部調達する比率が増加しているのが現実であろう。言って見れば自社にないソフトウェア技術を部品として購入している訳だ。
では、自社にないソフトウェア技術をどのように評価したら良いのだろうか?
「バグはもう一つある」というのがソフトウェア業界の常識の様だ(笑)
ベンダーが設計したソフトウェアの信頼性を評価する事は、ほとんど不可能だ。しかもベンダーが組み込みソフトのソースコードを公開するとは思えない。組み込みソフトのコーディング検証が出来るのならば、自社で作ることが出来るだろう。
モジュール部品の検証は「入力」と「出力」を漏れなく洗い出し、全ての入力の組み合わせに対して正しい出力が得られる事を検証することになる。組み合わせだけではなく、タイミングや状態の遷移も検証対象となる。
この様な設計検証がベンダーで正しく行われている事を確認する。
自社製品に組み込んだ場合の検証をユーザの立場で行う。これを妥当性評価という。妥当性評価は自社で実施しなければならない。
妥当性評価を実施する場合、評価計画を事前に作成する事が重要だ。
モジュール部品が完成品に与える影響の致命度により順位付けをし、評価項目、評価順序の計画をあらかじめ作成して評価する。計画を作っておかないと、評価漏れや、重要ではない項目の評価に時間が取られ、評価作業が泥沼状態となる。
このコラムは、2016年9月26日に配信したメールマガジン【中国生産現場から品質改善・経営革新】第495号に掲載した記事に加筆修正しました。
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